アツミゲシとは?
アツミゲシは、西アジア(主にインド~小アジア)が原産のケシ科ケシ属の植物です。ケシ科の植物には園芸用に品種改良された種類もあるため、ガーデニングで楽しむこともできます。ただし同じケシ科の種類に分類されるアツミゲシは、園芸用のケシ科の花とは異なる特徴があります。
和名は「渥美罌粟」
アツミゲシは、和名を「渥美罌粟」といいます。名前に含まれる「渥美」は、愛知県にある渥美半島に由来しています。
アツミゲシの花言葉はない?
アツミゲシはプレゼントの対象となる花ではないため、花言葉はありません。ただしアツミゲシと同じケシ科の花には、共通する花言葉があります。
ケシ科の花言葉は不気味
麻薬の原料となる有毒成分を持つケシ科の花には、麻薬を連想させる「怠惰」「無気力」という花言葉があります。ケシ科の花には中毒性のある成分を含む種類もあるため、このような不気味な花言葉がついてしまったのかもしれません。
1964年に日本に帰化
アツミゲシは、本来日本に自生する花ではありません。そんなアツミゲシが最初に発見されたのは、今から80年以上前の1964年のことです。渥美半島の沿岸部に自生しているのが確認されたため、帰化植物(外来種)であることが認められました。
発見当時は警察・自衛隊も出動
アツミゲシが日本で初めて確認された時は、大変な騒動となりました。地元の愛知県警だけでなく自衛隊までが出動し、アツミゲシの駆除作業が行われました。このときのアツミゲシ駆除作戦では、重機だけでなく火炎放射器も使われる大掛かりなものでした。
駆除が難しい
警察・自衛隊による徹底駆除が行われたアツミゲシですが、作業が終わった後も幾度となく自生が確認されました。発見されるたびに大掛かりな駆除作業が行われるのですが、完全駆除には至りませんでした。結果として渥美半島で発見されたアツミゲシは、その後全国各地で自生が確認されるようになります。
道端や空き地で野生化
アツミゲシの繁殖力と生命力はすさまじいものがあります。環境や土を選ばない種類の植物なので、道端や空き地などほんのわずかなスペースでも育ちます。しかも道端や空き地に咲いたアツミゲシは人の目につきにくいため、気がつかないうちに野生化します。
輸入した肥料に紛れていることもある
外来種であるアツミゲシが帰化植物となった原因の1つには、海外から輸入される肥料が関係しています。なぜなら海外から輸入された肥料の中には、アツミゲシの種子が紛れていることがあるからです。そのため発見のたびに駆除されるのですが、現状では日本全国で自生が確認されています。
ボタニ子
次のページでは、アツミゲシの毒性や花の特徴などに触れていきます。