バニラビーンズとは?
バニラの木は、ラン科バニラ属の蔓性(まんせい)植物で、他の樹木などを支えに茎をのばし成長します。バニラビーンズはさやとなる実を乾燥させてから抽出します。香料の原料となるバニラビーンズでは、バニラ・プラ二フォニアという品種が知られています。
自然界の受粉率はわずか1%
コロンブスがアメリカに来る以前より、バニラはタバコやカカオなどの飲料の香料として用いられていました。バニラの木も他の植物と同じで花が咲き実ができますが、その過程でポリネーター(受粉者)となる虫が生息する環境が必要です。原産地の中央アメリカ、メキシコの固有種のハリナシバチが花粉を運ぶ唯一の存在で、バニラの開花期間がわずか1日しかない環境により、受粉率はわずか1%といわれる貴重な香料として扱われていました。
花言葉
バニラの語源は、スペイン語の「小さなさや(vainilla)」という意味に由来しています。花は早朝に6cmほどの薄緑の花を咲かせ、その日の夜にしぼんでしまいます。たった1日しか咲かないバニラの花は、豆と同様に香りがありません。花言葉は「永久不滅」です。
市販されている製品の種類
収穫したてのバニラの豆やさやには、まったく香りがありません。バニラビーンズ特有の甘い香りは、キュアリングという丁寧な乾燥熟成処理があってうまれます。市販されている製品としては、バニラビーンズ、バニラエッセンス、バニラオイル、バニラエクストラクトなどがあります。
バニラビーンズの歴史
コロンブスがアメリカ大陸を発見する以前より、中央アメリカではタバコやカカオ飲料などの香りを楽しむ香味料としてバニラは利用されていました。コロンブスが率いるスペインの侵略者により、バニラビーンズなどがヨーロッパに持ち込まれることになります。
人工受粉の成功
18世紀~19世紀の半ばまで、バニラの苗は原産地から他の地域で栽培されましたが、原産地以外でのバニラの結実をみることはできませんでした。しかし、1841年にフランス領レユニオン島に住むエドモン・アルビウスという12歳の少年が人工授粉を考案し、成功させました。
栽培方法の発展
エドモンが人工授粉に成功したあとも、古代メキシコからのベラクルスのインディオ、トトナコ族が生産するバニラビーンズに比べると品質が劣っていました。19世紀中ごろ、フランスの栽培者が人工授粉方法を交換に、トトナコ族の乾燥熟成処理の情報交換をすることに成功しました。