日本の土壌について
では日本ではどのような土壌が多いのでしょうか?実は日本の土壌は酸性土壌が多いのです。これには様々な要因がありますが、日本の土壌は徐々にphが下がるという傾向があります。ではどうしてphが下がっていくのでしょうか。
雨が多いとphが下がる
雨が降ると土の中にある石灰成分が雨に溶けて流れていきます。石灰成分はアルカリ性のため、雨で石灰が流れでアルカリ成分が減っていき、phが下がるということです。また雨自体も酸性の成分を含んでいるため、日本のような雨の多い島国ではphが下がり、酸性値を上げるのです。
化成肥料はph値が下がる
化成肥料の多くは酸性の性質を持っているため、畑に混ぜるとphが下がり土壌が酸性に偏ります。つまり土壌のph値を確認しないで化成肥料をまくと、もともと酸性に傾きがちだった土壌がさらに酸性になってしまうのです。そうした状況を改善するためには、phが上げる改良資材を一緒に使用する必要があります。肥料のなかには酸度が上げる性質を持ったアルカリ性肥料もあるため、確認してから散布しましょう。
植物が育つとphが下がる
植物は根から養分を吸収するときに、養分と水素イオンを交換します。水素イオンは酸性の性質を持つため、土壌のなかに水素イオンが増えると徐々にphが下がる傾向にあり、土壌は酸性化していきます。簡単にいえば、植物が育てば育つほど土の中のphは下がっていき、酸性になっていくというわけです。そうした性質を利用して、phが上がってしまった土壌を改良するソルゴーのような植物を育ててphを下げる方法もあります。
作物に適した土壌
では土の酸度を調べる方法や与える影響がわかったところで、次は育てる作物ごとに適した酸度の説明をします。作物を育てるのに適した土壌は弱酸性から中性が一般的です。さらにその中でも作物ごとに細かく生育に適したph値があり、それを好適土壌酸度と呼びます。好適土壌酸度は作物ごとに異なるため、育てたい作物の好適土壌酸度に合わせた土づくりが必要になります。
好適土壌酸度の意味
上の図は家庭菜園でよく育てられる好適土壌酸度を示したものです。好適土壌酸度は作物ごとに細かく決まっており、その一部だけ紹介します。例えばほうれん草は中性よりの土壌を好むため、酸性の土壌では育ちにくいです。トマトや玉ねぎなど多くの野菜はph6.0~6.5の中性土壌が発育に適しています。そのためphのみで考えた場合トマトとほうれん草は同じ土壌では育てられず、トマトと玉ねぎは同じ土壌で育てられるということです。
ボタ爺
次はアルカリ性土壌を改良するための資材や土を紹介するぞ。