リグナンとは?
リグナンは植物に含まれる2種類以上の元素が、化学反応することによって結合された化合物の種類の一つです。リグナンは、日常生活において食品などを摂取する中で、体内に取り入れた酸素の中にある有害な物質を除去、減弱する抗酸化物質として働く植物エストロゲンの主要分類です。
抗酸化物質
抗酸化物質とは、活性酸素の発生や働きを抑制させたり、有害化した活性酸素を取り除いたりする物質です。活性酸素が多くなると、ガンや生活習慣病の発生原因となるといわれています。リグナンの抗酸化物質は、活性酸素と反応することで無害化させる作用が期待できます。
植物エストロゲン
植物エストロゲンとは、エストロゲンに似た物質で、植物や植物性の食品に含まれています。植物エストロゲンは、エストロゲンの過剰な働きを抑え、乳ガンを予防するといわれています。エストロゲンとは、女性の体内の卵巣で分泌された内因性の女性ホルモンのことです。
エストロゲン
エストロゲンはエストラジオール、エストロン、エストリオールの3種類からなるステロイドホルモンの一種です。一般には女性ホルモンとも呼ばれています。女性が思春期においての乳房の発達、子宮や膣の発育などをエストロゲンが促すことで女性らしい体型、骨格づくりを助けます。
動物性リグナン
リグナンは植物の中に存在する化合物の一つです。リグナンを含む植物性の食品を摂取すると腸内細菌の働きによって、植物では見られない化合物のエンデロラクトン(動物性リグナン)として代謝されます。
リグナンの効能
リグナンを多く含む食品は体内に摂取されることで、ガンや心筋梗塞などの生活習慣病の原因をひきおこす酸化を防止する作用があるといわれています。さらに動物リグナンには血小板を活性化するはたらきを抑制させることで血液をサラサラにする効果が期待されています。
効能①心臓疾患改善をサポート
リグナンは1956年に発見されたポリフェノールの一種です。体内に摂取されたリグナンは、腸内細菌の働きによりエンテロジオールとエンデロラクトンという物質の原料となります。特にエンデロラクトンは心臓疾患や更年期の軽減などの改善効果が期待されています。
効能②肥満の予防
体内の血中には、アディポネクチンという脂肪酸から分泌された善玉ホルモンが存在します。善玉ホルモンは脂肪の燃焼作用や血管の拡張・修復する作用などがあります。リグナンが血中のアディポネクチンのはたらきを増加させ、肥満や糖尿病のような生活習慣病の予防につなげます。
効能③更年期障害によるトラブル予防
40代を超えた、いわゆる更年期は、男女ともに性ホルモンの分泌量が減少していきます。これにより、のぼせ、顔のほてり、不安感、イライラなどの心身のトラブルとなる症状が現れることも。リグナンは、トラブルとなる症状が重くなることを予防するはたらきがあります。
効能④ガンの予防
子宮がんや乳がん、前立腺がんは、血中にある女性ホルモンの濃度や脂肪摂取量が高いほど、発生する確率が高いといわれています。これらガンの種類の初期段階は、女性ホルモンなどの影響を受けて腫瘍が大きくなるからです。リグナンには、がんを縮小する作用が期待できます。
効能⑤老化の抑制
仕事や家事による疲れが、自律神経(交感神経と副交感神経)を司る脳に多くの活性酸素を発生し、身体全体を酸化させていきます。身体全体が酸化していくと細胞DNAの破壊により老化が促進し、動脈硬化などの原因となります。リグナンは身体全体の酸化を無害化してくれるといわれています。
効能⑥免疫システムの促進
リグナンを多く含む食品を摂取し、体内の中の腸内細菌により代謝されることで、多くの疾病への予防効果が期待できます。このほかリグナンは、ヘルペスやインフルエンザ、A型・B型肝炎などのウイルスに対抗する免疫システムにも、パワフルな働きを促進させる効果が期待できます。