アラカシの生垣としての育て方
アラカシは「お金が溜まる縁起樹」とも呼ばれ、縁起のよい木としても親しまれています。その由来は「金は貸すが、借りん」という言葉を元にして、庭の表に「花梨(借りん)」を、庭の裏に「カシ(貸し)」をセットで植えるとお金が溜まるというものです。そのため、アラカシは庭の生垣にもよく利用されています。そんなアラカシの、水やりや肥料など、生垣としての育て方をご紹介します。
苗選び
アラカシを生垣として育てる場合は、苗選びが重要といわれています。なるべくまっすぐ上に伸びている苗を選ぶと、管理や手入れがしやすいのでおすすめです。また、幹が太く、健康な苗を選ぶことも大切なポイントです。
用土
アラカシを地植えにする場合、土質はあまり選びません。しかし、多少の湿り気がある土を好む性質があるので、あまりサラサラとした土では上手く根付かないことがあります。そのため多少の水持ちのよさが必要です。
水やり
アラカシは、適度な湿り気を好みます。地植えの場合は根を長く伸ばし、たくさんの水分を吸収することができるので、とくに水やりの必要はなく、雨水のみで十分です。しかし、植え付けて間もない頃や、苗がまだ小さいときには、土の様子を見ながら水やりをしてください。
肥料
アラカシは地植えの場合、肥料を与える必要はありません。しかし、まだ幼苗のアラカシには、固形肥料を2月と9月に適量与えてください。アラカシに肥料を与えすぎてしまうと、根腐れを起こしてしまい、枯れる恐れがあるので注意が必要です。
仕立て方
アラカシを生垣として育てる場合には、苗が大きくなった頃「ボウガシ」という方法で仕立てていきます。ボウガシは枝や葉などを取り払い、幹をまっすぐ上へ伸ばしていく育て方で、苗を植えるときに詰めて植えると、目隠しや防風の効果があります。
アラカシの剪定
アラカシは剪定を行い、きちんと管理する必要があります。放っておくと樹形が乱れてしまったり、葉が生い茂りすぎたりして管理が大変です。また、アラカシは剪定のやり方で枯れてしまう心配は少ない植物だといわれているので、好きな樹形に整えても構いません。
剪定時期
アラカシの剪定は、開花時期の終わった6月中旬〜7月下旬か、育成の速度が緩やかになる11月〜12月が適しています。アラカシは他の植物と比べて成長が早く、強く刈り込んでも、すぐに芽吹いて大きくなるのが特徴です。この時期にしっかりと剪定しておきましょう。
開花させるためには剪定時期に注意する
アラカシは4月〜5月に花を咲かせます。その花芽をつけるのは前年の8月頃とされ、この時期に剪定を行ってしまうと、大切な花芽を切り落としてしまう恐れがあるので注意が必要です。新しい芽は切らないようにしてください。
剪定方法
アラカシは「刈り込み」と「枝抜き」という2種類の剪定方法で管理します。それぞれの剪定方法は以下の通りです。
剪定方法①刈り込み
アラカシの樹形を整えるために行う剪定を「刈り込み」といいます。生垣の場合は、外に飛び出してしまった枝や、伸びすぎた枝を剪定していきます。刈り込みは、アラカシの表面側の手入れを行うイメージです。
剪定方法②枝抜き
余分な枝や、枯れてしまった枝などを切り落とす剪定を「枝抜き」といいます。枝抜きは、込み入った枝や葉を取り除くことでアラカシの風通しをよくして、病気や害虫被害を予防する効果も期待できます。
ボタニ子
次のページでは、アラカシの病気と害虫や、どんぐりの見分け方をご紹介します。