南天(ナンテン)の剪定方法を図解で紹介!タイミングや切り方は?

南天(ナンテン)の剪定方法を図解で紹介!タイミングや切り方は?

南天(ナンテン)は赤い実が特徴の常緑低木です。どこから切っても育つ生命力のある植物ですが南天の樹形をきれいに保つには伸びすぎた葉や幹を間引く作業が必要になります。複葉の剪定の仕方や時期など樹形を整える剪定の方法を図を使ってご紹介します。

記事の目次

  1. 1.南天(ナンテン)の原産地
  2. 2.南天(ナンテン)の特徴
  3. 3.南天(ナンテン)の剪定
  4. 4.南天(ナンテン)の剪定手順を図解でご紹介!
  5. 5.南天(ナンテン)の育て方
  6. 6.まとめ

南天(ナンテン)の原産地

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ナンテンは中国や日本が原産の常緑低木で、1712年にケンペル(E.Kaempfer)によってヨーロッパへ紹介され、今では白い実のつく「白南天」や紅葉が楽しめる「オカメ南天」など100種類以上もあります。お正月の門松やお祝い事にそえられる縁起のよい植物の代表です。

魔除け

Photo by pelican

ナンテンは「難を転ずる」という意味があるので鬼門の方向やトイレの横に植えられ、魔除けや火災よけとして玄関横の植栽や生け垣として利用されます。ナンテンの赤い実は冬の庭のアクセントに利用され華やぎのある植栽として重宝されています。

南天(ナンテン)の特徴

出典:写真AC

ナンテンは低木で自然に生えているときは1~3mほどに育ち、花びらは6枚(6弁)の小花で初夏の空に向かって穂状の白い蕾(つぼみ)をつけます。花盛りの時は6本ある雄しべの黄色がよく目立ちます。実は緑色から徐々に赤く染まっていき、秋から冬にかけて花穂は真赤になります。

出典:写真AC

ナンテンの実の特徴は、色が緑色から赤に変わる穂状で、葉よりも高い位置にあり空に向かってついています。赤い実のなる間違えやすい木にはアオハダ、モチノキ、カナメモチなど種類も多くありますが、ナンテンとの違いは夏の終わりから9月頃に実をつけ、葉のつけ根から垂れ下がって見える点でしょう。

南天(ナンテン)の薬効

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ナンテンの真赤な実は煎じて飲むと「咳止め」なり、「のどあめ」の原料に使われています。葉には殺菌・防腐の作用があり乾燥させてお茶として楽しめます。昔から薬用の木として重宝されていました。

南天(ナンテン)の葉の飲用には注意

ナンテンの葉はアルカロイドという有毒成分が含まれ、多量に摂取すると知覚や運動神経の麻痺を引き起こす恐れがあるとされています。鎮痛薬や風邪薬にも含まれている成分で、これらの薬剤と併用するときは注意が必要です。

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ナンテンの葉は複葉です。複葉は中心の軸を葉軸、葉の部分を葉柄とよび、枝分かれする軸の先に3~4cmの葉をつける形が組み合わさったつくりです。ナンテンの複葉は軸がしっかりとしていて葉柄が三枚あり幹から三回でている三回三出複葉とよばれる付き方をしています。

出典:写真AC

ナンテンの木は常緑の低木で1~3mの高さになります。大きく育つシンボルツリーとして植えられることの少ない木ですが、放置すると意外に伸びすぎて、一階の屋根を超す高さになることがあります。

南天(ナンテン)の剪定

剪定の時期

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新しい幹の伸長を促すために春(2月~4月上旬)に枯れた幹や伸びすぎた葉軸のある複葉を切り落とす作業をします。実が落ちたころを目安にして手入れを始めます。初夏におこなう剪定には切り戻し剪定があります。

南天(ナンテン)の剪定の基本

出典:筆者撮影

ナンテンの幹はどこから切っても元気に育ってくれますが、基本の剪定方法は樹形を整える場合であっても根元から幹を切り取る仕方の剪定をします。葉の剪定は複葉の途中からは切らず幹のつけ根から葉軸ごと取りのぞく剪定をします。

間引き剪定

ナンテンの木は一度実を付けると1~3年は実を付けないので、実が落ちた花穂の残る幹(木)を選んで幹の間隔を調整する作業です。混みすぎように幹を選んで取り除く剪定方法で春先におこなう作業です。

切り戻し剪定

伸びすぎた幹の高さを調整するときの剪定の仕方です。切り株の先にも新しい芽が出て複葉が繁ってくることを考え、幹のどこから切るか高さを決めます。梅雨の時期におこない、新しい芽を吹かせる目的の剪定です。ナンテンの剪定の基本は幹の途中から切り落とすことはありませんが、生垣の刈り込みでは好みの高さのどこかで切り落としたり葉軸を間引く調整の仕方を用います。生命力があるので思いきって切り落とします。

剪定する幹の選び方

出典:写真AC

ナンテンの木は軒下まで伸びることがあり、このように伸びたナンテンはより縁起がよいとされていますが、周囲の状況や庭のデザインによっては幹の本数や高さを調整する必要があります。樹形を保つ切り方や古い幹と新しい幹の交代がすすむような手入れを心がけます。

葉の剪定

出典:筆者撮影

ナンテンの葉は三回三出複葉になっているので、広がり過ぎて邪魔な葉を見ると途中のどこからでも切りたくなりますが、三回三出複葉は途中で切りはぶくと美しく見えないので、思い切って幹のつけ根の葉軸の位置から複葉全体を切る方法で剪定します。

南天(ナンテン)を切る用具の準備

ノコギリの種類

ノコギリは木を切る用途によっていくつかの種類があります。ナンテンの幹は指の太さ程度なのでノコギリの歯の幅(身の幅)は細めで長さも25~30cm程度のものを準備します。収納することを考えるとスペースをとらない折りたためるタイプ(折り込みノコギリ)がおすすめです。

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折り込みのこぎり

ナンテンの幹は手の指程度の1~2cmの太さがあるので、木バサミやノコギリで手入れをします。幹の本数が少ない場合は樹形を活かすために幹の途中で切る場合もあるので、刈り込みバサミや剪定バサミに加えてノコギリも準備すると便利です。

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南天(ナンテン)の剪定手順を図解でご紹介!

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