すみれ(菫)はどんな花?
すみれ(菫)の品種は、450種類以上あります。そのうち日本の野生のすみれが、約80種類です。日本の野生のすみれだけでも、全体のおよそ18%を占めています。これから、すみれの名前の由来などご案内します。
すみれ(菫)の基本情報
学名 | Viola mandshurica |
科 | スミレ科 |
属 | スミレ属 |
英名 | violet |
別名 | 菫、スミレ、マンジュリカ |
形態 | 多年草 |
原産地 | 日本、中国、北アメリカ南部、北半球の温帯地域 |
開花期 | 3月~5月 |
花色 | 紫、ピンク、白、黄色など |
すみれ(菫)の名前の由来
すみれの名前の由来は、その「見た目」からの影響が大きいです。つまり、花のつくりによる形や色に深く関係しています。
和名は大工道具が由来
和名の語源は、牧野富太郎博士が唱えた説によるものです。この説は、材木に直線を引く大工道具の「墨壺」に関係しています。横から墨壺を見た時、すみれが蜜をためるふくらみに形が似ているからです。そして、墨壺の一般名称が「墨入れ」と呼ばれているため、「墨入れ」が「すみれ」に転じました。
色による由来
学名「Viola mandshurica」の「Viola」は、ラテン語で「紫色」を意味します。また、英名の「violet」は、「violet」の語源の「viola」からきています。英語で「violet」がスミレ色や紫色、青みがかかった紫色と意味するのも、語源の「viola」が関係しているからです。
すみれ(菫)の花言葉の由来
花言葉①「謙虚」
すみれの花言葉の話が、ドイツの昔話にあります。ある日、旅人が歩いていると、すみれの香りがしました。旅人はその香りで、すみれが近くに咲いていることに気付きます。旅人はひっそりと咲いているすみれを見つけると、その姿に「謙虚」さを感じ、この花言葉の意味がつけられたといわれています。
花言葉②「誠実」
すみれは小さいけれども、どんな場所にでも強く育つことから「誠実」という花言葉が生まれました。例として、夏目漱石の俳句に「菫程な 小さき人に 生れたし」という俳句があります。幸せな生き方は、すみれのように「誠実」に自分を貫くことだと詠んでいます。
花言葉③「小さな幸せ」
すみれは、道端など目立たない場所に咲いています。歩いている人が偶然、すみれを見つけ「小さな幸せ」を感じたことにより、この花言葉の意味になったといわれています。
まとめ
すみれの和名の由来が、大工道具の「墨入れ」と聞くと一般家庭にはない道具だけに思いがけない理由だったのではないでしょうか?名付けた人が、すみれをじっくり観察したことがうかがえます。日本にはたくさんの種類のすみれが咲きます。ぜひ観察して楽しみましょう!