マンサクの開花と見頃の時期
マンサクの開花時期は2月~3月、品種によっては1月から咲き始めます。見頃の時期も同じく2月~3月です。ただし、マンサクは秋に紅葉するため、この時期も見頃の時期にあたるでしょう。マンサクは紅葉も美しい植物です。なかには黄葉する品種もあります。なお、紅葉の見頃の時期は10月中旬~11月です。
マンサクの種類・品種
種類・品種①マルバマンサク(丸葉満作)
北海道西南部~本州日本海側にかけて分布している品種です。基本種と比べると葉の形状が丸みを帯びていることから、この名前がつけられました。比較的雪が多く寒冷な気候に適応できるように変化した品種とされています。雪に埋もれて育つため、幹や枝の柔軟性が高くて折れにくいという特徴があります。
種類・品種②アカバナマンサク(赤花満作)
名前のとおり赤い花をつける品種です。「ベニバナマンサク(紅花満作)」とも呼ばれています。植物学的分類では、上記で紹介したマルバマンサクの変種とされていますが、日本原産の基本種と中国原産種のシナマンサク(志那満作)との交雑種という説もあります。
種類・品種③アテツマンサク(阿哲満作)
中国、四国、九州地方にかけて分布している品種です。変わった名前は、この種が最初に発見されたのが岡山県の阿哲郡(現・新見市)だったことに由来しています。基本種のマンサクは、花が黄色くてもガクの色は赤いのですが、アテツマンサクは花もガクも黄色いのが大きな特徴です。環境省から準絶滅危惧種に指定されている植物でもあります。
種類・品種④シナマンサク(志那満作)
中国を原産とする品種です。マンサクのなかではもっとも大きな花をつけます。芳香も強いため、庭木としてよく植えられています。花を密につけることと、前年の葉が枯れても落ちず、開花時期になってもそのまま残っていることが大きな特徴です。開花時期が早く、1月頃から咲き始めます。
種類・品種⑤アーノルド・プロミス
日本原産のマンサクとシナマンサクを交配させて誕生した園芸品種です。ほかのマンサクに比べると花色の発色がよく、花つきもよい特徴があります。開花時期、鮮やかな濃黄色の花をたくさん咲かせる様子は見事です。名前の由来はマサチューセッツの鯨販売業者ジェームス・アーノルドに由来しています。
ジェームス・アーノルドは自身の死後、ボストンのハーバード大学に遺産の一部を寄付しています。目的は樹木園の設立と維持のためでした。
設立された樹木園は、現在も維持されているよ。「アーノルド・プロミス(アーノルドの誓い)」の名前は、このことに由来しているんだ。
種類・品種⑥アメリカマンサク
名前が示すように、北アメリカを原産とする品種です。日本の基本種を含め、マンサクは早春に咲く花という認識が一般的です。しかし、この種は秋に花を咲かせるという珍しい特徴があります。日本ではマンサクの葉を止血剤に使用していましたが、北アメリカの先住民族も古くからマンサクには止血・収れんなどの効果を期待して、切り傷や虫刺されの薬に用いていました。
ハーブや化粧水にも利用
アメリカマンサクの葉には独特の香りがあり、ハーブとしても利用されています。また枝葉から抽出したエキスには、肌を引き締めてニキビ跡を治す効果があるとされ、古くから化粧水の原料として用いられてきました。現在でもアメリカのドラッグストアでは、アメリカマンサクを用いた化粧水が販売されています。
主に止血、鎮痛、防腐などの効果があり、切り傷や湿疹、虫刺され、皮膚の炎症に有効な成分を含みその効果は米国食品医薬品局(FDA)にも認められています。
まとめ
マンサクは早春を告げる花として、古くから多くの人たちに注目されてきました。また、さまざまな効能を持つことから、日本でも外国でも「神秘的な力を持つ植物」として珍重されていたという稀有な植物でもあります。庭木としても盆栽としても楽しめる点も魅力です。好きな方法でガーデニングに取り入れてみてくださいね。
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丈夫さと柔軟性を活かし、枝は建築材に、樹皮は物資を束ねる縄にと幅広く使用されていました。