ワスレナグサとはどんな植物?
春先に小さな青い花をつけるワスレナグサは、耐暑性が弱く夏越しできません。一般的には一年草として扱われています。飾り気がなく単体だと目立つ花ではありませんが、群生させたり他の植物と寄せ植えしたりすると、鮮やかな青色が映え素敵な景色を作り出す魅力的な植物です。
基本情報
科属名 | ムラサキ科ワスレナグサ属 |
和名 | ワスレナグサ(忘れな草、勿忘草) |
英名 | forget-me-not |
種類 | 一年草、多年草(寒冷地) |
草丈 | 10〜50cm |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
開花時期 | 3月下旬~6月頃まで |
ワスレナグサの特徴
ワスレナグサは、花径が5~6mmほどのとても小さな花がいくつかまとまって咲くのが特徴です。青色が最も流通していますが、ピンクや白の園芸品種もあります。暑さとジメジメとした過湿環境が苦手なため、開花時期は3月下旬頃〜梅雨前の6月頃までです。
ワスレナグサの名前の由来と花言葉
「ワスレナグサ」という名前は、英名forget-me-notの直訳「私を忘れないで」が由来とされる説が一般的です。この英名はドイツのある悲しい恋物語からつけられたといわれています。恋人のために花を摘みにいき、命を落とした騎士の恋人への最後の言葉が「私を忘れないで」でした。この時の花がワスレナグサだったという言い伝えです。
ワスレナグサの花言葉
- 私を忘れないで
- 真の友情
- 真実の愛、誠の愛
- 思い出
ワスレナグサの育て方
ここからはワスレナグサの育て方について、植え付けに最適な時期や使用する土、水やり、肥料の与え方などを解説していきます。ワスレナグサは、年明け頃から流通しはじめる苗を春に植え付けて育てるか、秋に種をまいて育てる方法があります。
苗の選び方のポイント
- 花つきより、葉のツヤがよく生き生きとしている苗を選びましょう。
- 花が咲き始める前の若い苗は根が張って花つきもよくなります。
育て方のポイント➀植え付け時期と場所
ワスレナグサは水辺を好む植物ですが、水はけが悪くジメジメした過湿環境は苦手です。水はけがよく、直射日光をさけた風通しのよい日向を選ぶようにしましょう。植え付けに適した時期は3月頃と10月上旬頃です。
育て方のポイント②土
水はけ・水もちのよい土が適しています。庭植えの場合、他の植物が育っているような環境であれば特に土作りの必要はありません。水はけが悪い状態であれば、植え付ける場所の土に腐葉土を3~4割程度混ぜておくとよいでしょう。元肥として緩効性肥料も適量混ぜておきます。
ボタニ子
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土が便利です。自分で配合する方は「赤玉7:腐葉土3に緩効性肥料を適量」を目安にしてみてくださいね!
育て方のポイント③水やり
庭植えの場合は、基本的に雨水のみで水やりしなくても育ちます。ただし、土の状態を観察し乾燥しやすい時期には株元にたっぷりと水やりしましょう。鉢植えの場合は特に水枯れに注意が必要です。土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり与えましょう。
育て方のポイント➃肥料
多くの肥料を必要としない植物です。植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を混ぜておいたあとは様子を見ながら追肥します。肥料が多すぎるとつぼみが育たず花つきが悪い株になります。追肥の目安としては「生育期に下のほうの葉が黄色くなる」です。液体肥料を与えて様子を見ましょう。
ワスレナグサの種まきの仕方
ワスレナグサの種は秋まきが一般的で、種まきに適した時期は9月~10月頃です。発芽温度が15~20℃のため、寒冷地では春にまくことが多いです。
種まきに適した土
種まきには市販の「種まき専用用土」が便利です。自分で配合する場合には「赤玉土5:バーミキュライト5」を目安に配合し、水はけ・水もちのよい土を作って使用しましょう。
容器を使った場合の種まきの手順
※発芽しやすくするため、種は事前に半日程度水につけておくとよいでしょう。
- 種まきに使用する容器を用意し、事前に土は湿らせておきます。
- 種まき用の土を入れ、種がなるべく重ならないよう種まきしましょう。
- 種をまき終えたら2cm程度の土をかけます。
- 発芽するまで日当たり、風通しのよい場所で管理します。
- 土が乾燥しないよう水やりを忘れずに行いましょう。
- 発芽し本葉が2~3枚程度出たら、根の張りのよいものを育てる場所に植え替えます。
花壇に直まきする場合の種まきの準備と手順
植える場所の整備
- 植える場所の雑草や埋まっている古い根などは取り除いておきましょう。
- 事前に腐葉土や緩効性肥料を混ぜ、ワスレナグサが育ちやすい土壌にしたあと、種まき専用土を5cm程度かけておきます。
※種は事前に半日程度水につけておきましょう。
- 種が重ならないようパラパラと種をまきます。
- 種をまき終えたら土をかけておきます。
- 土が乾燥しないよう水やりします。
- 発芽したら成長の悪い芽はハサミで切り取り間引きしましょう。
- そのまま冬越しさせ、順調にいけば翌春に開花します。
ワスレナグサの管理の仕方
ここからは、ワスレナグサの日々の管理方法について、適した置き場所や剪定作業など解説していきます。
鉢植えの置き場所
直射日光は避けますが日当たり、風通しのよい場所が適しています。鉢植えは鉢ごと乾燥しやすく水枯れを起こしやすいため、コンクリートへの直置きはやめましょう。
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寒冷地では夏の間、半日陰の涼しい場所で管理することで夏越しも可能ですよ!
植え替え
一年草扱いのため基本的に植え替えの必要はありません。寒冷地で多年草として育てる場合には、根の状態を観察しながら2~3年に一回を目安に植え替えを行いましょう。適した時期は3月頃です。
植え替え時のポイント
- 一回り以上大きめの鉢に植え替えるようにしましょう。
- 同じ鉢で育てる場合は、古い根や古い枝は切り落としてコンパクトにしてから植え替えるとよいでしょう。
剪定
終わった花をそのままにしておくと、株が蒸れて風通しが悪くなり病害虫の発生原因にもなりかねません。終わった花は花茎ごと切り取りましょう。こまめに剪定することで元気な株に育ちます。
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次ページでは、ワスレナグサの増やし方や寄せ植えのコツについてご紹介しますよ!
品種によって横に広がりやすい種類があるため、庭植えの際には株同士の間隔を30cm程度あけましょう!