ニシキソウとは?
基本情報
科目 | トウダイグサ科トウダイグサ属 |
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種類 | 一年草 |
分布 | 本州~沖縄 |
草丈 | 10~25cm |
開花 | 7~10月 |
別名 | ニシキグサ |
ニシキソウは日本の本州から沖縄までの広い地域にかけてみられる、雑草の一種です。繁殖力が高く、さまざまな場所に生えています。コニシキソウやオオニシキソウなど、同じトウダイグサ科で見た目も似ている種類が多く存在しています。
見た目の特徴
葉・茎の特徴
ニシキソウの葉は長さ0.4~1cmで長い楕円形をしており、毛はほとんどありません。葉の根元にあたる基部が、左右不ぞろいなのが特徴です。葉の表面にはまだら模様がありますが、見た目の似たコニシキソウほど目立ちません。茎は10~25cmほどの長さで赤みがかっており、両側に葉をつけます。茎の分布が多く、地をはうような形で伸びます。
花の特徴
ニシキソウを含むトウダイグサ属の植物は、杯状花序(はいじょうかじょ)という特殊な花のつきかたをしています。見た目は白い花びらが4枚付いているように見えますが、花びらではなく腺体の一部です。本来の花は器のような苞(ほう)の中に、退化した雄花や雌花が付きます。雌花一つに、複数の雄花で構成されています。
ニシキソウの名前の由来
ニシキソウは名前の似た種類の仲間もふくめ、雑草として扱われています。しかし、名前の由来は意外にも美しいものです。ニシキソウの「ニシキ」はニシキゴイや錦絵と同じ、鮮やかで美しいという意味です。ニシキソウの緑の葉と赤い茎鮮やかなコントラストから、錦に例えられました。
ニシキソウの毒性
ニシキソウの茎をちぎると乳白色の液が出てきます。液には毒性があり、触れると皮膚がかぶれたり炎症を起こしたりしてしまうこともあります。ニシキソウを含め、仲間も雑草を駆除するときは、白い液が顔や目に付着しないよう注意してください。特に子どもやペットがいる家庭は、直接肌に触れないよう気をつけましょう。
ボタニ子
ニシキソウは食べられるの?
ボタ爺
国によっては薬にされることもあるが、基本的に食用ではないのじゃ!
ニシキソウと似た雑草との違い
ニシキソウには名前や見た目が似た仲間が多く存在します。中には、食用の野草にも似ている種類があります。ニシキソウと間違えやすい植物の特徴と、見分け方をみてみましょう。
①スベリヒユ
スベリヒユはスベリヒユ科の植物で、食用としても親しまれている野草です。赤い茎に丸みのある葉をした姿はニシキソウとよく似ており、見た目で見分けるのは難しいでしょう。確実に見分けるには、茎をちぎってみてください。ニシキソウの場合、乳白色の液が出るためわかりやすいです。ニシキソウには毒性があるため、誤って口にしないよう注意してください。
②オオニシキソウ
オオニシキソウは北アフリカ原産の一年草です。ニシキソウとはそのほかの点では異なるところが多いため、仲間の中では見分けやすいでしょう。赤みがかった茎はニシキソウと共通していますが、葉が細く長めです。草丈も20~40cmとニシキソウよりも大きくなります。また、オオニシキソウは茎が立ち上がっているためすぐにわかります。
③コニシキソウ
道ばたや空き地、畑など広く分布する雑草で、ニシキソウよりも多くみられます。ニシキソウとの違いは、表面に黒いまだら模様があることです。しかし、まれにコニシキソウでもまだら模様が現れないこともあります。葉で見分けがつかないときは、実(さく果)を確認してみましょう。コニシキソウの場合、毛が生えています。
④ハイニシキソウ
ハイニシキソウは南アメリカや北アメリカ原産で、暖かい環境を好みます。日本では沖縄県でよく見られる雑草です。ニシキソウによく似た見た目をしていますが、葉の表面にまだら模様がありません。また、葉の両面に毛が生えていないのも見分けるポイントです。実のヒダや茎の上面に毛が生えています。
⑤シマニシキソウ
シマニシキソウは別名「タイワンニシキソウ」とも呼ばれている、熱帯アメリカ原産の雑草です。日本の近畿地方より南に分布しており、南西諸島では道ばたでよく見られます。シマニシキソウの葉は細長くて大きいです。また、葉の中央には放射状に並んだ赤い斑点がみられます。実や茎に白く長い毛がビッシリと生えているのも特徴的です。
⑥アレチニシキソウ
アレチニシキソウは熱帯アメリカ原産の帰化植物です。道ばたや畑のほか、海岸に近い砂地でよくみられます。アレチニシキソウもニシキソウと同じように、茎が地面をはうように広がります。丸い葉や赤みを帯びた茎といった見た目も、非常によく似ています。見分けるときは実を確認してみましょう。アレチニシキソウは実のヒダにそって長い毛が生えています。
ニシキソウの防除・駆除方法
方法①除草剤を使う
ニシキソウは手で引き抜いても残ったところから再生してしまいます。また、毒性をもつ乳白色の液が出るため、直接触れると危険です。ニシキソウを駆除するには除草剤を使うのがおすすめです。根が残るとまた生えてくるため、根まで浸透する「移行型」の除草剤を使用するとよいでしょう。
ボタニ子
芝生の間に生えるニシキソウはどう対策したらいいの?
ボタ爺
芝生の密度を上げると発生を抑えられるんじゃ!あとはこまめに芝刈りするとよいぞ
方法②防除シートと砂利で予防
ニシキソウは一度駆除しても、飛んできた種子によって再度発生することもあります。そこで、除草剤で駆除したあとは、防除シート敷くと予防対策になります。見た目が気になる場合は、上から砂利を敷くのがおすすめです。日光がさえぎられて雑草が生えにくくなるうえ、除草シートが保護されるので長期間ニシキソウの再発を予防できます。
ニシキソウの利用方法
グランドカバーに利用することも可能
庭に発生するとあっという間に増えてしまい困るのがニシキソウです。しかし、繁殖力の逆手にとって、グランドカバーにしてしまう利用方法もあります。ニシキソウや仲間の雑草は地面を覆うように生えることが多いため、ほかの雑草を寄せつけません。
ボタニ子
ニシキソウは丈夫だから、グランドカバーにすると手入れもラクチンね!
ボタ爺
ただし、ニシキソウはアリと共生関係があるから、広範囲に生やすとアリが増えることもあるんじゃ
ボタニ子
そうなの?グランドカバーにするなら範囲を限定したほうがいいね!
おすすめのニシキソウ駆除剤・防除シート
①サンフーロン
除草剤 サンフーロン 500mL
参考価格: 639円
サンフーロンは葉や茎から薬液が浸透し、根まで強力に届いて枯らす移行型の除草剤です。ニシキソウや仲間の雑草にも効果的に作用します。晴れた日なら6時間ほどで吸収され、数日で雑草を変色させるため、効果を実感しやすいでしょう。約100~200倍に希釈して、噴霧器でまんべんなく散布します。500mLと大容量で広範囲の除草にピッタリです。
②ラウンドアップマックスロード
ラウンドアップマックスロード
参考価格: 1,873円
ラウンドアップマックスロードは庭や農耕地、家庭菜園まで幅広いシーンで使用できる雑草駆除剤です。朝露や低温にも強く、長期間雑草が生えるのを抑えてくれます。従来品と比べて浸透能力がアップしており、根までしっかり届いて枯らします。地面に落ちた除草剤はすぐに分解されるため、除草後に作物を植える場合でも安心して使用できるでしょう。
➂ザバーン高耐久防草シート
ザバーン 高耐久防草シート 240
参考価格: 13,000円
ザバーン高耐久防草シートは耐久力の高さが魅力です。ポリプロピレン製の4層構造になっており、厚手で強度が高いです。ニシキソウはもちろん、強力なイネ科やスギナといった雑草の発生も防ぎます。耐用年数が長く、地面にそのまま敷いた状態で7~13年、上から砂利を敷くと半永久的に使えます。
ニシキソウに似た種類とまとめて駆除しよう!
ニシキソウや仲間の雑草はどれも非常によく似た見た目や性質をもっており、すさまじい繁殖力ですぐに増えてしまいます。ニシキソウを発見したら、除草剤を使って早めに駆除してしまいましょう。適切な対処方法を知っていれば、仲間の雑草も同じやりかたで駆除できます。ぜひ、試してみてください。
出典:写真AC