キンミズヒキとは?
バラ科の多年草であるキンミズヒキは、道端や野原で見られる野草です。秋に、キンミズヒキのあるところを歩くとパラシュートのような形をした果実が衣服にくっつく、ひっつき虫としても知られています。
基本情報
学名 | Agrimonia pilosa var. japonica |
分類 | バラ科キンミズヒキ属の多年草 |
名前 | 金水引(キンミズヒキ)、竜牙草(リュウゲソウ) |
花期 | 7月~10月 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
葉の特徴
葉は、互い違いにつく互生です。葉の縁には、粗い鋸歯があるのも特徴です。キンミズヒキの葉は、奇数羽状複葉で、大小さまざまな不揃いの形の葉から羽状複葉を作ります。葉の数も、奇数というのは共通していますが、それ以外はバラバラで3枚であったり、9枚であったりと、奇数というのしか共通点がありません。葉の裏には、全体に黄色もしくは白色の腺点があります。
托葉・葉柄の特徴
葉柄の基部に托葉があります。この托葉は、内側へ曲がっているのが特徴で、先がとがります。また、托葉には鋸歯があるのも特徴の1つです。葉柄にも毛が多くはえています。
葉に丸みがあるキンミズヒキ
小葉に丸みを帯びる、キンミズヒキによく似た植物があります。それは、キンミズヒキではなく、近縁種のヒメキンミズヒキとチョウセンキンミズヒキという植物です。キンミズヒキとの違いは、キンミズヒキより小型なこと、小葉が丸みを帯びること、雄しべの数が少ないことが挙げられます。チョウセンキンミズヒキは、キンミズヒキより雄しべの数が多いことで見分けられますが、環境省で絶滅危惧種に指定されているため、あまり見かけることはありません。
花の特徴
花は、茎の先に総状花序を作ります。その花序に黄色く小さな花を密につけるのが特徴です。花のつきかたは、密になっているだけではなく、列を作るようにして花序につきます。1つの花の大きさは小さく、花弁が5枚あります。がく片は5個、雄しべは10本以上ついて、花が終わるとがく片が閉じるのが特徴です。花柄が短いのも特徴です。
総状花序とは?
花序の1つで、下から上へ、もしくは周りから中心へと咲いていく花のつきかたのことです。また、総状花序は長く伸びた花軸に花柄のある花をつけることでも知られています。
花序とは?
花の配列のことです。その中でも、茎の先端に多数の花をつけるものを花序と呼びます。キンミズヒキ以外には、アジサイなどが挙げられます。
果実の特徴
キンミズヒキの果実はひっつき虫と呼ばれる植物の1つです。果実はそう果で、がくに包まれたまま熟していきます。果実には長さ3mmのかぎ状の棘があり、この棘がひっつき虫と呼ばれるゆえんです。この棘で、人の衣服や動物の毛にひっつき果実の中に入っている種子を運ばせます。
そう果とは?
多くの植物で見られる果実のことで、乾いた果実のことです。そう果の特徴は、雌しべが1本であること、自ら種子を飛ばさないこと、種子が果皮にくるまれていることなどが挙げられます。
茎の特徴
全体に粗い毛が生えています。毛の長さも短いのと長いのとさまざまです。茎は太く直立しますが、よく分枝することでも知られています。草丈は大きくなるものでは100cmになるものもあります。根茎は肥厚します。
次のページでは、キンミズヒキの名前の由来や花言葉について紹介します。