ハツユキソウ(初雪草)とは?
ハツユキソウ(初雪草)は、葉を雪のように白く変化させ、花よりも葉の美しさを楽しむ植物です。冬の花のような名がつけらていますが、実は夏に見ごろを迎える植物で、庭に爽やかな風情をもたらします。そこで、ハツユキソウとはどのような植物なのか?その特徴や名前の由来と合わせて、増やし方や種の取り方など育て方を詳しく解説します。
基本情報
学名 | Euphorbia marginata |
科名 | トウダイグサ科 |
属名 | ユーフォルビア属(またはトウダイグサ属) |
和名 | ハツユキソウ(初雪草) |
分類 | 一年草 |
原産地 | 北アメリカ |
開花時期 | 7~8月 |
草丈 | 30cm~約1m |
名前の由来
ハツユキソウは夏になると、楕円形の緑色の葉を白く変色させます。葉に雪が降り積もったような様子から「ハツユキソウ(初雪草)」と名付けられました。夏の暑い時期に緑と白のコントラストが印象的に映ったのでしょう。また英語では「山の雪」を意味する「snow on the mountain」と呼ばれています。やはり海外でも雪の白さを感じたのかもしれませんね。
主な種類
葉の縁が白くなる品種が「氷河」、葉が秋になると黄色から赤色になる品種が「黄河」です。一般的に氷河のほうがよく見かけるのではないでしょうか。また、ユーフォルビア属は種類が豊富なため、葉のつき方がにている仲間がたくさんあります。中でもクリスマスシーズンに出回る「ポインセチア」も、ハツユキソウと同じユーフォルビアの種類になります。
ハツユキソウの特徴
ハツユキソウは、北アメリカのミネソタ州からコロラド州やテキサス州を中心に広く分布している一年草です。主に牧草地や草原に自生しており、美しい草の姿から観賞用に栽培されるようになりました。日本には江戸時代に渡来したといわれています。現在は、切り花用の人工栽培が中心です。
花
初雪草という名前から雪の季節に咲く植物だと思っている方も多いのではないでしょうか?実は開花時期は7~8月の真夏です。夏の暑い日差しを好む強い小花を咲かせます。ユーフォルビア属の植物に見られる独特な咲き方をしており、小さな雌花を囲むように小さな雄花が複数集まって咲きます。小花が集まって咲く姿が可憐で可愛らしいですね。
ボタニ子
可憐な見た目に反した強い花なのね!
葉
夏になると楕円形の緑色をした葉の縁が白く変わります。学名の「marginata(マルギナタ)」は「縁取りのある」と意味を指し、これがハツユキソウの最大の特徴です。花は小さく目立ちませんが、葉が群生して生えるため、まるでたくさんの花を咲かせているように見えます。花壇や鉢に植えれば夏の疲れをいやす爽やかな姿を見せてくれます。
種
ハツユキソウは暑い地域が原産の植物のため、耐暑性はありますが耐寒性がありません。冬越しの心配がない育てやすい一年草です。花が咲き終わると、青い実がつき次第に種ができます。この種を採り、春にまくようにしましょう。一度種まきをすると、毎年のようにこぼれ種から芽が出てきますよ。放っておくと、どんどん発芽する強い生命力をもっています。
毒性
ハツユキソウは、葉や茎を切ると切り口から白い乳液が出ます。この乳液には毒性があるため、皮膚に付くとかぶれることがあります。これは、ユーフォルビア属の大きな特徴ですね。剪定や切り花にする場合は、皮膚に付かないように手袋をします。もし手に乳液が付いてしまった場合は、すぐに水で洗い流しましょう。
ハツユキソウの花言葉
ハツユキソウは、漢字で「初雪草」と書くことから、落ち着いた風情や情緒、純白で可憐な雰囲気がありますね。このため「祝福・穏やかな生活・好奇心」といった明るいイメージの花言葉がつけられています。白い花や葉から「花嫁」を思い浮かべる方が多いのかもしれませんね。新しい門出を祝う贈り物にピッタリな花言葉ではないでしょうか。
ボタニ子
次のページで、ハツユキソウの育て方を詳しく解説します。
出典:写真AC