クガイソウとは
クガイソウは草丈は1mほどの多年草の植物です。日当たりのよい山などの高い場所に生育しているので、散策する機会に見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。クガイソウは園芸だけでなく、根は薬用として、若芽は食用としてなどいろいろな利用のされ方をしています。
クガイソウの基本情報
科名 | オオバコ科、ゴマノハグサ科 |
属名 | クガイソウ属 |
学名 | Veronicastrum sibiricum subsp. japonicum |
和名 | 九蓋草、九階草 |
英名 | Culver's physic、Culver's root、Black root |
別名 | ベロニカストラム |
クガイソウは日本では九州や北海道にも生育しております。園芸用で育てられているクガイソウは北米のものが多いです。別名がベロニカストラムという呼び名のように、ベロニカの近縁種とされています。
ボタニ子
クガイソウの特徴
クガイソウという名前の由来にもなった葉の特徴、また開花時期や花言葉を含めた花の特徴についてご紹介します。
特徴①葉
名前の由来にもなった特徴的な葉
クガイソウの葉は4~8枚ほどの葉が円を描くように生じています。これが上へと重なるような形をしているのが特徴的です。クガイソウは漢字で表記すると「九蓋草」と書きますが、「葉が九層に重なっているようにみえる」というその見た目がクガイソウの名前の由来とされています。葉の先端は鋭く、縁には細かい切れ込みがあります。
ボタ爺
クガイソウのように、一か所から円を描くように生じる葉のことを「輪生葉」といいます。
特徴②花
開花時期や花言葉について
クガイソウの開花時期は6月〜9月ごろです。山の日当たりのいい場所にはクガイソウの花がたくさん咲きます。クガイソウの花は青色から紫色で、小さな花が密に集まった形をしています。花言葉は「明るい家族」という意味があります。花が咲いた後は、実がなります。
クガイソウの利用のされ方
クガイソウは切り花から薬用や食用まで幅広く利用されています。クガイソウの利用されている方法についてご紹介します。
利用方法①観賞用
クガイソウは主に観賞用や園芸用として栽培されています。もっとも一般的な方法で、寒さにも暑さにも強く日本の気候にあっているクガイソウは花壇に植えられたり、切り花として利用されたりしています。
利用方法②薬用
クガイソウは薬用として利用されることがあります。利用する場所は根や茎です。秋ごろにクガイソウを根から採取して乾燥させて薬用として利用するものを「草本威霊仙(そうほんいれいせん)」といいます。
煎じて漢方薬として利用
クガイソウは関節痛や便秘といった症状を軽減するといわれており、煎じて漢方薬として利用されます。主に期待される効果は、関節リウマチや痛風といった疼痛の緩和や便秘緩和、利尿作用などです。
外用薬として利用
漢方薬だけでなく、クガイソウは外用薬としても利用されます。切り傷、ハチなどに刺された外傷などに塗布して利用することができます。
利用方法③食用
春ごろにはクガイソウの若芽をゆでて水にさらすことで、食用として利用されることがあります。
利用方法④入浴剤
クガイソウは伊吹山にも生育しているため、夏になると刈り採られ、伊吹浴剤の中にも利用されています。保温効果があり、香りがよいです。
クガイソウの利用方法
- 観賞用
- 薬用
- 食用
- 入浴剤
ボタ爺
次のページでは、クガイソウの育て方についてご紹介します。
上の写真がベロニカの花ですが、クガイソウに見た目が似ていますね。