ジュズサンゴ(数珠珊瑚)の育て方
ジュズサンゴは、開花時期と結実期間が長いので、初夏から冬の季節まで長く観賞できる楽しみがあります。また、増やし方も簡単で、春先の時期になると、こぼれ種でもよく芽吹き育ちます。病気にもなりづらく、手間がかからないので初心者でも育てやすい植物でしょう。ここでは、さらにジュズサンゴの上手な育て方のポイントをご紹介します。
育て方のポイント①用土
ジュズサンゴは、水はけが良い酸性土壌を好む植物です。そして、有機質を含んだ土を好みます。
■地植えの場合
地植えの場合は、あらかじめ土に鹿沼土やピートモスを混ぜて、土壌を酸性に傾けておきましょう。水はけが悪いようなら、さらに腐葉土を混ぜ込んで適切な環境をつくりましょう。
■鉢植えの場合
鉢植えの場合は、市販の培養土にピートモスを混ぜ込んでもよいですし、ブルーベリー栽培の専用土なども使えます。また、市販の草花専用の培養土でも問題なく栽培できます。
育て方のポイント②日当たり
ジュズサンゴは、日当たりがよい場所を好みます。耐陰性もありますが、日当たりが悪く、光が不足すると花つきが悪くなり、おのずと実も少なくなります。夏の猛暑による直射日光や強い日差しでは、葉焼けを起こすので注意が必要です。鉢植えで栽培する場合は、夏になったら半日蔭に移動しましょう。日照は、おだやかな日なたむきの植物です。
育て方のポイント③水やり
ジュズサンゴは日当たりや暑さに比較的、強い植物ですが、土をあまり乾燥させすぎると株が傷んで枯れる恐れがあるので、水切れには注意しましょう。水をあげる場合、土の表面が乾いたら、しっかり水やりをしましょう。秋から冬にかけては、あまり水をあげすぎないよう注意します。地植えや、鉢植えに植え付けしたばかりの時は、水やりをきちんと行いましょう。根付くまで、きちんと水やりを行うことで枯れることなく、病気にならず元気に成長してくれるでしょう。
育て方のポイント④剪定
ジュズサンゴは、半蔓性の植物なので茎がどんどんと伸長します。庭などに地植えにすると1m〜2m程度ほどには成長します。鉢植え栽培では50cmほどになります。枝を剪定すれば低く形よく抑えることができます。また、枝を剪定してコンパクトにまとめれば管理もしやすくなります。剪定をして切り取った後の実付きの枝は、切り花として、お家の花瓶に飾るのもよいでしょう。
育て方のポイント⑤冬越し
熱帯アメリカが原産であるため耐寒性に弱い植物です。霜が降りるような冬の寒冷地では気温が−5℃以下になると寒さで枯れるので、寒冷地での地植えの栽培は一年草扱いとされます。温暖な地域では多年草として冬越しします。多年草として確実に栽培したい場合は鉢植えで育て、冬場は暖かい室内に移して管理したほうが安心でしょう。
ジュズサンゴは宿根草
ジュズサンゴは宿根草ともいい、冬季に地上部の茎や葉は枯れてしまいます。しかし、土の中で根はしっかり休眠状態となり、冬を越して生きていますので、春になるとまた芽吹いてきます。冬の季節に枯れたと思いこみ、土がカラカラに乾くまでうっかり水やりを忘れてしまうと、休眠中の根も枯れる恐れがあるので注意しましょう。
育て方のポイント⑥害虫・病気
ジュズサンゴは、虫などが付きにくいので育てやすい植物です。病気、害虫の心配もほとんどありません。まれにナメクジやハダニが付くことがあるので、見つけたら取り除きましょう。
ジュズサンゴ(数珠珊瑚)の増やし方
ジュズサンゴの増やし方は、種まきや、挿し木で増やすことができます。または、もともと繁殖力が強い植物であるため、とくに種まきをしなくても自然に種が株元の土にこぼれ、発芽することも多いです。増やし方は比較的、簡単です。
種まき
ジュズサンゴの増やし方は、種まきで増やすことが一般的です。ただ、園芸店などでもジュズサンゴの種子は、なかなか販売されていないので、まずは苗で購入したものを育てて、実が赤く熟した頃に収穫し、果肉から種をとりましょう。日陰でよく種を乾燥させてから春まで保管します。種まきの適期は3月〜5月になります。発芽する温度は22℃前後になりますので、暖かい季節になってから種をまくようにしましょう。
挿し木
挿し木でも増やすことができます。伸びて混み合っている枝部分を剪定したり間引いたりしたものを使用してもよいでしょう。時期は温かくなったら挿し木をして増やしましょう。
次のページかはら、ジュズサンゴのアレンジ、さらなる楽しみ方についてご紹介します。