カロライナジャスミンとは?
ツル性の常緑樹であるカロライナジャスミンは、日本でも人気がある品種です。公園の遊歩道や街路樹にとしても使われているカロライナジャスミンですが、香りのよい花を咲かせるため観賞用としても人気があります。
香りがよく黄色い花が咲く
カロライナジャスミンは、初春に黄色い花を咲かせます。しかも香りのよい花を咲かせるため、観賞用としてだけでなく、庭木や生垣にして楽しむのも人気です。
別名「イエロージャスミン」
黄色い花を咲かせることが特徴のカロライナジャスミンは、別名「イエロージャスミン」といいます。見た目の印象とぴったりな名前なので、街の園芸店ではカロライナジャスミンではなくイエロージャスミンと表示されていることもあります。
ほかにも別名がたくさんある
実はカロライナジャスミンの別名は、イエロージャスミンだけではありません。代表的な別名はゲルセミウムですが、ほかにもイブニングトランペット、カロリナソケイ、トランペットフラワーなどがあります。なかにはニセジャスミンというおもしろい別名もあります。
サウスカロライナ州の州花
アメリカ南東部に位置するサウスカロライナ州は、北はノースカロライナ州、南・西はサバンナ川、東は大西洋に面した自然豊かな都市です。特に海岸沿いは1年を通して温暖な気候のサウスカロライナ州では、カロライナジャスミンが州花に指定されています。
関東以西なら地植えで冬越しOK
カロライナジャスミンは寒さにも比較的強いので、関東以西では地植えでも冬越しができます。ただし北海道や冬の気温が-5℃以下になる寒冷地では寒さに耐えられずに枯れてしまうため、地植えでの冬越しはできません。
寒冷地でも鉢植えなら冬越しできる
気温によって地植えでの冬越しが難しいカロライナジャスミンですが、鉢植えにして温度の調節をすれば、寒冷地でも寒さで枯れることなく冬越しができます。さらに鉢植えの場合はあんどん支柱を使うと、生育時期に入ってもツタの管理がしやすいためおすすめです。
カロライナジャスミンの特徴
春に花を咲かせるカロライナジャスミンは、独特の甘い香りと春空に映える美しい黄色い花が特徴の常緑樹です。日本では観賞用としても人気があるカロライナジャスミンの特徴を、わかりやすくまとめてみました
特徴①栽培がしやすい
常緑ツル性低木のカロライナジャスミンは、日当たりが良い場所を好む植物です。しかも乾燥気味の土を好むため、水やりの手間もかからず栽培がしやすいことも特徴にあります。そのため観賞用としてだけでなく、街路樹や公園の庭木としても人気があります。
特徴②ジャスミンに似た香り
カロライナジャスミンは、名前に「ジャスミン」とあることからもわかるように、ジャスミンに似た特徴がある植物です。カロライナジャスミンは甘い香りの花を咲かせるのですが、その香りはジャスミンによく似ています。
特徴③ジャスミンとは別の種類
香りが似ているうえに名前に「ジャスミン」がつくカロライナジャスミンですが、ジャスミンとカロライナジャスミンは全く異なる種類の植物です。ちなみにカロライナジャスミンはゲルセミウム科の常緑樹で、ジャスミンはモクセイ科の植物です。
見た目がそっくり「オウバイ」
ジャスミンによく似た特徴を持つカロライナジャスミンですが、花の色の違いで見分けることができます。ところがジャスミンと同じ種類でありながら、見た目も花の色もそっくりなのがオウバイです。オウバイは2月下旬に開花するため、別名「ウィンタージャスミン」といいます。
特徴④有毒植物
香りがジャスミンにそっくりなカロライナジャスミンですが、実は有毒植物の一種でもあります。そのため過去にはカロライナジャスミンの花をハーブティーにしたところ、中毒症状を起こしたという事故もおきています。
根茎には猛毒が含まれている
全体的に毒性の高い成分があるカロライナジャスミンですが、中でも特に根茎には猛毒のシクトキシンが含まれています。シクトキシンはドクゼリなどの猛毒な植物に含まれる化学物質で、人の場合の致死量は50mg/kgです。
ドラマで登場する毒性植物・アイリーンジャスミンとは?
殺人事件をテーマにしたドラマで登場するアイリーンジャスミンは、ドラマの設定の中では「カロライナジャスミンと同じく毒性のある植物」として紹介されています。ただし実際にはアイリーンジャスミンという品種はなく、有毒植物のアメリカジャスミンではないかといわれています。
カロライナジャスミンの花言葉
黄色い花を咲かせるカロライナジャスミンの花言葉は「甘いささやき」です。春に鮮やかな黄色い花と甘い香りの花を咲かせる、カロライナジャスミンらしい花言葉といえます。
花言葉の由来
カロライナジャスミンの別名「ゲルセミウム」は、イタリア語でジャスミンを意味します。カロライナジャスミンの香りがジャスミンによく似ていることが名前の由来ですが、花言葉もジャスミンのような甘い香りがすることに由来するといわれています。
「長寿」という花言葉もある
カロライナジャスミンの持つ毒性成分は、体内に入ると、最悪の場合死にいたることがあります。そんな危険な毒を持つカロライナジャスミンですが、「甘いささやき」という花言葉のほかに「長寿」という花言葉も持っています。
カロライナジャスミンの育て方
カロライナジャスミンの育て方はとても簡単です。そのため初心者でも育て方のポイントさえ理解していれば、春にはきれいな黄色い花を咲かせることができます。そこで初心者でも失敗しない、カロライナジャスミンの育て方の基本を紹介します。
育て方①用土
カロライナジャスミンは、土のタイプにこだわりなく成長します。ただし乾燥気味の土を好むため、水はけの悪い場所に植え付けをするのは避けましょう。なお鉢植えの場合は小粒の赤玉土に腐葉土をブレンドすると、カロライナジャスミンが成長しやすい土になります。
育て方②肥料
カロライナジャスミンの肥料は、秋と冬の2回を目安に入れます。秋は化成肥料に油かすを混ぜた肥料を使い、冬(開花の約1か月前が目安)は有機質の肥料を使います。なおどちらのケースも、緩効性の肥料を使うようにしましょう。
植え付け前の土には肥料を混ぜるのがコツ
肥料を入れなくても生育環境が整っていれば成長するカロライナジャスミンですが、植え付け前の土には、あらかじめ肥料を混ぜておくことが育て方のコツです。また肥料を混ぜた土には、たっぷりと水やりをするのも大切なポイントです。
育て方③植え付け
苗の植え付けは、4月~5月が適期です。3月~4月がカロライナジャスミンの開花時期にあたり、花が落ちると生育期間に入るため、4月~5月に植え付けをすると初心者でも失敗が少ないです。
日当たりのよい場所に植え付ける
-5℃の寒さまでなら耐えられるカロライナジャスミンですが、日照時間が短いとうまく成長できず枯れてしまいます。そのため植え付けには、日当たりのよい場所を選ぶようにしましょう。
植え付け後はこまめに摘芯を!
カロライナジャスミンを大きく育てるには、植え付け後の摘芯がポイントです。日光にあたるとツルをどんどん伸ばしていくのですが、葉の枚数を増やして大きくするにはこまめな摘芯が必要です。特に生育期間中(植え付け~秋まで)は繰り返し摘芯をするようにしましょう。
育て方④水やり
カロライナジャスミンは乾燥気味の土を好むため、水やりは控えめでも十分に育ちます。ただし水やりが不足していると、葉が変色することがあります。そのため水やりのタイミングは、土の状態を観察しながら判断するのがポイントです。
ボタニ子
カロライナジャスミンは増やし方も簡単!次ページで紹介しています。