ケルシーの育て方
植え付け・種まき | 11月中旬~12月(秋) 2月中旬から3月(春) |
開花時期・人工授粉 | 5月ころ |
摘果 | 7月ころ |
収穫 | 8月下旬から9月中旬 |
剪定 | 1~3月 5~6月 |
ケルシーの収穫までの育て方と管理のコツについて見ていきましょう。ケルシーは苗木を購入して育てます。個体差がありますが、3~5年で人工授粉をすると実をつけてくれます。実をつけるためには異なる品種の受粉樹を準備したうえで育てましょう。
育て方①水やり
ケルシーは、鉢植えでは土の表面が乾いてきたら水を与えます。地植えの場合は、日照りが長く続いている日以外は水やりの必要はありません。
育て方②置き場所・植え付け
ケルシーの苗木は日当たりのよい場所に地植えしましょう。植え付け時期は11月~12月中旬の秋植えと、2月中旬~3月までの春植えがあります。鉢植えの場合も置き場所は日当たりのよい場所です。
育て方③用土・肥料
ケルシーは10月中旬~12月中旬に元肥として有機肥料と堆肥を使用します。地植えの場合は植える前の土を耕し、用土は水はけのよいものを選びましょう。
育て方④人工授粉
ケルシーには自家結実性がありません。そのため、近くに異品種を植えて受粉樹が必要です。ケルシーの実の増やし方は人工授粉です。人工授粉は開花する5月ころに、なるべく風がない場所で行うようにしましょう。
ボタ爺
花と花をこすり合わせる
ケルシーの花が咲いたら、花と花を軽くこすり合わせるように人工授粉させます。授粉には開花後5日目くらいが効果的といわれています。
スモモの異品種を受粉樹に選ぶ
受粉樹には、ケルシーとは異なる品種を選びます。同じスモモの品種を選ぶと受粉しやすいです。ケルシーの受粉樹として、同じスモモの品種であるソルダムが選ばれています。上の写真はソルダムの実です。
ケルシーの実の増やし方
- 5月ごろに人工授粉を行う
- 受粉樹に異品種を植える
- 開花後5日くらいが効果的
育て方⑤手入れ
ケルシーには害虫がつくため、つかないように予防をします。また実がつき始めた7月ごろになは、大きな実になるように数を調整する摘果が必要です。実をつけ終わってからは枝を剪定してあげましょう。
ケルシーの実にはカイガラムシがつく
ケルシーにつく代表的な害虫は、カイガラムシです。ケルシーの実に赤い斑点部分がある場合、カイガラムシによる被害の可能性があります。害虫は見つけたら駆除し、被害を受けた果実は枝の負担を減らすために摘果しましょう。
太く強い枝を剪定する
ケルシーは太い枝や強い枝を間引くように剪定します。このとき、細い枝や短い枝は剪定しません。ケルシーは細い枝や短い枝に実をつけるため残しましょう。虫による被害のある枝や葉も一緒に剪定します。時期は1~3月の実をつけ終わってからと実をつける前の5月ごろです。
ケルシーの手入れのポイント
- 傷ついた果実や葉は取り除く
- 害虫予防をする
- 7月ころに摘果する
- 太く強い枝を剪定する
育て方⑥収穫
ケルシー果実は皮に変化が少なく、熟しているのがわかりにくいため収穫が難しいです。また収穫時期も短いため、適期を逃さないようにしましょう。
見て触って熟したかを確認する
ケルシーの実は熟すと濃い緑色から少しずつ黄色みが増え、黄緑色に変化します。収穫時期になったら実の色を確認しましょう。熟していないものは張りがあり、触ると硬いです。触ったときに柔らかく、鮮度のよいブルームがついたものを選びます。
ボタ爺
ケルシーは熟していないと酸味が強いので、熟したものを選べるようにしましょう。
ケルシーを収穫するときのポイント
- 8~9月の収穫時期を逃さない
- 黄緑色になってきた実
- 白い粉(ブルーム)がついている実
- 触ったときに柔らかく張りがない実
育て方⑦増やし方
ケルシーの増やし方は、実を食べたときに出てくる種を使用します。種まきによる増やし方ができるケルシーは、食べたら実の中にある種を取り出して果肉を取り除き、一定期間低温にさらす時間を作りましょう。
低温環境にさらしてから種まきする
ケルシーの種は低温環境にいないと発芽しません。汚れをおとしたケルシーの種を、濡らしたガーゼなどで包んで低温環境においてから春先に植えます。低温環境におく期間は2カ月ほどです。冷蔵庫を使用してもよいでしょう。
ボタ爺
ケルシーの種のように低温環境を経験しないと発芽しない種のことを、低温要求種子といいます。
まとめ
スモモのなかでも珍しいケルシーを、はじめて知った方もいるでしょう。スモモを育てている方はぜひケルシーを一緒に育てて、実の違いを楽しんでみてください。
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自家結実性とは、1本の木だけで自分の花粉を使って実をつけられる性質のことです。