トサミズキの育て方
育て方のポイント①栽培環境
日当たり
日当たりのよい環境を好みます。ただし、西日が当たる場所など、乾燥しやすい環境は好みません。日陰でも育ちますが、花つきが悪くなるなど、成長に悪影響が出てしまいます。地植えの場合は日当たりがよく、西日が当たりにくい場所が理想的です。
土・用土
水はけと水もちがよければ、特に土質は選びません。野生種が蛇紋岩や石灰岩地帯で自生しているため、石灰岩質を好む傾向がありますが、弱酸性でもよく育ちます。鉢植えは赤玉土(小粒~中粒)7:腐葉土3の割合で作った土がおすすめです。地植えの場合は、掘り上げた土に堆肥を混ぜ込んでおきましょう。
寒冷地は鉢植え推奨
前にも触れましたが、トサミズキは寒さが苦手な植物です。北海道や東北地方など、冬が厳しい地域の場合、地植えにしていると寒さで枯れてしまう恐れがあります。鉢植えや盆栽での栽培がおすすめです。そして冬になる前に室内へ移動させましょう。
育て方のポイント②水やりと肥料
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、鉢底から水があふれ出すまで、たっぷりと与えるのが基本です。地植えの場合は、木が根付いた後は、水やりする必要はありません。ただし、日照りなど乾燥する時期が続いたら水を与えます。トサミズキは乾燥が苦手なので、乾燥がひどいときは根元に藁をしくなど、乾燥から守る工夫を施しましょう。肥料は、開花後に化成肥料か油粕を少量与えればOKです。
育て方のポイント③植え付け・植え替え
植え付け
トサミズキの植え付けは落葉期、季節でいえば冬に行います。地植えの場合は、根についている土を半分ほど落としてから、地面に植え付けましょう。このとき、少し山高に土を盛ってから植え付けると、水はけがよくなります。その後、苗と土をなじませるために、たっぷりと水やりすれば作業完了です。
鉢植えの植え替え
トサミズキは根がよく張る植物なので、2年~3年に1回のペースで植え替えます。適期は2月~3月です。まずは株を鉢から抜いたら、根から1/3ほど土を落とします。ハサミで少し根を切り詰めてから、1回り大きな鉢に新しい用土で植え付けましょう。なお、地植えは植え替える必要はありません。
育て方のポイント④剪定
トサミズキは自然に樹形が整う木なので、広い場所に植栽している場合は剪定する必要はありません。地植えでも狭い場所に植えていたり、鉢植えにしていたりと、コンパクトな樹形をたもつ必要がある場合は適期に剪定します。剪定の適期は2月です。花が終わった後に行います。剪定といっても、伸び過ぎた枝を切り戻し、樹形を整える程度で十分です。
それと花がら摘みは絶対厳禁だよ。トサミズキは花の根元に新芽をつけるから、花がらを摘むと新芽まで摘んでしまう可能性が高いんだ。
育て方のポイント⑤病気・害虫対策
トサミズキは基本的には病気や害虫にも強い植物ですので、それほど心配する必要はありません。ただし枝が混み合っていると、株が蒸れてうどんこ病が発生することがあります。適度に枝葉を剪定して通気性を確保しましょう。害虫はケムシが発生することがあります。発見次第駆除しましょう。
育て方のポイント⑥増やし方
トサミズキは挿し木で増やせます。挿し木の適期は季節でいえば春と夏の年2回、3月と6月~7月ですが、春のほうが失敗が少ないのでおすすめです。まずは前年度に伸びた枝を、先端から15cmほどの長さに切り取って挿し穂を作ります。節のすぐ下が発根しやすいので、節のすぐ下で切るのがコツです。
挿し木の仕方
- 挿し穂をあらかじめ湿らせた挿し木用の土に挿す。市販の挿し木用の土でもよいが、清潔な赤玉土でもよい。
- 風の当たらない半日陰に置き、挿し木用土が乾かないように管理する。成功すれば1カ月~1カ月半で発根する。
トサミズキは、発根率がやや低めで挿し木が失敗しやすい植物なんだ。挿し木する場合は、挿し穂を複数用意しておこうね。
トザミズキの枝は、成熟すると木質化します。こうなると挿し木には使えません。必ず若い枝を使用しましょう。
まとめ
トサミズキは早春の季節に咲く風情あふれる花と、野趣に富んだ枝ぶりから、生け花や切り花としても利用されてきました。秋には紅葉するため、季節ごとの変化も楽しめます。丈夫で手間もかからないので、ガーデニングでも活躍してくれるでしょう。機会があればトサミズキを、お庭の演出にお役立てくださいね。
トサミズキは短い枝に花芽をつけることが多い植物です。短い枝は剪定しないように注意しましょう。