オウレン属の特徴
東洋医学の分野で古くから有名なオウレン属植物ですが、園芸種として人気がある植物ではないため、その特徴はあまり知られていません。オウレン属植物の代表的な特徴をチェックしていきましょう。
特徴①薬用成分を含む
オウレン属植物が生薬として使われる理由は、根茎に薬用成分を含んでいるからです。オウレン属植物の根茎には、ベルベリンやベンジルテトラヒドロイソキノリンアルロイドという薬用成分があります。これらの成分には、殺菌作用および抗炎症作用があるとされています。
和ハーブとして注目されている
オウレン属の根茎に含まれる薬用成分は東洋医学の生薬として古くから知られていますが、西洋医学の発達とともにその存在感が少しずつ薄れてきました。ところが近年になって再びその効果が見直され、和ハーブとして若い世代や女性の間で注目されています。
特徴②小ぶりの花
山林の斜面などで自生するため園芸品種としてはあまりなじみのないオウレン属ですが、花は小さく雪のように白いのが特徴です。ただし一度に多くの花をつける植物ではないため、「控えめな美しさ」と表現されることもあります。
特徴③葉の変異が多い
オウレン属の植物は、葉の変異が多く見られるのが特徴です。日本で自生・栽培しているオウレン属の種類が多いのも、葉の変異が多いことと関係しています。
オウレン属の品種とその特徴
オウレン属植物には、中国産オウレンと日本産オウレンの2つに大きく分けられます。変異が起こりやすいことから種類も多いため、日本産オウレンだけでも次のような品種があります。
品種①セリバオウレン
セリバオウレンは、和名を「芹葉黄連(セリバオウレン)」といいます。やや湿った土を好むため、山林の木陰に自生し、1月~3月に白い花を咲かせます。なおセリバオウレンは、キクバオウレンの変異種です。
分布域
主に四国の太平洋側にある山林に多く自生します。本州でも自生しますが、比較的暖かい地域でよく見られます。
葉の特徴
名前に「セリ」がつくことからもわかるように、セリバオウレンの葉はセリの葉によく似ています。葉の切れ込みが細かいのが特徴で、ほかのオウレン植物と見分けるポイントです。
薬効
根茎に「ベルベリン」と呼ばれる薬用成分を多く含んでいるのが特徴です。ベルベリンは、主に消炎作用・止血作用・精神安定作用に特化した生薬の原料に使われます。
花言葉
セリバオウレンの花言葉は「揺れるこころ」です。小さな白い花が風で揺れる様子から、このような花言葉がつけられたのでしょうか。
ボタニ子
次のページでも、オウレン属の品種を見ていこう!