山菜とは
山菜とは、野生植物の中で食べられるものの総称です。山菜は日本各地に300種類以上自生しています。自然のもののため収穫量は少ないですが、春を知らせてくれる食材として、昔から人々に親しまれてきました。アクの強さや苦みなどの特徴を持っていますが、独特の風味や食感が楽しめるのが魅力です。
山菜採りの注意点
注意点
- 見た目が似ている毒を持った植物に注意する
- 許可された場所(山林や海辺など)でのみ採取する
- 虫や野生動物、毒性のある植物に気をつける
- ケガや天候不良など、遭難リスクを常に考え行動する
- 次の繁殖のため、むやみに大量の採取をしない
山菜採りに行く際は、長そで長ズボンを着用するのが安全です。軍手、ビニール手袋などのほかに、非常用の水や食料、虫よけスプレー、通信機の予備バッテリーなど、さまざまなリスクに備えて事前準備をしておきましょう。山道は迷いやすいため、下調べしておくことも大事です。山菜は自然のもののため採りすぎず、マナーを守って行動してください。
山菜の種類①~③
①イタドリ
基本情報
呼び名 | スカンポ・サシボ・ゴンパチなど |
収穫時期 | 4月~5月 |
採取できる地域 | 日本全国(北海道以外) |
生えている場所 | 山野・土手・道ばた |
おすすめの食べ方 | 油炒め・和え物・酢の物など |
アク抜きの方法 | さっと湯がいて皮をむき、冷水にさらす |
イタドリは繁殖力がとても強い植物で、全国のいたるところで見つけられます。タケノコ状に生えた、若い茎の部分が食材に使われます。見た目はアスパラガスのようですが、中身は節があり空洞です。生でも食べられますが、シュウ酸を多く含むため、アク抜きすることをおすすめします。
②ウド
基本情報
呼び名 | ウドン・山ウド・ヤマクジラなど |
収穫時期 | 4月~5月初旬 |
採取できる地域 | 北海道~九州 |
生えている場所 | 林・山野・水気のある場所 |
おすすめの食べ方 | 天ぷら・酢みそ和え・炒め物など |
アク抜きの方法 | 厚めに皮をむき水にさらす |
ウドは独特の香りや深みのある味、ほのかな甘み、しっかりした歯ごたえが魅力です。山菜シーズンには、採れたてのものなら生でも食べられます。大きくなりすぎると、茎が硬くおいしくありませんが、若芽は香り高くておいしいです。塩漬けや味噌漬けにすると、長い期間楽しめます。
③オオバギボウシ
基本情報
呼び名 | ウルイ・ギンボ・山かんぴょうなど |
収穫時期 | 4月~6月上旬 |
採取できる地域 | 北海道~九州 |
生えている場所 | 日当たりのいい草地・林道脇 |
おすすめの食べ方 | サラダ・浅漬け・天ぷら・鍋・みそ汁など |
アク抜きの方法 | なし |
オオバギボウシは、ウルイの名前でも親しまれている、ビタミンCや食物繊維が豊富な山菜です。アクや苦みが少なく、アク抜きをする必要のない食材で、さわやかな辛さとシャキシャキ感が特徴です。葉の薄皮をはがして茹で、天日干ししたものを「山かんぴょう」と呼び、保存食としても人気があります。
バイケイソウとの見分け方
オオバギボウシです。
バイケイソウです。このように、オオバギボウシとバイケイソウは葉がよく似ています。バイケイソウは有毒植物で、誤って食べると死に至る危険性もある有毒植物に分類されています。見分けるポイントは柄と葉脈です。長い柄があり、中央の太い葉脈から、左右に細い葉脈が伸びているのがウルイです。柄がなく、葉脈が平行に並んでいるのがバイケイソウです。
山菜の種類④~⑥
④ウワバミソウ
基本情報
呼び名 | ミズ・赤ミズ・ミズナなど |
収穫時期 | 4月初旬~10月 |
採取できる地域 | 北海道~九州 |
生えている場所 | 湿気の多い場所・滝などの近く |
おすすめの食べ方 | お浸し・たたき・和え物・汁物・漬物など |
アク抜きの方法 | 沸騰した塩水でさっと茹で、冷水にとる |
ウワバミソウは、葉ではなく茎の部分を食べます。茎が赤い物が食べごろです。アクやクセが少なく、独特のぬめりとシャキシャキとした歯ごたえが楽しめ、山菜シーズンに人気の食材の1つです。脇芽が変化してできたコブのような形の「むかご」ができる特徴を持っています。むかごもおいしく、ファンが多い山菜です。
⑤カタクリ
基本情報
呼び名 | カタコ・カタカゴ |
収穫時期 | 3月下旬~5月初旬 |
採取できる地域 | 北海道~熊本県 |
生えている場所 | 林の湿った場所・山の斜面 |
おすすめの食べ方 | 天ぷら・お浸し・和え物・汁物など |
アク抜きの方法 | 沸騰したお湯でさっと茹でて冷水にさらす |
カタクリは、発芽して花を咲かせるまで7~8年かかり、地上に顔を出すのは春の数週間のみという、貴重な植物です。花は小さく紫色で、2週間ほどしか咲いておらず「春の妖精」とも呼ばれています。苦みやクセはなく、ほのかな甘さと優しい歯触りが特徴です。草の部分だけでなく、花もおいしく食べられます。
⑥行者(ぎょうじゃ)にんにく
基本情報
呼び名 | ヤマニンニク・ヤマビル・キトビロ |
収穫時期 | 4月中旬~5月 |
採取できる地域 | 北海道~近畿地方 |
生えている場所 | 雑木林・松林・高山 |
おすすめの食べ方 | 天ぷら・炒め物・卵とじ・ぎょうざなど |
アク抜きの方法 | なし |
行者にんにくは、北海道特産の、初春を感じさせてくれる食材です。にんにくに似た香りと、シャキシャキとした食感が特徴です。2枚の葉が出るのに6~7年、花が咲くのに10年かかるほどと繁殖力が非常に低いため、採取時は2枚葉のものを根元を残し、食べる分だけ採りましょう。
スズランとの見分け方
行者ニンニクです。
こちらがスズランです。このように、行者にんにくとスズランは、葉がよく似ています。スズランは観賞用として楽しむには問題ありませんが、誤って食べると、下痢や嘔吐、心不全などの症状を引き起こす恐れがあります。見分け方のポイントは香りです。行者にんにくは切り口からにんにくの香りがしますが、スズランからは香りません。
ボタ爺
次も山菜の種類を紹介するぞ!
出典:写真AC