古代蓮の育て方!自宅で種から育てて大輪の花を咲かせる方法を紹介!

古代蓮の育て方!自宅で種から育てて大輪の花を咲かせる方法を紹介!

古代蓮は、古代と呼ばれた時代の種から発芽、開花させた蓮です。水面に咲き、時間の経過とともに姿を変える神秘的な美しさで人気が高い植物です。水生植物のため、育て方に特徴があります。今回はそんな古代蓮の種からの育て方や、大輪の花を咲かせる方法を紹介します。

記事の目次

  1. 1.古代蓮の概要
  2. 2.古代蓮の育て方【栽培カレンダー】
  3. 3.古代蓮の育て方【種まき~発芽】
  4. 4.古代蓮の育て方【育苗~開花】
  5. 5.古代蓮の育て方【病害虫対策】
  6. 6.種から古代蓮の栽培を楽しんでみよう

古代蓮の概要

Photo by Zengame

「古代蓮」とは、品種名ではありません。園芸品種が出てくる以前から存在していた蓮のことです。およそ1000年以上前と推測される地層や遺跡から見つかった蓮の実を発芽させ、開花に成功した蓮をわかりやすく「古代蓮」と呼んだのが最初です。

古代蓮の特徴

古代蓮はハス科ハス属で、長い地下茎(レンコン)があります。花期は6月下旬~7月中旬ごろです。水面から葉と花を伸ばして咲く水生植物で、早朝に開花し昼ごろには閉じてしまいます。花はピンク色で園芸品種より少し大型の一重咲きです。品種改良が進んだ現在では、はっきりと品種名がついている古代蓮以外は見分けるのが難しくなっています。

ボタニ子

ボタニ子

古代蓮は、通常の蓮と同じく、朝に開花し昼に閉じることを4日間繰り返し、4日目には閉じることなくそのまま散ってしまうんです。

代表的な古代蓮➀千葉の大賀ハス

古代蓮の代名詞とも呼ばれる千葉県の「大賀ハス」です。千葉県の天然記念物に登録、また千葉市の市花にも指定されています。千葉市にある縄文時代の遺跡から発掘された蓮の実を、当時「古ハスの実」の研究をしていた大賀一郎博士により発芽、開花に成功し話題になりました。

代表的な古代蓮②埼玉の行田ハス

埼玉県行田市で、偶然掘り起こされた「古代のハスの実」が自然に発芽し池に開花しているのが発見されました。千葉の大賀ハスを参考に調べた結果、およそ1400~3000年前の古代蓮だろうと推定されました。現在では行田市の天然記念物に指定されています。「行田ハス」は蓮の名所で有名な「古代蓮の里」で見られます。

古代蓮の育て方【栽培カレンダー】

Photo bycongerdesign
時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
種まき
植え付け
肥料
開花時期

古代蓮も、ほかの園芸品種の蓮と同じように自宅で育てられる植物です。水生植物のため水を入れる容器が必要です。直射日光が大好きな植物で、日当たりのよい場所で育てます。株分けで育てる方法が一般的で、種から育てる場合は少し時間と手間がかかりますが、発芽から開花までの成長を楽しめます。

古代蓮の育て方【種まき~発芽】

栽培環境

可能であれば、一日中直射日光があたる日当たりのよい場所で管理しましょう。最低でも5時間以上は日があたらないと花が咲きにくくなります。屋外が好ましいですが、屋内でも日当たりのよい場所であれば育てられます。屋内の場合、たまに外に出して日にあてましょう。

容器

水生植物のため、水をたっぷりと溜められる容器を準備しましょう。蓮の開花には地下茎の成長が欠かせません。地下茎が伸びやすいよう角が当たらない丸い容器が適しています。水を多く入れられるほどよいため、最低でも口径30cm以上、高さは25cm以上を目安に容器を選ぶとよいでしょう。

用土

田土

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出典: 楽天
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蓮の栽培で重要なのが土です。乾燥に弱い蓮には、水分を保てる粘土質の田の土(田んぼの土)が最適です。田の土が用意できない場合でも、市販されている水生植物用の土やハス専用の土など利用できます。また、田んぼの土に似た性質の「荒木田土(あらきだつち)」もおすすめです。

種まき

種まきに適した時期は4月~5月ですが、寒冷地では6月ごろが最適です。適期に合わせて種の下処理をしましょう。蓮の種は、硬い皮におおわれているため、ほかの植物の種よりも表面が硬いのが特徴です。発芽して葉が2~3枚になったら栽培容器に植え付けます。

種の下処理

水分を吸収しやすくするため、種の上下どらか1カ所をやすりで白い部分が見えるまで削ります。削りすぎたり、はさみやニッパーなどで切りすぎたりすると、発芽しない場合があるため注意しましょう。

植え付け手順

  1. 水を入れたコップやバケツなどの容器に種を入れ、日当たりのよい場所で発芽するまで管理する
  2. 水が濁っている、容器にぬめりが出ているなどの場合、ぬめりを取り水を換え発芽を待つ
  3. 発芽した種は、通常2~3週間ほどで根が伸びてくる。葉が2~3枚になったら栽培用の容器に植え付ける

準備した全ての種が発芽するとは限りません。発芽しなかった種は処分しましょう。

古代蓮の育て方【育苗~開花】

肥料

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植え付け時に、元肥として蓮専用の肥料(緩効性の化成肥料)を土に混ぜておきましょう。追肥は生育期の4月~9月ごろにかけて月に1回、同様の肥料を与えます。化成肥料のほかに、天然成分の発酵油粕も肥料として使用できます。肥料のやり過ぎは藻が茂りやすいため気をつけましょう。

肥料は元肥も追肥も水の中に一気に流れ出ないよう、土の中にしっかり埋め込んでくださいね!

ボタニ子

ボタニ子

秋になり葉が枯れるまで与えるのがポイントですよ!

水の管理

春~夏の成長期は水の管理が重要です。夏場は特に水の蒸発に加え、葉が増えることで吸水量も増え水不足がおきる環境になりやすいです。乾燥は病気の原因にもなります。容器の水は常にたっぷり入っている状態を保ってください。水温が低いと育ちにくいため、水は取り換えず、蒸発して減った分を補給しましょう。

水やりの際には、汚れを洗い流すように、あふれさせながら与えると病気や害虫予防になりますよ!

開花

Photo by Zengame

蓮を種から育てる場合、その年に開花することはなく咲くのは植え付けの翌年以降です。古代蓮の場合は特に、大ぶりの花が咲くため、他の園芸品種の蓮よりも時間がかかることが多いです。蓮の花は日光が不足すると咲きにくいため、できれば一日中、最低でも5時間以上は直射日光があたる場所での栽培が重要です。

大輪の花を咲かせるポイント

  • 枯れた葉や茎は取り除き、茎や株元にも日光が届くようにする
  • 容器の水は常にたっぷり入っているように管理する。夏場は特に朝夕2回、減った分の水分をしっかり補給する
  • 冬場は休眠期間に入るため、凍らない場所で冬越しさせる

古代蓮の育て方【病害虫対策】

腐敗病

蓮の代表的な病気が腐敗病です。この病気にかかると葉がしおれて枯れていきます。特効薬がないため、放っておくと葉だけではなく根や茎まで腐らせます。乾燥しやすい6月~8月に発生しやすいため、この時期の水の管理が重要です。葉の縁が灰色になっている葉を見つけたらすぐに切り取りましょう。

斑点病

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腐敗病に続いて多いのは、斑点病です。葉に茶色や黒色の小さな斑点が現れる病気です。放っておくと株全体に症状が広がっていくので見つけ次第切り取りましょう。完治は難しいですが、斑点病に効く薬剤もあります。病気を広めないためにも早めの対策が重要です。予防のために枯れた葉や雑草などはこまめに取り除きましょう。

アブラムシ

Photo by norio_nomura

さまざまな植物に発生しやすいアブラムシは、梅雨時期や初夏にかけて被害が出やすい害虫です。繁殖力が高いため、見つけ次第殺虫剤で駆除しましょう。アブラムシに群がる別な害虫被害の原因にもなります。アブラムシがついていないか、日々よく観察することが予防につながります。

アカムシ

出典:写真AC

アカムシは、ユスリカの幼虫です。アブラムシ同様、梅雨時期や初夏にかけて発生します。大量繁殖すると蓮が枯れる原因になります。水の汚れが原因になりやすいため、水面上に浮いた水の汚れを洗い流すように水やりしましょう。そのほかの対策としてメダカを飼育する方法もあります。

メダカを買う場合の容器はどれくらいがいい?

メダカを飼う場合には、メダカのサイズと飼育数に合わせて十分な大きさの容器で栽培しましょう。1匹のメダカ(2~3cmサイズ)に1Lの水が目安です。

ボタニ子

ボタニ子

化成肥料や農薬を使うときには、メダカを一度別な容器に移動させて様子を見ながら戻すと安心です。

ボタ爺

ボタ爺

天然成分の発酵油粕を使用する方法もあるぞ!

種から古代蓮の栽培を楽しんでみよう

Photo by L_e_n

蓮の花が開花している期間はたったの4日間ですが、その儚さと美しさは遠い昔から見る人の心を魅了し続けています。種から育てる場合、少し手間と時間がかかりますが、水を溜められる容器と日光がよくあたる場所があれば自宅で育てられる植物です。もし、古代蓮の種が手に入ったなら、発芽から開花までの成長を楽しみながら育ててみてはいかがでしょうか。

ほしの
ライター

ほしの

愛犬の柴ワンと観葉植物に日々癒されています。

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