栗の若木期
若木の時期は幼木期よりも成長は落ち着きます。栗は幼木期から実を付けることはできますが、やはり4年目以降の若木の時期が最も実を付けやすいです。年を追うごとに成長し、実の量も多くなっていきます。若木の時期は8年くらいまでですので、しっかりおいしい栗を収穫できるよう、肥料なども必要量を与えるようにしましょう。
栗の成木期
若木の時期が終わると成木期になります。20年~30年程度は成木期といえます。この期間は収穫量も程よく落ち着いてきます。ただし伸びた枝や古い枝が込み入ってくるため、日照不足になったり、病害虫が付きやすくなったりします。そうなると成木期の期間は短くなり、あっという間に老木となてしまうので、環境には十分配慮しましょう。
栗の老木期
老木期になると年々実の収穫量が減っていきます。結実しない年も出てきて、木としての寿命が近づいてきます。環境が良ければ50年~100年は生きる栗の木ですが、残念ながら老木になって抵抗力が無くなってくると、病気や害虫も付きやすくなります。
栗につく害虫と病気
栗につく害虫は多いです。木そのものを枯らしてしまう害虫、葉を食べてしまう害虫、栗の実の中に入り込んで食い荒らす害虫などさまざまです。また病気もさまざまなものが発症します。ここでは代表的な害虫や病気と、その対策をご紹介していきます。
害虫の種類
害虫の種類
モモノゴマダラメイガ | イガから入り込み、実に穴をあけて食害する |
クリシギゾウムシ | 栗の実を食害する |
クリタマバチ | 幹に虫こぶを作る |
クリオオアブラムシ | 幹の汁を吸う |
クリタマムシ | 幹をかじる |
クリミドシンクイガ | 実を食害する |
クスサン | 葉を食べてしまう |
カクモンハマキ | 葉を食べる |
特に注意が必要なのは?
特に注意が必要なのは、葉を全部食べつくしてしまうクスサン、かつて利平栗が大変な被害にあったクリタマバチ、実の中に入り込むクリシギゾウムシです。卵や幼虫を見つけたら、集めて焼却しましょう。残しておくと次の年には被害が拡大します。もし増えすぎるようなら薬剤を散布して木全体を消毒します。
病気の種類
実炭そ病 | 実が黒褐色になって腐る |
うどんこ病 | 葉に菌が付く |
斑点病 | 葉の表面に黒い点のようなものが現れる |
枯葉病 | 葉に黒い病斑が現れる |
黒根立枯病 | 根が黒く腐敗する |
特に実炭そ病に注意
特に実が黒くなって腐ってくる実炭そ病には、注意が必要です。もし発生した場合には殺菌用の農薬なども有効です。また育成環境を見直すようにしましょう。風通しを良くし、土壌の水はけもよくします。風が通らず水はけが悪く多湿の時に出やすい病気です。病気にかかった実は食べられないので、焼却処分をしましょう。
消毒は必要?
栗の木には特に害虫がよく寄ってきます。そのまま放っておくと、害虫がいっぱいで実が収穫できない、ということにもなりかねません。そんなことにならないように、適宜必要な消毒はしておきましょう。消毒のし過ぎはよくありませんが、何もしないというのもまた栗にとってはよくありません。
消毒の時期
消毒は必要ですが、木の種類によっては害虫に耐性のあるものもあるので、状況を見てからでも遅くはありません。栗で生計をたてている農家の方と違って、自宅で食べる分には多少害虫が発生しても気にしなければ大丈夫です。しかし害虫が発生する前の梅雨入りの時期、5月~6月に一度予防として農薬を使用して消毒をするといいでしょう。
食べても大丈夫?
農薬を散布したからといって、食べられなくなるということはありません。よほどでない限り健康被害もないので、必要最低限の消毒をしておけば問題ありません。ただし強い薬剤を散布するときには注意が必要です。被害がひどくない限り、強すぎる薬を使うのはやめておきましょう。
まとめ
栗の木はそこにあるだけで秋を感じることができます。種類や仕立て方によってコンパクトにも大木にもできるのが魅力です。省スペースでも育てられ、土にあまり栄養がなくても大きくなります。ぜひ一度栗を植えて、美味しい栗料理に挑戦してみましょう。