桜の種類⑥タカネザクラ(高嶺桜)
タカネザクラ(高嶺桜)は濃いピンク色や淡いピンク色、白に近い花を咲かせる遅咲きの一重桜で、北海道から中部地方の山地に生息しています。タカネザクラは主に標高1000m以上の山の上に多く生息しているため「高嶺桜」と名づけられ、別名「ミネザクラ」とも呼ばれています。
開花時期は5月中旬〜6月中旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約2〜3cm
- 花びらは5枚で、先端に切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは白や黄色、ピンク色
- 萼(がく)や萼筒(がくとう)が赤い
葉っぱの特徴
- 葉っぱの縁には欠刻状の鋸歯(きょし)がある
樹の特徴
- 樹高は最大約10mくらいでやや低木
- 樹皮は紫がかった暗い灰色で少し光沢がある
桜の種類⑦ヒカンザクラ(緋寒桜)
ヒカンザクラ(緋寒桜)は、濃いピンク色から白に近い花を咲かせる一重桜で、主に沖縄や鹿児島などの暖かい地域に生息しています。ヒカンザクラは寒い時期でも緋色(ひいろ)の花を咲かせていたことから「緋寒桜」という名前がつけられました。沖縄ではお正月頃に花芽がつくこともあるため、早咲きの桜としても有名です。
開花時期は1月下旬〜3月の下旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約1.5〜3cmでやや小さい
- 雌しべ・雄しべは黄色や濃いピンク色
- 花びらは5枚で丸っぽく、縁に細かい切れ込みがある
- 花がベルのような形で、下を向いて咲く
- 花びらは散らず、萼についたまま落ちるため桜としては珍しい
葉っぱの特徴
- 葉っぱは少し細長く、縁には鋸歯がある
樹の特徴
- 樹高は最大約10mくらいでやや低木
- 樹皮は暗い紫がかった茶褐色で、横筋が入っている
桜の種類⑧マメザクラ(豆桜)
マメザクラ(豆桜)は、淡いピンク色から白に近い花を咲かせる遅咲きの一重桜で、東北から中部の山地に生息しています。マメザクラの名前の由来は、木がやや低木で、花や葉っぱも他の桜に比べて少し小さいことからきています。別名「箱根桜」や「富士桜」とも呼ばれています。
開花時期は3月下旬〜5月上旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約1〜2.5cmで小さい
- 花びらは5枚で、先端に切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは白や黄色、淡いピンク色
- 花は下を向いて咲き、咲き始めの淡いピンク色から徐々に白へと変化する
葉っぱの特徴
- 葉っぱは小さく、縁には欠刻状の鋸歯がある
- 花の開花と同時期くらいに葉っぱも生えてくる
樹の特徴
- 樹高は最大約8mくらいで低木
- 樹皮は紫がかった茶褐色で、浅い割れ目や横筋が入っている
桜の種類⑨チョウジザクラ(丁字桜)
チョウジザクラ(丁字桜)は白から淡いピンク色の花を咲かせる一重桜で、東北から九州地方の山地に生息しています。チョウジザクラの名前の由来は、花を真横から見た形が逆さにした「丁」という漢字に似ていることからきています。
開花時期は3月下旬〜5月上旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約1.5〜2cmで小さい
- 花びらは5枚で、先端に切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは白や黄色、黄緑色
- 萼は黄緑色や淡いピンクで、萼筒が長い
- 花は下を向いて咲く
葉っぱの特徴
- 葉っぱの縁の欠刻状の鋸歯があり、鋸歯の先端が赤い
- 花の開花と同時期くらいに葉っぱも生えてくる
樹の特徴
- 樹高は最大約8mくらいで低木
- 樹皮は灰色や茶褐色で少し光沢があり、横筋が入っている
桜の種類⑩ミヤマザクラ(深山桜)
ミヤマザクラ(深山桜)は白い花を咲かせる遅咲きの一重桜で、北海道から九州・四国地方の山地に生息しています。ミヤマザクラの名前の由来は、各地域の山奥に多く生息していることからきており、白い花が咲くことから別名「シロザクラ」とも呼ばれています。
開花時期は4月下旬〜5月下旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約1.5〜2cmで小さい
- 花びら5枚で丸い
- 雌しべ・雄しべが長く、色は白や黄色
- 花は葉っぱがしっかり生えた後に開花するため、桜としては珍しい
- 1つの枝先に対して6〜10輪くらいの花が房のようにまとまって咲く
葉っぱの特徴
- 葉っぱの縁には欠刻状の鋸歯がある
樹の特徴
- 樹高は最大約15mくらいでやや高木
- 樹皮は紫がかった茶褐色で、横筋が入っている
次のページでは桜の品種として、ソメイヨシノ(染井吉野)・カワズザクラ(河津桜)・フユザクラ(冬桜)・フダンザクラ(不断桜)・コヒガン(小彼岸)・トウカイザクラ(東海桜)をご紹介します。
ヒカンザクラは読み方が「ヒガンザクラ(彼岸桜)」とも似ているため、「カンヒザクラ(寒緋桜)」とも呼ばれています。