桜の品種⑦シロタエ(白妙)
シロタエ(白妙)はオオシマザクラをもとに、エドヒガン・ヤマザクラ・カスミザクラ・マメザクラを人工交配させて生まれた園芸品種です。八重桜としては珍しい白い花を咲かせるとともに早咲きの品種で、東京都の荒川堤で発見されて関東地方を中心に生息しています。シロタエの花が白く美しい姿だったことから「白妙」と名づけられました。
開花時期は4月中旬〜5月上旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約4.5〜6cmで大きい
- 花びら10〜15枚でバラのように重なり合い、先端に切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは白や黄色、黄緑色
- 花は蕾の時は淡いピンク色で、開花と同時に徐々に白くなっていく
- 花の外側や花びらの先端はやや淡いピンク色
葉っぱの特徴
- 葉っぱの縁には鋸歯があり、鋸歯の先端が少し曲がっている
樹の特徴
- 樹高は最大約10mくらいでやや低木
- 樹皮は暗い灰色や茶褐色
桜の品種⑧ショウゲツザクラ(松月桜)
ショウゲツザクラ(松月桜)は、オオシマザクラをもとに、エドヒガン・ヤマザクラ・カスミザクラ・マメザクラを人工交配させて生まれた園芸品種です。淡いピンク色から白に近い大きな花を咲かせる早咲きの八重桜で、東京都の荒川堤で発見されて関東地方を中心として生息しています。
開花時期は3月下旬〜4月下旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約4〜5cmで大きい
- 花びらは20〜30枚で、先端に細かく切れ込みがある
- 雌しべは白や淡いピンク色で、雄しべは葉化しており黄緑色
- 花は外側は淡いピンク色で内側にかけて白くなり、花びらの先端は赤い
葉っぱの特徴
- 花の開花と同時期くらいに葉っぱも生えてくる
樹の特徴
- 樹高は最大約10mでやや低木
- 樹皮は暗い灰色で、横筋が入っている
- 樹が若い時期から花芽がよくつく
- 花が房のようにまとまって開花するため、枝が少し垂れている
桜の品種:遅咲きの桜
桜の中でも遅咲きの品種とされている桜は、ソメイヨシノ(染井吉野)の開花よりも後に開花する桜と言われています。そこで今回は遅咲きの桜の品種として、八重桜や桜としては珍しい色の花を咲かせる品種を4種をご紹介します。
桜の品種①ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)
ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)は、エドヒガンを人工的交配させて生まれた園芸品種です。濃いピンク色や淡いピンク色の花を咲かせる八重桜で、東北から九州・四国地方に生息しています。ヤエベニシダレの名前の由来は八重桜としだれ桜の要素をもち、ピンク色の花を咲かせることからきています。
開花時期は3月下旬〜5月下旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約1.5〜2.5cmで小さい
- 花びらは10〜25枚で細くねじれており、先端に切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは白や黄色、淡いピンク色
- 花は全体的に淡いピンク色で、花の縁や外側は濃いピンク色
葉っぱの特徴
- 葉っぱは花が満開に近づく頃に生えてくる
樹の特徴
- 樹高は最大約20mくらいで高木
- 樹皮は暗い灰色や茶褐色で、縦に浅い割れ目が入っている
- 枝は柔らかく、たくさんの花をつけるため、地面に向かって垂れている
桜の品種②ナデンザクラ(南殿桜)
ナデンザクラ(南殿桜)は、チョウジザクラとオオシマザクラをもとに、エドヒガン・ヤマザクラ・カスミザクラ・マメザクラを人工交配させて生まれた園芸品種です。白や淡いピンク色・濃いピンク色の花を咲かせる八重桜で、北海道から九州地方に生息しています。
開花時期は4月上旬〜5月上旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は約3〜5cmで大きい
- 花びらは10〜30枚近くあり、先端に細かい切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは白や淡いピンク色
- 花びらの外側や縁は濃いピンク色で、内側は淡いピンク色や白
- 花柄(かへい)に毛が生えている
葉っぱの特徴
- 葉っぱの新芽は少し赤い
- 花の開花と同時期くらいに葉っぱも生えてくる
- 葉柄(ようへい)に毛が生えている
樹の特徴
- 樹高は最大約5mで低木
- 樹皮は暗い灰色や茶褐色で、縦に割れ目が入っている
ナデンザクラは、京都御所の紫宸殿(ししんでん)別名「南殿(ナデン)」にある庭に自生していたことから「南殿桜」と名づけられました。
ひな人形の桜としても有名ですね。
桜の品種③ギョイコウ(御衣黄桜)
ギョイコウ(御衣黄)はオオシマザクラを人工交配させて生まれた園芸品種です。桜の中でも珍しい黄緑色の花を咲かせる八重桜として有名で、北海道から九州・四国地方に生息しています。ギョイコウの名前の由来は、花の色が昔の貴族が着ていた萌黄色の着物に似ていることからきています。
開花時期は4月中旬〜5月上旬にかけて
花の特徴
- 花の直径は3.5〜4.5cmくらいでやや大きい
- 花びらは10〜20枚で少し厚く、縁に細かい切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは黄緑色や淡いピンク色で、雄しべは葉化することがある
- 花は咲き始めは黄緑色で徐々にピンク色の筋が入り、満開に近づくと花の中心や裏側が濃いピンク色になる
葉っぱの特徴
- 花の開花と同時期くらいに葉っぱも生えてくる
樹の特徴
- 樹高は最大約10mくらいでやや低木
- 樹皮は暗い灰色や茶褐色で、樹齢が長くなると横筋が入る
桜の品種④ウコン(鬱金)
ウコン(鬱金)は、オオシマザクラを人工交配させて生まれた園芸品種です。桜の中では珍しい黄色の花を咲かせる八重桜としても有名で、関東から九州・四国地方に生息しています。ウコンの名前の由来は香辛料のウコンの色に似ていることからきています。
開花時期は4月中旬〜5月中旬にかけて
花の特徴
- 花びらの直径は約3.5〜4.5cmでやや大きい
- 花びらは10〜20枚で、縁に細かい切れ込みがある
- 雌しべ・雄しべは黄色やピンク色
- 花の咲き始めは黄色で徐々に白くなり、花の中心からピンク色になる
葉っぱの特徴
- 花の開花と同時期くらいに葉っぱも生えてくる
樹の特徴
- 樹高は最大約10mくらいでやや低木
- 樹皮は暗い灰色や茶褐色で少し光沢があり、樹齢が長くなると横筋が入る
ウコンは花の色の移り変わりや美しさから「美人桜」としても有名で、幸せをもたらしてくれる桜とも言われています。
最後のページでは、おすすめの桜の穴場スポットを4つご紹介します。
ショウゲツザクラは、花の色の変化が月の変化に似ていることから「松月桜」と名づけれたと言われています。