種類③ミヤマナルコユリ
名前に「ナルコユリ」がつくミヤマナルコユリも、よく似た植物の1つです。見た目やサイズがよく似ていますが、開花時期は少しだけずれています。なおナルコユリは5月から開花しますが、ミヤマナルコユリはそれよりも少し遅い6月から開花するため、時期の違いから判断できます。
ナルコユリとの違い①花
ミヤマナルコユリの花は、ナルコユリにそっくりです。ただし茎の片側に集中して葉腋をつけるナルコユリに対して、ミヤマナルコユリは葉腋と花が左右交互についています。そのためよく見てみると違いがわかります。
ナルコユリとの違い②葉
見た目がそっくりなため、葉にはほとんど違いがありません。ちなみにオオナルコユリと比べてみても、大きさが違うだけでその他はほぼ同じです。
種類④ホウチャクソウ
花の形がお寺の鐘に似ていることが名前の由来にあるホウチャクソウは、ナルコユリにそっくりとはいえませんが、自生している状態で見ると区別がつきにくいです。ただしナルコユリには有毒な成分が含まれているので、食用・薬用に使われることはありません。
ナルコユリとの違い
遠目では違いがわかりにくいのですが、2つを並べ近くから見比べてみると違いがすぐにわかります。わかりやすい違いといえば、ホウチャクソウの方が全体的に硬く見える点です。ただしナルコユリと間違ってホウチャクソウを食べると、下痢や嘔吐の症状を引き起こすので注意しましょう。
種類⑤ワニグチソウ
遠くから見るとナルコユリに似ているようにも見えるワニグチソウですが、ナルコユリを1度でも見たことがある人なら比較的簡単に見わけられます。なおワニグチソウの「ワニグチ」は寺の入口につけられている「鰐口」のことで、花の形が鰐口に似ていることが名前の由来です。
ナルコユリとの違い
葉腋の先で2枚の苞(ほう)に包まれるようにして2つの花をつけるのが、ワニグチソウの花の特徴です。このような花の付き方はナルコユリにそっくりな種類にも見られないので、苞の有無を見ればすぐに区別できます。
薬用ナルコユリの効能
古くから民間薬として使われてきたナルコユリには、さまざまな体の不調を整える効能があるといわれています。特に薬用としての成分が多く含まれているのが、ナルコユリの根茎です。
根茎は黄精と呼ばれている
薬用としてナルコユリを使う場合は、薬効成分が含まれた根茎を使います。なおナルコユリの根茎は、「黄精(おうせい)」と呼ぶのが一般的です。
黄精(おうせい)とは?
本来は中国のカギクルマバナルコユリの根茎のことを「黄精」といいます。黄精は中国で漢方薬として古くから使われていますが、残念ながらカギクルマバナルコユリは日本に自生していません。そのため同じ効能を持つ日本産のナルコユリを代用したため、日本ではナルコユリの根茎を黄精と呼びます。
効能①滋養強壮
ナルコユリの根茎に含まれるアスパラギン酸には「疲れやすい」「元気が出ない」という時におすすめの成分が含まれています。そのため市販されている栄養ドリンクにも使われています。
効能②体力増強
ナルコユリのアスパラギン酸は、体力の衰えが気になる時におすすめの成分です。なお日本でも江戸時代から庶民の間でも重宝されており、当時は黄精を砂糖漬けしたものが人気でした。
他にもまだまだナルコユリにはいろいろな効果があるようです!次ページから紹介します!