おすすめの常緑樹⑤シラカシ
「家を守る木」と呼ばれる剛健な庭木
シラカシは堅く剛健な性質から、庭木としてだけでなく、木工細工にも利用されてきた常緑性高木です。樹皮は黒いですが、材にすると白いことからシラカシと呼ばれています。特徴はとにかく剛健な性質です。多くの植物の天敵である潮風にあたっても傷みません。その性質から防風・防火用の生垣によく利用されてきました。そのことから「家を守る木」と呼ばれています。
シラカシは、秋になるとどんぐりがなる木としても有名ですよ。
シラカシ(白樫)は樹皮が黒いことからクロカシ(黒樫)という別名もあるんだよ。名前は「白」で別名は「黒」なんて、ややこしいね。
植える場所は慎重に選ぼう
シラカシは移植には向いていません。太い根を垂直に伸ばす性質のため、下手に株を動かすと根を傷めて枯らしてしまう恐れがあります。また、シラカシは根張りが非常に強い木です。植える場所の近くに水道管やガス管などの配管類が埋まっていると、何らかの原因で倒木した際に、根が配管類を持ち上げて破損させてしまう可能性もあります。植える場所選びは慎重に行いましょう。
大きく成長する木なので、植える場所は広い場スペースをとることも重要ですよ。
シラカシの基本データ
学名 | Quercus myrsinifolia |
科名 | ブナ科 |
属名 | コナラ属 |
原産地 | 日本、朝鮮半島、中国南西部 |
草丈・樹高 | 10m~20m |
開花時期 | 4月~5月 |
花色 | 黄褐色 |
おすすめの常緑樹⑥ハイノキ
繊細な見た目と可憐な花が人気の常緑樹
ハイノキ(灰の木)は、細い枝葉と春~初夏に咲く白い花が特徴の常緑樹です。花後はオリーブに似た実をつけます。少し変わった名前は、この木を燃やして作った灰を染物に使用していたことに由来しています。繊細で可憐な風情と観賞価値の高い花と果実、そして成長が非常に遅く大きくならないため、剪定の手間がからず狭い庭でも育てられることから人気上昇中の庭木です。
残念ながら果実は食べられないんだ。でも野鳥が実をついばみに来ることがあるんだよ。
日差しと乾燥に注意
ハイノキは、夏の直射日光や西日などの強い日差しが大の苦手です。葉焼けを起こしたり、落葉したりして、木が衰弱してしまいます。温暖な地域原産の木であるため、寒さにも弱く、冬の寒さによっては葉を落とす可能性もあります。また、根張りが浅いため、乾燥も苦手です。地植えした木は基本的に水やりは不要ですが、日照りが続く時期は水やりをしましょう。
土と根の乾燥を防ぐために、株元をワラなどでマルチングするのもおすすめですよ。
ハイノキの基本データ
学名 | Symplocos myrtacea Sieb.et Zucc. |
科名 | ハイノキ科 |
属名 | ハイノキ属 |
原産地 | 日本(近畿以西) |
草丈・樹高 | 3m~4m |
開花時期 | 4月~5月(果実は8月~10月) |
花色 | 白 |
ハイノキは環境がよければ5m以上に成長するよ。でもそこまで大きくなるには、すごく時間がかかってしまうんだ。
おすすめの常緑樹⑦ニオイシュロラン
南国系シンボルツリーとして人気の庭木
南国系シンボルツリーというと、ヤシやソテツが定番でしたが、この2種に迫る勢いで人気上昇中の庭木がニオイシュロランです。人気の理由は扱いやすいことにあります。剪定作業は枯れ葉を切り取る程度ですむので、管理が楽です。鉢植えも可能なので、南国系樹木の植栽が難しい関東以北でも鉢植えとして育てられます。開花時期に甘い香りを放つ花が咲くのも魅力です。
寒さに注意
ソテツやヤシに比べると耐寒性はありますが、関東以北の地域での栽培は注意が必要です。-5℃以下になると枯れてしまうので、鉢植えにして暖かい場所で育てましょう。剪定作業は古い葉を除去するだけですが、ニオイシュロランの葉は先端が尖っているので、そのままゴミ袋に入れると袋を破ってしまいます。ハサミで短く切ってからゴミ袋に入れましょう。
ニオイシュロランの基本データ
学名 | Cordyline australis |
科名 | キジカクシ科 |
属名 | センネンボク属(コルディリネ属) |
原産地 | ニュージーランド |
草丈・樹高 | 3m~8m(原産地では20m) |
開花時期 | 5月~6月 |
花色 | 白 |
ボタニ子
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出典:写真AC