セイヨウミツバチとは?日本ミツバチとの違いや養蜂での利用方法を解説!

セイヨウミツバチとは?日本ミツバチとの違いや養蜂での利用方法を解説!

セイヨウミツバチと日本ミツバチの違いをご存じですか。同じように見えるミツバチですが、実は種類によってそれぞれ個性があり知れば知るほど奥深い世界です。今回はセイヨウミツバチの生態や特徴、日本ミツバチとの見分け方についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.セイヨウミツバチとは
  2. 2.セイヨウミツバチの生態
  3. 3.セイヨウミツバチの特徴
  4. 4.セイヨウミツバチと日本ミツバチの見分け方
  5. 5.セイヨウミツバチの養蜂での利用
  6. 6.セイヨウミツバチはユニークな昆虫!

セイヨウミツバチの特徴

特徴①大きさ

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セイヨウミツバチの体長は1.2cm~1.4cmで、70~120mgほどの重さです。ただし亜種によっても違いが見られます。

特徴②色

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セイヨウミツバチの体の色は、黄褐色~黒褐色とさまざまです。イタリアンは黄色、カーニオランは灰黒色など亜種により大きく異なるため、体色はセイヨウミツバチ全体で共通ではありません。

特徴③群の蜂数

フリー写真素材ぱくたそ

セイヨウミツバチは大体20,000~40,000匹の群れで生活しています。これは日本ミツバチよりも多く、この数の違いもセイヨウミツバチが養蜂でよく活用されている理由のひとつといえるでしょう。

特徴④巣の冷やし方

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蜜蜂は、気温が高くなり巣内の温度があがると、冷却のために巣の入り口付近で翅(はね)を震わせて送風します。お尻を巣の外に、頭を巣の中に向けて風を送る点がセイヨウミツバチの特徴です。

特徴⑤スズメバチに弱い

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スズメバチは凶暴なことで知られていますが、8月下旬~9月頃にはとくに攻撃的になり、幼虫の捕食を目的として蜜蜂の巣を襲うことがあります。セイヨウミツバチは、もともと分布していた場所にスズメバチがいなかったため対抗手段を持っておらず、スズメバチに襲われた場合ほぼ確実に巣が乗っ取られてしまいます。

セイヨウミツバチと日本ミツバチの見分け方

日本ミツバチとは

Photo byMichaelGaida

日本ミツバチはトウヨウミツバチの一種です。その名のとおり日本の在来種で、山間部などを中心に養蜂に用いられてきました。

日本ミツバチの基本情報

膜翅(まくし)目
亜目 細腰(ほそこし、さいよう)亜目
有剣類
ミツバチ科
ミツバチ属
トウヨウミツバチ
亜種 ニホンミツバチ
学名 Apis cerana japonica

日本ミツバチとの見分け方①体の大きさ

Photo by wasabinouta

日本ミツバチの大きさは1.0cm~1.3cmで、セイヨウミツバチとさほど違わない大きさですが、セイヨウミツバチのほうがひと回り大きいといわれます。重さもニホンミツバチは60~90mgとかわいいサイズです。

日本ミツバチとの見分け方②群の蜂数

日本ミツバチの群は、多くても20,000匹程度の蜂からなります。セイヨウミツバチの群と違い、ボリュームが小さいといえます。

日本ミツバチとの見分け方③巣の冷やし方

Photo byPollyDot

セイヨウミツバチと日本ミツバチの大きな違いが、巣の冷やし方です。日本ミツバチは頭を外に向けて送風するため、頭を中に向けるセイヨウミツバチとは真逆の格好です。さらに日本ミツバチの場合、より風通しをよくして巣内の気温を下げるため、巣の中にいる蜂たちが一時的に大勢外に出ることがあります。

日本ミツバチとの見分け方④巣の入り口

セイヨウミツバチの巣に比べて、日本ミツバチの巣のほうが入り口がやや小さいです。体の大きさが小さい分、入り口が小さくなっていると考えられますが、これによってスズメバチの侵入を防ぎやすくなるというメリットもあります。

日本ミツバチとの見分け方⑤スズメバチへの防衛方法

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セイヨウミツバチはスズメバチに対して防衛する方法を持ちませんが、昔からスズメバチの脅威にさらされてきたニホンミツバチは、蜂球(ほうきゅう)という対抗手段を持っています。これは大勢のミツバチでスズメバチを包み込み、熱殺する方法です。蜂球の中に取り込まれたスズメバチは、ほとんどが10分ほどで死んでしまいます。

日本ミツバチとの見分け方⑥キンリョウヘンに集まる

Photo by wasabinouta

日本ミツバチの特徴としてあげられるのが「キンリョウヘン」という植物に集まりやすい点です。春先にキンリョウヘンが開花すると、働き蜂のみならず女王蜂や雄蜂までもキンリョウヘンに大集合してしまいます。これはセイヨウミツバチには見られない非常に特殊な行動です。

セイヨウミツバチの養蜂での利用

Photo byHans

人間は非常に古くから蜂蜜を食べて暮らしてきました。その歴史は紀元前までさかのぼるといわれています。養蜂の研究は16世紀以降さかんになり、19世紀になって現在養蜂の現場で用いられているような巣板式の巣箱が誕生しました。この発明によって養蜂は世界中に普及し、ミツバチの中でも特に蜜を集めることが得意なセイヨウミツバチが活用されてたくさんの蜂蜜が採取されています。

日本におけるセイヨウミツバチの養蜂

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日本にセイヨウミツバチが輸入されたのは1877年です。アメリカから輸入されたミツバチは日本に普及し、現在では主流となっています。

養蜂には届出が必要

セイヨウミツバチの養蜂を行うには、優良な女王蜂を購入し、自治体に届け出を出さなければなりません。養蜂したいと考えている人は覚えておきましょう。届け出には蜂の群数や期間などを記入する必要があり、行政の立ち入り検査がある場合もあります。また飼育場所を移動する際も転飼届を出す必要があります。

セイヨウミツバチはユニークな昆虫!

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温厚な性格で、懸命に働く姿がかわいいミツバチ。中でもセイヨウミツバチは蜜をたくさん集められるため、日本の養蜂現場でも大活躍しています。大変身近な存在ですが、生態や特徴など知っているようで知らないことも多く、また亜種によっても違いが見られるとても面白い昆虫です。

マリ
ライター

マリ

元農家ライター。野菜づくりの楽しさや役立つ情報を発信していけるよう日々勉強中です。

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