マルチング資材の種類
作物や植物の栽培に効果があるマルチングは、マルチング資材の原料によってさまざまな種類があり、使用する目的に合わせて選ぶことができます。さらに種類によって特長や効果だけでなくデメリットも違うので、価格だけでなく原料や商品の特長に注目することも、マルチングをする際のポイントです。
有機物系とプラスチック系がある
土の表面を覆って使うマルチング素材には、大きく分けると有機物系とプラスチック系の2種類があります。有機物系はワラや落ち葉など植物を原料にしているため環境にやさしいのが特長ですが、プラスチック系より耐久性が劣ります。プラスチック系は耐久性に優れていますが、使用後はごみとして処分しなければいけません。
有機物系マルチング資材
腐葉土・落ち葉・わらなどの有機物系マルチング資材は、使用後は腐葉土になるのが特長です。最近は観葉植物や多肉植物をインテリアとして栽培する人も増えたため、さまざまな自然素材のマルチング資材が流通しています。特に室内で栽培する場合は、臭いが少なくおしゃれなバークチップやウッドチップが人気です。
メリット
土の表面に直接かぶせて使うので、土の乾燥を防ぎ水やりの回数を減らす効果があります。また水やりの泥はねが原因で起こる黒点病などの病気予防にもなるので、黒点病が起こりやすいバラの栽培やプランター栽培に適しています。なお木材有機物系マルチング資材なら、有機物系特有のにおいもないのでおすすめです。
デメリット
有機系マルチング材は土の表面が隠れるようにするため、水やりのタイミングを判断するのが難しいです。なお有機系マルチング材も害虫予防の効果がありますが、有機物が原料なので日当たりの悪い場所に置いておくと成分分解が始まり、害虫が集まりやすくなります。
プラスチック系マルチング資材
プラスチック系のマルチング資材は、主にポリエチレンを使用しているものが多いです。ポリエチレンの場合は耐久性があり価格が安いですが、使用後はごみとして処分しなければいけないので、大量に使うほど処理に困ります。なおプラスチック系マルチング資材には、生分解性プラスチックを使用した商品もあります。
生分解性プラスチックとは?
生分解性プラスチックは土などに存在する微生物が低分子化合物を分解するため、ポリエチレンのようにごみとして処分しなくても環境に影響しません。主な原料はバイオマス由来と石油由来の2種類がありますが、どちらの場合も生分解性の効果があれば「生分解性プラスチック」として分類されます。
メリット
プラスチック資材は、耐久性が高いのが特長です。そのため作業の手間はかかりますが、一度取りつけるとマルチングの効果が長期間持続します。また水やりなどで土が跳ね返るのを防ぐ効果もあるので、収穫した作物に傷や汚れが付きにくいです。
デメリット
ポリエチレン製のマルチング資材が主流のため、使用したあとはごみとして処分する必要があります。また耐久性は高いですが、正しいやり方で取り付けないと簡単に風で吹き飛ばされる点もデメリットです。さらに光を反射するシートの場合は、反射光が原因で葉焼けすることがあります。
ボタ爺
次はプラスチック系マルチング資材のやり方を紹介するぞ!