ローズマリーの概要
ローズマリーは爽やかな香りが魅力的な、地中海沿岸が原産のハーブです。常緑性のため、いつでも美しい葉をつけており、開花時期も長いので花壇の寄せ植えやグランドカバーに利用されています。ローズマリーは、料理の香り付けやハーブティーに利用するだけでなく、葉から抽出したローズマリーオイルも美容や健康に役立ちます。
基本情報
園芸部類 | 花木、庭木、ハーブ |
形態 | 常緑性低木 |
科名・属名 | シソ科・マンネンロウ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
花の色 | 白、青、紫 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ローズマリーの特徴
ローズマリーは爽やかな香りが特徴のハーブで、料理の香り付けや化粧品の原料などに利用されています。ローズマリーには「木立性」と「ほふく性」の品種があり、鉢植えや花壇の寄せ植えだけでなく、グランドカバーとしても人気の植物です。育て方が簡単で、初心者でも挿し木で気軽に増やせます。
特徴①花
ローズマリーの開花時期は11月〜5月で、品種によっては夏の暑い時期にも開花する場合もあります。ローズマリーは「周年咲き」で、開花を長く楽しめるのが魅力です。ローズマリーは茎の先端に連なるように白色や青色、紫色の小さな花を咲かせます。ローズマリーの花は「エディブルフラワー」と呼ばれ、料理に彩りを添える食材としてもおすすめです。
花言葉は?
ローズマリーには「変わらぬ愛」「あなたは私を蘇らせる」「誠実」「追憶」「思い出」「記憶」など、たくさんの花言葉がついています。ローズマリーの茎や葉は、手に触れるだけで強い香りがするのが特徴です。乾燥させても強い香りが変わらず残っている性質から、「変わらぬ愛」という花言葉がつけられました。
特徴②葉
ローズマリーの葉は常緑性で、いつでも美しい緑色をしているのが特徴です。葉は対生しており、葉の裏側には短い毛が生えています。葉には強い香りがあり、料理の臭み取りにも利用されている植物です。また、ローズマリーの葉から抽出された精油は「ローズマリーオイル」と呼ばれ、髪のケアやアロマオイルとしても利用されています。
ローズマリーオイルの作り方は?
ローズマリーオイルは、鼻に抜けるような清涼感のある香りが特徴です。自宅で栽培している場合は、密閉容器にオリーブオイルを入れて、ローズマリーの葉や茎を入れておくだけで、簡単にローズマリーオイルが作れます。ローズマリーオイルは、スープやマリネなど気軽に料理に利用できるのが魅力です。品種によって香りが少ないものがあるので注意しましょう。
特徴③茎
ローズマリーは、茎の部分も香りが強いのが特徴です。茎は初めは緑色をしていますが、放任で育てると株元から茶色く変色してきます。茶色い部分は「木質化」しており、手入れが大変になったり見た目が悪くなったりするので注意してください。伸びすぎた茎は剪定し、挿し木で増やしていくのがおすすめです。
ローズマリーの効果・効能
ローズマリーは「若返りのハーブ」とも呼ばれており、集中力のアップや、美肌効果が期待できる魅力的な植物です。ローズマリーオイルを直接肌や髪に塗り込んだり、アロマオイルとして使用したりとさまざまな使い方ができます。
効果・効能①集中力が高くなる
ローズマリーは清涼感のある芳香が特徴で、気分をリフレッシュさせたいときや集中力を高めたいときにおすすめです。乾燥させた葉や茎をポットのお湯に浸しておけば、簡単にローズマリーのハーブティーができます。目覚めの悪いときや仕事の合間に飲むと、すっきりとした気分が味わえるのが魅力です。
効果・効能②美肌・美髪効果
ローズマリーには抗酸化作用があるため、美肌や美髪効果が期待できます。化粧水やヘアオイルとして利用すると、ウルソール酸やタンニンが作用して健康的で美しい肌や髪に導いてくれるのが特徴です。ローズマリーオイルが配合されているケア用品には、ハンドクリームや軟膏など、さまざまな種類があります。
効果・効能③虫除け効果・花粉症の緩和
ローズマリーは「虫除け対策」にも利用されています。ローズマリーオイルは強い香りを放つため、天然の虫除けスプレーとしてもおすすめです。また、すーっと抜けるような香りがするため、アロマポットで香りを楽しんだりオイルマッサージに利用したりすると、花粉症の緩和も期待できます。
ローズマリーの育て方①時期
ローズマリーは耐暑性や耐寒性が強く、開花時期が長いのが魅力です。春か秋に植え付けや植え替えを行いますが、ポット苗の場合は、購入したタイミングで植え付けや植え替えもしても構いません。
植え付けから開花までの時期
植え付け時期 | 3月〜5月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 2月〜4月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 3月、9月 |
剪定の時期 | 4月〜10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 11月〜5月 |
栽培スケジュールカレンダー
ローズマリーの育て方②栽培環境
ローズマリーは料理に利用できる植物のため、小さな植木鉢に植え付けてキッチンで育てると、すぐに料理に使えて便利です。挿し木で増やしたローズマリーは水耕栽培でも育てられます。毎日新しい水に交換して、株を清潔に保ちましょう。
栽培方法
プランター・鉢植え・露地
ローズマリーは地植えでも鉢植えでも育てられます。品種によって、樹高が100cmほどまで大きくなるため、寄せ植えにする場合はほかの植物の背景になるように植え付けましょう。鉢植えにする場合は、基本的には1つの植木鉢に1株ずつ植え付けます。株がこんもりと成長するので、余裕をもって大きめの鉢を使用してください。
地植えで栽培するコツは?
地植えのローズマリーは移植を嫌うため、育てたい場所に直接植え付けるのがポイントです。植え替えを行うと、上手に育たなかったり、株元から枯れ込んだりするので注意しましょう。
育てる場所
室内・屋外
ローズマリーは屋外で地植えで育てると、株が大きく成長するのが特徴です。鉢植えにして、こまめに剪定しながら育てると室内でも管理できます。ローズマリーは料理に利用できるため、キッチンで育てるのもおすすめです。室内で管理する場合は、レースのカーテン越しの窓辺など、適度に日光の当たる場所に置いてください。
置き場所・日当たり
ローズマリーは、日当たりと風通しのよい場所で管理します。明るい場所を好むため、年間をとおして半日以上は日光がたっぷりと当たる場所で育てます。耐暑性が強く、夏の直射日光に当てても枯れる心配はありません。ローズマリーは葉が密に茂るため、風通しのよい場所で管理して病害虫被害を予防しましょう。
用土
ローズマリーは多湿の環境が苦手なため、排水性の高い用土を使用して育てましょう。市販されている「草花用培養土」や「ハーブ専用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を混ぜ込んでから、少量のバーミキュライトを加えた用土を使用してください。
地植えにする場合の用土を作りは?
ローズマリーを地植えにする場所が粘土質の場合は、腐葉土や川砂をすき込んで、排水性を高くしてから植え付けます。用土をしっかりと耕して、ふかふかの状態にしておきましょう。
ボタニ子
次のページでは、管理のポイントや詳しい栽培方法、品種をご紹介します。
出典:写真AC