ドウダンツツジの育て方(夏越し・冬越し)
育て方のポイントその⑤:夏越しと冬越し
日本に自生している種類もあるドウダンツツジは、夏越し・冬越しで特別な工夫は必要ありません。ただし乾燥に弱いので夏・冬の乾燥する時期には注意が必要です。鉢植えの場合、夏は西日の当たらない半日陰で管理します。冬の乾燥がひどい時期、寒風が強い日などは、室内など強い風に直接当たらない場所に移動させておきましょう。
寒冷地の場合は?
ドウダンツツジは耐寒性もあるので、寒冷地でも特別な冬越しの準備は、基本的には必要ありません。ただし、雪が多い地域の場合、雪が積もって枝が折れる可能性があるので、雪が積もったり、落ちてきたりしない場所で育てることをおすすめします。難しい場合は、雪が降る前に雪囲いをしておきましょう。
耐暑性が低い種類の場合は?
更紗灯台躑躅やその変種の紅更紗灯台躑躅は耐暑性がやや低いです。特に関東以西で育てる場合は、乾燥だけではなく夏の暑さに関しても対策しておかないと、暑さで枯れる恐れがあります。鉢植えにして半日陰の涼しい場所で管理する、真夏日は涼しい室内へ移動させるなど、さまざまな対策を講じて厳しい暑さから守りましょう。
ドウダンツツジの育て方(病害虫対策)
育て方のポイントその⑥:病気・害虫の防除方法
病気の防除方法
とても丈夫で病気にかかりにくい植物ですが、たまに「サビ病」という葉にサビのような病斑が現れる病気にかかることがあります。サビ病にかかった葉は回復しないので、見つけ次第切除する必要があります。病気にかかった葉をすべて処分した後は殺菌剤を散布して、病気の感染拡大を防ぎましょう。
害虫の防除方法
カミキリムシやカイガラムシ、ハダニに注意が必要です。特に幹に穴を空けて内部に侵入し食い荒らすカミキリムシの幼虫は、発見が遅れると木が枯れる原因となってしまいます。幹の穴を見つけたら、そこから殺虫剤を噴射して駆除しましょう。
ドウダンツツジの増やし方
ここからはドウダンツツジの増やし方について紹介します。植物の増やし方は挿し木や接ぎ木、株分けなどいろいろな方法がありますが、ドウダンツツジは挿し木で増やす方法が一般的です。
ドウダンツツジの増やし方その①:挿し木の適期
ドウダンツツジを挿し木する適期は、2月から3月と6月から8月の2期です。挿し木に使う枝は、ある程度充実している必要があるので、2月から3月に挿し木する場合は、前年に伸びた枝を使いましょう。6月から8月に挿し木する場合は、春以降に伸びて固くなった枝でOKです。
ドウダンツツジの増やし方その②:挿し木の前準備
増やし方のポイントとして、使用する道具にも注意が必要です。挿し木にする枝を切るためのナイフは、清潔で切れ味のよいものを用意しましょう。不潔だと雑菌が切り口から枝に入って枯れる恐れがありますし、切れ味が悪いと枝を傷めてしまうからです。挿し木を挿す土は、新品で肥料の入っていないものを使用しましょう。土の種類は赤玉土(中粒)や鹿沼土(中粒)がおすすめです。
ドウダンツツジの増やし方その③:挿し木の仕方
- 挿し木に使う枝を切る。長さは10cm~15cmくらいが適切。
- 先端の葉を2枚だけ残し、それ以外の葉を除去する。
- 水揚げを行う。ナイフで枝の切り口を斜めに切った後、水に2時間ほど浸けておく。
- 赤玉土(中粒)もしくは鹿沼土(中粒)を育苗ポットに入れて、水揚げした枝を挿す。その後、水をたっぷりと与える。
- 半日陰で土が乾かないように管理する。順調に育てば一カ月ほどで発根するので、根が十分に生えてくるまで育てる。
- 根が十分に生えたところで、鉢や地面に植え替える。
まとめ
ドウダンツツジは独特の愛らしく上品な花姿から、生け花や切り花としても人気が高い植物です。上品な花姿は室内をエレガントに演出してくれるでしょう。さらに秋には美しく紅葉することから、庭木や生垣にすると季節感を楽しめます。春夏秋冬、季節ごとに姿を変えて楽しませてくれる上に育てやすいドウダンツツジを、ぜひ鉢植えや地植えにしておそばに置いてくださいね。
出典:写真AC