ツリバナの育て方
栽培環境
ツリバナは大きいものでは4mほどにまで成長するので、鉢植えよりも地植えでの栽培が適しています。日本各地に自生しているように、わりと環境を選ばず育ちますが、地植え栽培では気軽に場所を変えられないため、最初の場所決めが重要です。ツリバナが好む栽培環境を把握して育てれば、あとは手間をかけずともすくすくと元気に成長してくれますよ。では基本的な育て方をみていきましょう。
土壌
土質はそこまでこだわりませんが、もともと水辺付近に自生している植物なので、適度に湿気がある環境を好みます。かといってあまりにも水はけがよくない場所もツリバナの栽培には適していません。栽培場所が適した土壌でない場合は、赤玉土や腐葉土などを混ぜ込み、水はけがよく肥沃な土壌になるように準備しましょう。
日当たり
ツリバナは、日当たりがよい場所~半日陰を好みます。多少の日陰であれば問題なく育ちますが、日光が不足すると、花や実のつきが悪くなってしまいます。しかし、日当たりがよすぎても乾燥を招くおそれがあり、乾燥を嫌うツリバナには悪影響なこともあります。1日の数時間は日当たりがよく、あとは木漏れ日が当たるような半日陰が最適といえるでしょう。
種まき
ツリバナはほとんどが苗で販売されていますが、種から育てることも可能です。育てたツリバナの実から種を採取する際は、実の中の朱色をした果肉を割り、種を取り出して水洗いします。種まき用の土に1粒づつまいたら、乾燥しないように水を与えます。種は乾燥すると発芽力が落ちてしまうので、採取した種はすぐに土にまいたほうがよいです。
水やり
お庭で地植え栽培する場合は、自然の降雨でしっかりと成長するので、基本的に水やりはしなくて構いません。しかしツリバナは乾燥を嫌う植物のため、真夏の日照りが強い日や、雨が降らない日は注意が必要です。土が乾燥しているようであれば水やりをします。ときどき土の状態をチェックして乾燥を防ぎましょう。
肥料
山地などに自然に自生するツリバナは、生命力が強い植物であるため、とくに肥料は与えなくてもしっかりと成長していきます。ただ、栽培環境により花や実のつきがよくないなどといった場合は、緩効性肥料を1~2月の冬の時期に少量あたえます。また、肥料のあげすぎは逆効果になるので注意しましょう。
害虫被害
ツリバナは害虫被害にあうことがほとんどありませんが、まれにアブラムシやカイガラムシといった害虫がつくことがあります。どちらも植物を弱らせてしまうおそれがあるので、見つけたらすぐに園芸用の殺虫剤などで駆除しましょう。カイガラムシの場合は、硬い殻をもつ虫のため殺虫剤が効かないことがあります。ブラシやヘラを使って直接取り除いたほうが確実です。
剪定
ツリバナはもともとの樹形が美しく、害虫被害も少ないため、剪定をしなくても問題はありません。しかし庭で育てている場合など、あまり大きくならないようにしたい時には剪定をします。剪定時期は1~2月の冬の間です。余分な枝を剪定していきますが、剪定しすぎると花芽までなくなってしまうのでほどほどに行いましょう。
ツリバナの挿し木での増やし方
ツリバナをもっと育てたいときは、挿し木で増やしてみましょう。挿し木は種まきよりも簡単に増やせるのでおすすめです。枝は剪定の際切り落とした枝を利用できますよ。葉がいくつかついている枝を選びましょう。挿し床に使う土は赤玉土などの肥料分が含まれていないものを使います。
挿し木の手順
- 10~15cmほどにカットした枝を1~2時間水に浸ける
- 土を入れた鉢に枝を挿す
- 日当たり、風通しがよい場所に置き、乾燥しない程度に水やりをする
- 根が出たら、庭に植え付ける
まとめ
ツリバナは病害虫にも強く、手間がかからないので庭木やシンボルツリーに最適な植物ですね。挿し木での増やし方で簡単に増やせるので、栽培に慣れたら新たに育ててみるのもおすすめです。季節とともに違ったすがたを見せてくれるツリバナで、お庭を彩ってみてはいかがでしょうか。秋には実を食べにくる小鳥も見られるかもしれませんよ。
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出典:写真AC