羽アリとは
羽アリとは、道端などでよく見かけるアリや家屋に住みつき被害を及ぼすシロアリに羽が生えたものを指します。通常、羽は生えていませんが、巣の中が飽和状態になると新しいパートナーを見つけて巣を作り繁栄するために、移動範囲を拡大できるよう一部の個体に羽が生えるのです。
羽アリの種類
シロアリとクロアリの2種類
羽アリの種類は「シロアリ」と「クロアリ」に大きく分かれます。シロアリは木を主食としているため、家に住みつくと家屋の木材を食べてしまい、建物に被害を及ぼします。一方でクロアリは家屋の木材を食べることはありませんが、住居として住みつくことはあります。また昆虫を食べるクロアリは、シロアリを捕食するためにやってくることもあります。
実はアリではない?
どちらも名前に「アリ」とついていますが、実はシロアリはゴキブリの仲間でクロアリはハチの仲間です。見た目は似ていますがその生態は全く異なり、よく観察してみると違った特徴をもっていることがわかります。シロアリかクロアリかで被害の規模や対処方法も変わるため、まずは家の中に大量発生した羽アリがどちらの種類なのかを見分けましょう。
シロアリとクロアリの見分け方
シロアリ | クロアリ | |
発生時期 | ヤマトシロアリ4~5月/イエシロアリ6~7月 | 4~11月 |
羽 | 4枚の羽の長さが同じ/抜けやすい | 4枚の羽の長さが前後で違う/抜けにくい |
胴体 | くびれがない | くびれがある |
触覚 | 短い/数珠状 | 長い/くの字 |
見分けるポイントは体のかたち
シロアリは白色でクロアリは黒色と思われがちですが、実はどちらの羽アリも体の色は黒色です。見分けるポイントとしては、体のくびれの有無です。シロアリはくびれがなく寸胴ですが、クロアリは胸と腹のあいだが細くくびれています。またシロアリの触覚は短く直線的なのに対して、クロアリの触覚はくの字に曲がっているのが特徴です。
発生する季節・時間帯
羽アリは、気温が高くなる春から夏の季節に活動が盛んになります。日本で多く生息しているシロアリのヤマトシロアリは、4~5月の暖かくなり始める季節の天気がよい昼間に飛び立ちます。南地方に多いイエシロアリは、6~7月の梅雨の時期、夕方から夜に活動を始めるのです。クロアリは日本には約280種類もいるといわれており、4~11月の時期に入れ替わりで発生し、夜に飛んでいることが多いです。