ハクビシンとは
ハクビシンとは日本では一種類のみのジャコウネコ科の哺乳類で、ハクビシン属にはこの種類しか存在しません。特定外来生物に指定されてはいませんが外来種です。以前は山林にすみつき、夜行性のため昼間は寝て過ごし、夜になると食べ物をもとめて農作物を荒らす害獣として郊外で駆除されていました。近年、都市部での目撃や被害が増加しています。
基本情報
学名 | paguma larvata |
科属 | 食肉目ジャコウネコ科ハクビシン属 |
行動 | 夜行性、樹高性 |
食性 | 雑食 |
繁殖期 | 通年 |
生息地 | 日本、台湾、東南アジア、南アジア、中国 |
体長 | 90cm~110cm前後(尾を含む) |
体重 | 4kg前後 |
ハクビシンの特徴
顔
ハクビシンを漢字では「白鼻芯」と書きます。ハクビシンの顔の特徴は、額から鼻にかけてまっすぐのびる白いラインです。鼻だけでなく目の下や耳の付け根にも白い毛がはえており、ポイント程度の量であったり、顔全体が白っぽくなったり、個体差があります。ボルネオに住むハクビシンには顔が真っ白な個体も確認されています。
足
ハクビシンの足には前足後ろ足ともに5本の指がついています。それぞれに鋭い爪がはえ、木登りに適した形です。前足の足跡は丸い手のひらの先に5本の指の痕がつき、後ろ足は後方が長細くのび、前足と同じく5本の指の跡がつきます。大きさは4cm~5cmくらいです。後述しますが、指が4本のタヌキの足跡との見分けになります。
行動
ハクビシンは夜行性の哺乳類です。昼間は木の穴やほかの動物が掘った洞穴、岩の穴や民家の天井、空き家などで寝ています。食事をしに外に出てくるのは夜です。木登りが得意なので木を伝って屋根裏へ侵入したり、電線を渡って移動したりする姿を目撃されたこともあります。身体能力が高く、1mくらいであれば簡単にジャンプして飛び越えるでしょう。
食性
ハクビシンは雑食性です。昆虫や小動物、小鳥や鶏とその卵、生ゴミや農作物などなんでも食べます。とくにやわらかくて甘い果実が好きで、中国名は「果子狸」です。イチゴ、サクランボ、ブドウ、ミカン、モモなど人間の好きなものならたいていなんでも好んで食べます。ときには池で泳いでいるコイや金魚も食べてしまいます。
ハクビシンの駆除方法
ハクビシンを自分で駆除するのは不可能ではありませんが、普段温厚な性格でも追い詰められて怖い思いをすれば、反撃で噛みついたりひっかいたりしかねません。傷口から感染症をひきおこす可能性があるので、無理に追い立てたりするのは危険です。なるべく直接接触するのをさけて、十分注意することをおすすめします。
駆除方法①捕獲機
ハクビシンが屋根裏にいるようだとわかったら、捕獲対策のためにワナを仕掛けます。通常、ハコワナとよばれる捕獲機です。エサを入れておき、食べにきたとたんにふたが閉まり捕獲するというシンプルなものです。ある程度の大きさがあるので、屋根裏に入れるには押し入れの天井をはずさなければなりません。人間の匂いがつかないように軍手をはめましょう。
駆除方法②忌避剤
ハクビシン専用の忌避剤を使う撃退方法もあります。忌避剤はホームセンターや楽天、アマゾンなどのECサイトで購入できます。忌避剤とはハクビシンが嫌いなものの匂いを出して、ハクビシンを屋根裏から追い払う撃退方法です。自作する場合は石油系、ニンニク、木酢酢、イヌの毛などを使います。強力なのはウルフピーと呼ばれるオオカミの尿です。
ボタニ子
駆除方法③燻煙剤
ハクビシンを燻煙剤で撃退するポイントは、出入り口と思われる場所から、遠い天井裏に燻煙剤を置いてたきはじめることです。徐々に燻煙剤が充満し、逃げ場をなくして出入り口から追い払うことができます。獣除け線香タイプのものを使う際は、火の管理に気をつけましょう。ネコやイヌなどペットを飼っている場合は、一時避難したほうがよいかもしれません。
駆除方法④超音波や嫌いな音
ハクビシンの嫌いな音や超音波で追い払う撃退方法もあります。動物が嫌う周波数の超音波を発する機械やハクビシンの嫌いなものの一つ、明るい場所を演出する強力なLED電球のついたものもあります。ハクビシンに限らず動物の嫌いな音は発砲音や、バクチクなどの威嚇音です。あらかじめ録音しておいたものを天井裏に設置して使うとよいでしょう。
ボタニ子
青いLED電球で強力なストロボがたけるものもあるわ。ソーラー電池だから庭や畑に設置しておくのもいいわね。
ハクビシン駆除後の対策
対策①侵入口をふさぐ
駆除後は、ハクビシンの出入り口を金たわしや金網、パテなどを使ってすきまを埋めてください。ハクビシンを忌避剤や燻煙剤で追い払うことができたら、撃退後にすぐしておきたい対策です。ハクビシンがどこから侵入してきたのかを徹底して調べて、可能性のある場所をふさぎましょう。せっかく追い払うことに成功したのにこの対策をおこたると、またハクビシンが帰ってきてしまいます。
対策②木の枝の剪定
屋根や家に枝がかかるようであれば思い切って剪定します。ハクビシンを忌避剤や燻煙剤で撃退したら、家の周辺を見回ってみましょう。ハクビシンは木登りが得意なので何度も同じ木を登りおりし、木や屋根に足跡がついています。木がはしごの代わりをしているのです。二度とハクビシンが侵入しないように追い払う方法の一つです。
対策③フェンスと電気柵
屋外で農作物を守るためには、フェンスや電気柵を使います。フェンスだけだと簡単に侵入するハクビシンも、電気柵までは超えられません。フェンスのすきまを防風ネットでうめるのもよいでしょう。屋外でも忌避剤や超音波、嫌いな音でハクビシンを追い払えるので、フェンスや柵と併用するのもおすすめです。忌避剤を使うときは雨や風で流れてしまうのでこまめに追加してください。
ボタニ子
次はハクビシンは駆除するべきかを解説します。
ネコやイヌを飼っている場合はウルフピーは強すぎるかも。近所のイヌが吠えちゃったりするから注意してね。