ダイアンサス(ナデシコ)の育て方
ダイアンサスは耐暑性や耐寒性が強く、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。いつでも美しい葉をつけている常緑性のため、花壇の寄せ植えやグランドカバーとしても利用されています。開花時期にはかわいらしい花を次々と咲かせ、ほのかな優しい香りが楽しめるのも魅力です。そんなダイアンサスの、種まきの仕方や切り戻し剪定のコツなどを紹介します。
育て方①環境
ダイアンサスは日当たりと風通しのよい環境で育てましょう。半日以上は日光の当たっている場所で育てると、花付きがよくなるためおすすめです。暑さや寒さには強いですが、ジメジメとした多湿な環境が苦手です。水はけのよい場所を選ぶようにしてください。夏の直射日光に長く当てると葉焼けを起こしてしまうため、軒下や木の陰などに移動させましょう。
育て方②用土
ダイアンサスは多湿が苦手のため、水はけのよい用土を使って育てるのがポイントです。市販されている草花用の培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだものに、少量の鹿沼土を加えた用土を使用してください。地植えにする場合に水はけが悪いようならば、川砂を加えて調節してから植え付けましょう。
育て方③種まき
ダイアンサスの種まきは9月〜10月に行います。地植えにする場合でも、いったん育苗ポットなどに種まきをして、本葉が2枚〜3枚程度まで育ってから植え付けるようにしましょう。種が小さいためあらかじめ用土を水で濡らしておくと、種まきをした後の水やりで種が流れてしまうのを防げます。種をまいてから土を薄くかぶせ、水切れに注意しながら管理してください。
育て方④植え付け
植え付けは、3月〜5月か9月〜10月が適期です。株が大きく横に広がるため、地植えの場合は株間を20cm〜30cmほどあけて植え付けてください。鉢植えの場合は、余裕をもって大きな鉢を使用し、鉢底ネットと鉢底石を敷き詰めてから用土を入れて植え付けていきます。深植えにすると上手に育ちにくいため、浅植えにするのがポイントです。
育て方⑤植え替え
ダイアンサスは細かい根がびっしりと増えていく性質があります。根詰まりを起こしやすいため注意しましょう。鉢植えの場合は、毎年必ず植え替えが必要です。植え替えも植え付けと同じで、3月〜5月か9月〜10月に行うのが適しています。根を傷つけないように優しく掘り起こし、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
育て方⑥水やり
多湿が苦手な性質があり、水を与えすぎると根腐れを起こしやすいため、やや乾燥気味に育ててください。地植えの場合は雨水のみで十分で、水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水を与えます。水やりのときに葉に水をかけると蒸れてしまう恐れがあるため、株元に水を与えるようにしましょう。
育て方⑦肥料
肥料は3月〜5月と9月〜10月にかけて、カリウムとリン酸を多く含んだ液体肥料を週に1度〜2度、株元に適量ほどこしてください。また、植え付けの用土に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。園芸品種で四季咲きの種類を育てている場合は、年間をとおして肥料が必要です。栄養分が少ないと、花付きが悪くなる恐れがあるため注意してください。
育て方⑧切り戻し剪定
ダイアンサスを枯らさずに夏越しさせるには、梅雨の前にしっかりと切り戻し剪定をしておくのがポイントです。多湿が苦手なため、枝が込み入っていたり、葉が生い茂っていたりする部分を切り戻し剪定してから夏越しさせましょう。また、開花後には株の高さの半分程度まで思い切って切り戻すと、樹形が整いやすくなりますよ。
育て方⑨花がら摘み
ダイアンサスは花後に種子をつけるのが特徴です。そのため、花がら摘みをしないでそのまま育てると、種子に栄養分が吸収されてしまい花付きが悪くなってしまいます。花が終わり次第、花の付け根部分からハサミで花がらを摘み取り、新芽に栄養分が行き渡るようにしましょう。また、摘芯を行うと新芽が出やすくなります。2節〜3節程度切り戻しても構いません。
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