ペニーロイヤルミントとは
ペニーロイヤルミントはハーブの一種で、枝を横にして這うように伸びて広がる植物です。繁殖力が強く踏み付けにも強いため、庭のグランドカバーとしてよく利用されています。芳香が強く、ヨーロッパでは古くからノミなど害虫よけハーブとしても用いられてきました。
基本情報
学名 | Mentha pulegium |
英名 | Pennyroyal Mint |
和名 | メグサハッカ |
属名 | シソ科ハッカ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
草丈 | 15~50cm |
開花時期 | 7~9月 |
花の色 | 薄紫 |
ペニーロイヤルミントの特徴
花の特徴
5月ごろから花茎を上に伸ばし始め、7~9月ごろには薄紫色の小さな花を咲かせます。ほかのミントのような穂状の花ではなく、茎の節を取り囲むように細長い小さな花を密集させ、段々に咲く姿が特徴的です。ダンギクに似た姿です。
増え方の特徴
ペニーロイヤルミントは、ランナーを伸ばして増えていきます。ほかのミントと違い、地下茎で増えるわけではない点が特徴です。伸びていく様子が目に見えるため、思いがけない場所から芽を出すということがなく管理しやすいです。
ペニーロイヤルミントの用途
用途①グランドカバー
ペニーロイヤルミントは枝を伸ばして横へ広がるため、芝生の代わりにグランドカバーとして利用できます。暖かい地域では常緑で、一年を通して緑を楽しめるでしょう。踏み付けにも強く踏むと、ハーブらしいよい香りがします。5月ごろから花茎が上がってくるため、邪魔な場合は剪定が必要です。
用途②虫よけ
ペニーロイヤルミントは猫や犬などのペットの虫よけに使ったり、押し入れに入れて虫よけに利用できたりします。虫よけ効果が期待できる害虫は、アリ・ノミ・カメムシです。ペニーロイヤルミントのドライの葉をペットの首輪に入れるとノミ対策になります。
用途③コンパニオンプランツとしての利用
ペニーロイヤルミントは、コンパニオンプランツとしても利用されています。カメムシ対策として、田畑の畔や庭にペニーロイヤルミントを植えている農家があります。また、庭植えのバラの下草としてペニーロイヤルミントを植えると、害虫があまり寄ってこないという効果が期待できるようです。また、泥はね防止や黒点病予防効果も期待できます。
ボタニ子
コンパニオンプランツ(共栄植物)とは、一緒に植えると互いの成長によい影響を与え合う植物同士のことで、病害虫の予防にも利用されています。
ペニーロイヤルミントの栽培カレンダー
季節ごとにすること
春は種まき・植え付けの適期
春はペニーロイヤルミントの種まきや植え付けの適期です。初めて育てる方は春から始めるのが最適です。前年より冬越しした苗は3月ごろから新芽を出し始め、気温が上がるにしたがってどんどん茎を伸ばします。収穫をかねて伸びすぎた枝をその都度切り戻しましょう。5月ごろからは花茎が伸びます。花を楽しみたい部分を残して梅雨の前に剪定します。
夏は開花を楽しみつつ暑さと乾燥に注意
ペニーロイヤルミントは、7月ごろから薄紫色の花を咲かせ始めます。そのまま楽しんでもドライフラワーにしてもよいでしょう。また、真夏の高温や乾燥には弱いため、鉢植えの場合は半日陰に移動させ毎日水やりをします。地植えの場合でもひどく乾燥しているようなら水やりをして、枯らさないように注意してください。
秋は剪定をする
秋は成長に応じて、その都度伸びたら収穫もかねて剪定します。少なくとも秋に1回は剪定しましょう。また、9~10月ごろまでは、種まきや植え付けが可能です。気温が下がり始めてから植え付けると株を弱らせるかもしれないため、しないほうが安心です。
冬は休眠
冬の時期、暖かい地域では常緑植物のペニーロイヤルミントですが、寒い地域では休眠に入ります。地上部が枯れますが、根が生きていれば春には芽吹きます。気温が大変低く枯れが心配な場合は、念のため挿し木や株分けの苗を室内で育てておくのもよい方法です。
ペニーロイヤルミントの育て方【種まき~植え付け】
ペニーロイヤルミントの種は園芸店でほとんど販売されていません。ネット通販で購入する方法が一番簡単でしょう。
ハーブ種子 ペニーロイヤルミント
ハーブ種子 ペニーロイヤルミント
参考価格: 275円
珍しいハーブなどの植物、野菜の種を販売している藤田種子株式会社から、ペニーロイヤルミントの種が発売されています。確実に手に入れるなら、通販サイトを利用しましょう。
内容量 | 約1500粒 |
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送料 | 200円 |
種まき
ぺのーロイヤルミントの種を鉢などにまきます。土は一般的な培養土で問題ありません。土に水をやって湿らせてから種まきをします。種はたいへん細かい粒のため厚紙にのせ、楊枝で1粒ずつまきましょう。種まき後は土をかけません。水やりは種が流れないように霧吹きで行い、発芽までは室内で管理します。
発芽
発芽適温は20~25℃。種まきから1週間前後で発芽します。発芽したら日当たりのよい場所へ移動します。
育苗
よく日に当てて、植え付けられるまでしっかりした苗に育てましょう。発芽後や本葉が出たころに適宜間引きをして、元気な苗を残します。
用土・元肥
ペニーロイヤルミントの用土は、一般的な培養土やハーブ用の土でかまいません。庭植えの場合は、植え込み前によく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。鉢植えの場合は、元肥として少量の緩効性肥料を植穴に入れるとよいでしょう。
植え付け
ペニーロイヤルミントの草丈が3cmくらいになったら植え付けます。植え付けの適期は春と秋です。庭植えの場合は株間30cmで植えます。鉢植えの場合は、6号鉢に1株を目安にします。
出典:筆者撮影