コハウチワカエデとは
コハウチワカエデはカエデ科の紅葉の美しい落葉高木です。近年人気のある雑木類をたくさん植えるナチュラルガーデンに庭木として利用され、住宅のシンボルツリーとして植えられています。半日陰でも育ち、病害虫の被害にあうことも少なく育てやすいのも特徴です。
基本情報
名称 | コハウチワカエデ |
別名 | イタヤメイゲツ |
学名 | Acer sieboldianum Miquel |
分類 | カエデ科カエデ属 落葉高木 |
分布 | 日本固有種 本州、四国、九州の山地 |
コハウチワカエデは本州、四国、九州の山間部の沢沿いなどに自生する日本の固有種です。紅葉の美しさや細くしなやかな枝などが人気の樹種です。
名前の由来
天狗の持つウチワに形が似ている「羽団扇(はうちわ)カエデ」に葉が似ていて、全体的に小さめであることから「コハウチワカエデ」と名付けられました。別名で「イタヤメイゲツ」と呼ばれています。これは秋の名月の光ですら美しく紅葉がみられる「メイゲツカエデ」のように紅葉が美しく、葉の形は「イタヤカエデ」に似ていることに由来しています。
コハウチワカエデの特徴
コハウチワカエデは紅葉が美しく、一般の住宅でシンボルツリーに選ばれることの多い樹木です。コハウチワカエデの樹木としての特徴をご紹介しましょう。
紅葉の時期
紅葉の見頃の時期
コハウチワカエデの紅葉の時期は地域や植え付けた場所によっても違いますが、およそ10月〜11月に見頃を迎えます。またコハウチワカエデは紅葉が見頃の時期の10月28日の誕生木にもなっています。
紅葉の仕方の特徴
コハウチワカエデの特徴は紅葉の仕方でしょう。紅葉は1度に色付くのではなく、1本の木に緑、黄色、赤と色の違う葉が現れます。また、1枚の葉でも、半分づつ緑と赤など色が違うこともあり、最後には真っ赤に色づきます。その様子はとても美しく、シンボルツリーに選ばれる理由にもなっています。
樹形・幹の特徴
コハウチワカエデの幹は直立して伸び、10mほどの高さに成長し、木が成熟してくると幹は縦方向に浅く割れます。枝は細く、葉が少ない性質があり、樹高が高くなっても幹はあまり太りません。そのため枝が柔らかく伸びやかな印象があり、自然な景色を作ってくれます。若い枝はツヤがあり、緑から赤みのある紫色で細かい毛があります。庭に植栽するときは株立ちにしてもよいでしょう。
葉の特徴
コハウチワカエデの葉は直径5cm〜8cmのほぼ円形になります。掌状に7~11くらいに分かれ、切れこみの深さはあまりありません。葉の周りはギザギザです。葉柄が2cm~5cmと長いのが特徴で、白い綿毛があります。葉の表面は濃い緑色で、裏面に光沢があります。
花の特徴
コハウチワカエデは5月~6月に開花時期を迎え、雌雄同株になります。枝の先から、花序をだし、クリーム色の5弁の小さな花をたくさんつけます。花序には白い綿毛が生えています。小さな花なのであまり目立ちません。
果実・種子の特徴
コハウチワカエデの果実はプロペラがついた翼果になります。大きさは1cm〜2cmくらいで、6月〜9月ごろに木からぶら下がってついています。9月〜10月ごろに熟します。