コハウチワカエデの見分け方
コハウチワカエデが分類されているカエデは品種が多く、どれもよく似ています。どのような違いがあるのでしょうか。
ハウチワカエデとの違い
「ハウチワカエデ」は「コハウチワカエデ」の名前の由来にもなった樹種です。ハウチワカエデとコハウチワカエデの見分け方のポイントは葉の大きさと花の色にあります。ハウチワカエデの葉の大きさは直径7cm〜13cmと大きめです。花の形状は似ていますが、ハウチワカエデの花は赤紫色です。
楓(ヒナウチワカエデ)との違い
「楓」にはたくさんの品種がありますが、コハウチワカエデによく似ているのは「ヒナウチワカエデ」です。ヒナウチワカエデとコハウチワカエデの見分け方のポイントは葉です。ヒナウチワカエデの葉の大きさは直径4cm〜7cmとやや小さめです。ヒナウチワカエデの葉は切れ込みが深く、元に隙間があります。
イロハモミジとの違い
モミジもカエデ属の仲間で「イロハモミジ」は代表的な品種です。イロハモミジとコハウチワカエデは葉の形状を見れば見分けられます。イロハモミジの葉は楕円形で長さ4cm〜6cm、幅3cm〜7cmです。イロハモミジは掌状に5~7に分かれ、コハウチワカエデより少ないです。切れ込みはコハウチワカエデより深くなります。
コハウチワカエデの育て方
コハウチワカエデは玄関のアプローチなどに植栽して楽しまれています。幹が太くなるのが遅いので株立ちで植え付けるのもおすすめです。
育て方①植え付け・植え替え
コハウチワカエデは落葉後から新芽が動き出す前まで、12月〜3月くらいが植え付けと植え替え時期です。移植する際には掘り上げた土に20%〜30%くらい堆肥や腐葉土をよく混ぜて使用します。自生地が湿気が多く水はけの良い山間部の沢沿いの斜面なので、通気性と水はけのよい状態にしておくとよいでしょう。
育て方②置き場
コハウチワカエデの美しい紅葉を鑑賞するために、強い西日の当たる場所で育てることはおすすめできません。もともと山間部で成長する樹種なので、根元に強い光があたると弱わるため、下草を配置するなどして自然に日影を作るように植栽してください。
育て方③水やり・施肥
水はけの場所に庭植えしたコハウチワカエデへの水やりは自然に任せます。真夏に乾燥するようなら夕方に水やりを行いましょう。施肥は落葉後の休眠中に周囲を軽く掘って腐葉土を与えてください。
育て方④剪定
コハウチワカエデの枝は細く伸びやかで自然に樹形は整うので、必ずしも剪定は必要ではありません。落葉後の11月〜12月に伸びすぎた枝や不要な枝を切り落とすような剪定で十分です。また、枯れ枝が発生するのでよく観察して見つけしだい、剪定して整理しておきましょう。成長し樹高が高くなってからの剪定は、業者に頼むのもよいでしょう。
育て方⑤病気・害虫
コハウチワカエデは丈夫な樹種なので病気や害虫の被害は多くはありません。水はけと風通しのよい場所に植え付けましょう。まれにカミキリムシの幼虫が発生します。発生すると樹木を弱らせてしまうので殺虫剤などで駆除しましょう。
育て方⑥盆栽・鉢植え
コハウチワカエデは鉢植えや盆栽で楽しめます。枝があまり出ないので、幹の伸びやかさを生かして剪定するとよいでしょう。
用土
用土は赤玉土7:鹿沼土3の割合で作りましょう。鉢底には鉢底石か、粒の大きい赤玉土や鹿沼土を入れます。鉢植えの場合は元肥を入れてもよいでしょう。
置き場
日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。真夏には午前中2〜3時間、直射日光が当たれば十分です。特に根元に長い時間、直射日光が当たらないように気をつけましょう。よしずなどを利用するのもよいです。
水やり・施肥
水やりは1日1回たっぷり与えます。真夏は夕方に葉水を与え、株の温度を下げるのが美しく紅葉させるポイントになります。施肥は5月〜6月、落葉後に固形肥料を与えてください。
植え替え
植え替えは2年に1回、休眠時期の2月か3月に行いましょう。枯れた根や枝を切り落とし、伸びすぎた幹は好みの高さに剪定をしてください。
まとめ
コハウチワカエデは庭木としてシンボルツリーに選ばれたり、雑木や野草のナチュラルガーデンに植栽されたりしている人気の樹種です。半日陰でも育ち、樹形も整いやすく、手入れも簡単で緑から黄色、赤に紅葉する葉の鑑賞が楽しめます。コハウチワカエデは玄関へのアプローチのシンボルツリーにはおすすめです。
- 1
- 2