笹(ササ)と竹(タケ)の違いは?定義や見た目での見分け方は?

笹(ササ)と竹(タケ)の違いは?定義や見た目での見分け方は?

笹と竹は、同じように見えても、さまざまな違いがあります。それぞれに定義があり、見た目にもそれ以外にも、いろいろな見方からの見分け方があります。美しい竹林や七夕の笹飾りなど日本人にとって身近な笹と竹の、定義や見た目、それ以外での違いを見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.笹と竹の見分け方が難しい
  2. 2.笹と竹の定義
  3. 3.笹と竹の見た目の違い
  4. 4.見た目以外の笹と竹の違い
  5. 5.植物学以外での笹と竹の違い
  6. 6.笹と竹を見分けてみよう

笹と竹の見分け方が難しい

出典:写真AC

笹と竹は同じように見えても、さまざまな違いがあり、見分け方が難しい植物です。笹や竹の画像を探しても同じような画像がたくさん出てくるため、混乱することも少なくないでしょう。草丈のや高さや名前などで見分けると、どっちがどっちなのかわからなくなり、間違ってしまうこともあります。

笹と竹の定義

フリー写真素材ぱくたそ

笹と竹は、同じイネ科タケ亜科の単子葉植物で、両方をあわせると日本には約150~1200もの種類があるといわれています。同じタケ亜科に分類されるために、広い意味ではどちらも同じ竹の仲間になるうえで、それぞれに植物学的定義があります。

笹の定義

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笹は草丈が比較的低く、笹本体が伸びるときに若芽(タケノコ)の皮が、稈(カン)に残る植物です。地中の浅いところで地下茎が横に長く広がり、若芽を出して増えていきます。稈は硬くて年輪がありません。

ボタニ子

ボタニ子

円柱形、中が空洞で節があるイネ科植物の茎を稈(カン)といいます。

おもな笹の種類

日本で見られる笹は、竹と比較して大変多くの種類があります。

分類 おもな種類
メダケ属 メダケ、リュウキュウチク、アケボノザサ、など
アズマササ属 アズマザサ、スエコザサ、ヤブザサなど
ササ属 ミヤコザサ、ウンゼンザサ、クマザサなど
スズタケ属 スズタケ、ケザサ、など
ヤダケ属 ヤダケ、ヤクシマダケ、など
インヨウチク属 インヨウチク

竹の定義

出典:写真AC

竹は草丈が比較的高く、竹が伸びるときに若芽の皮が稈に残らない植物です。笹と同じように、地中の浅いところで、地下茎が横に長く広がり、そこから若芽を出して増えていきます。成長する速度が速く、稈は硬くて年輪はありません。

主な竹の種類

種類 特徴
モウソウチク 日本の竹類の中で最も大きな竹で節の輪は1本、1日に119cm成長した記録がある
マダケ 日本に古くからある竹でタケノコは6月に出る。節の輪は2本、1日に124cm成長した記録がある
ハチク 日本でモウソウチク、マダケの次に多い竹で、節の輪は2本
クロチク 始めは緑色の稈が、夏過ぎごろから少しずつ黒くなり、2年程度で真っ黒になる
トウチク 中国、台湾原産で、造園の世界ではダイミョウチクとも呼ばれる
オカメザサ 日本原産で、庭などのグランドカバーに多く使われる低木の竹

笹と竹の見た目の違い

出典:筆者撮影

笹と竹の見た目の違いは、枝にあります。笹は、枝がひとつの節目より3本以上生えますが、竹はひとつの節目より2本しか生えないとされています。

出典:筆者撮影
 

笹と竹の見た目の違いは、葉脈にあります。笹の葉の葉脈は葉の付け根から先までまっすぐに通った平行脈ですが、竹の葉の葉脈は網状脈で、網の目のような形です。葉脈は大変細かく、顕微鏡などを使うなど注意して見なければ見分けはつきません。

ボタニ子

ボタニ子

葉脈は、葉に養分や水分を運んだり、葉で合成されたでんぷんなどを運んだりする管です。

草丈

出典:筆者撮影

笹と竹の定義にあるように、一般的に笹は草丈が低く、竹は草丈が高いとされています。例えば、モウソウチクは約25mまで成長し、クマザサは1mほどしか伸びません。大型の竹は山地や庭園で、低木の笹はグランドカバーなどに利用されます。

ボタニ子

ボタニ子

笹や竹は種類が多く、例外も多くあります。

ボタ爺

ボタ爺

ヤダケのように、4.5m程度まで成長する大型の笹や、オカメザサのように、全長約1m程度の竹もあるぞ。

タケノコの皮

Photo by over_frost

笹と竹を見分ける大きなポイントは、タケノコの皮です。成長した笹や竹を見たときに、稈の節の部分にタケノコの皮が残っているのが分類上の笹です。タケノコの皮が全部はがれ落ちてしまい、稈(カン)の節の部分に残っていないものが竹とされています。

タケノコの皮で見分けた例

笹と竹の画像です。タケノコの皮で見分けてみましょう。

名前はメダケですが、タケノコの皮が残る笹の仲間です。
出典:写真AC

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名前はオカメザサですが、タケノコの皮が残らない竹の仲間です。

見た目以外の笹と竹の違い

花を咲かせる周期

出典:写真AC

笹と竹は花を咲かせる周期が違うという説があります。笹が花を咲かせる周期は約40~60年に1回、竹が花を咲かせる周期は約40~120年に1回です。笹や竹は種類が多く、中には花が咲いたあとは株がすべて枯れてしまう品種や、毎年花をつけて枯れない品種もあります。

原産地

出典:写真AC

日本で見られる笹と竹は、原産地に違いがあるといわれています。笹は中国原産の帰化植物以外に、日本原産で地方の変異種が数多くあり、竹はほとんどが中国原産の帰化植物です。

生育地

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笹と竹は、生育地が違うとされています。笹は、一般的に耐寒性があり寒冷地でも育ちますが、竹は耐寒性がなく温暖な場所で育つとさています。日本で生育する笹は、標高の高い場所や北海道などでも見られますが、竹は標高の高い場所や北海道では見られません。

ボタニ子

ボタニ子

ネマガリタケと呼ばれるチシマザサの若芽(タケノコ)は北海道などの寒冷地がおもな産地として有名な食材です。

ボタ爺

ボタ爺

寒い地方では、モウソウダケの若芽のような大きなタケノコは採れないのじゃ。

植物学以外での笹と竹の違い

英語名の違い

出典:筆者撮影

笹は英語でbroadleaf bamboo(ブロードリーフバンブー)やsasa(ささ)、竹は英語でbamboo(バンブー)やtake(タケ)と呼ばれます。竹亜科の植物は、広い意味ではすべてがbamboo(バンブー)と呼ばれますが、それぞれを区別して呼ぶときには使い分けされます。

ボタニ子

ボタニ子

竹亜科の植物は、日本の笹、竹のほかに、熱帯アジア産の株立ちとなるバンブー類があります。

造園上の違い

出典:写真AC

造園の世界では植物学とは違い、用途や大きさで種類分けされています。グランドカバーなどに使われる低木の笹や竹は笹の仲間に、シンボルツリーや生垣などに使う中高木の笹や竹を、竹の仲間とします。

ボタニ子

ボタニ子

グランドカバーとして人気のオカメザサは造園上、笹として扱われています。

用途による呼び分け

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姿や形が同じような笹と竹は、一般的に植物学的分類ではなく用途で分類されます。イネ科タケ亜種の植物で、おもに葉を利用するものを笹、おもに稈を利用するものは竹と呼び分けられています。

笹・葉を利用する呼び分けの例

食品を包む ちまき、笹団子、鯖寿司など
食品など お茶、健康食品など
そのほか 笹船など

竹・稈を利用する呼び分けの例

工芸品など かご、ざる、箸、竿、竹馬、竹とんぼ、など
建材など 竹垣、すだれ、など

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ジャイアントパンダが食べるのは笹と竹のどちらですか?

ジャイアントパンダは、笹と竹の葉、稈、新芽を食べます。ジャイアントパンダはクマ科の雑食動物ですが、中国の山岳地の奥深くで天敵をさけて生活するようになり、そのときに笹や竹を食べるようになりました。

どうしてジャイアントパンダは繊維質の多い笹や竹が食べられるのですか?

コアラがタンニンの多いユーカリを食べるのは腸内に住む細菌が関係します。ジャイアントパンダが繊維質の多い笹や竹を食べるのも、腸内の細菌と関係があるといわれています。

出典:写真AC

七夕の笹飾りに竹は使えますか?

七夕の笹飾りは、笹も竹も使用可能です。姿が同じような笹と竹には、葉に殺菌効果があり、成長が早いために子孫繁栄の象徴といわれています。大きな笹飾りにはよく竹が使われています。

笹と竹を見分けてみよう

出典:写真AC

笹や竹を見る機会があれば、さまざまな見方で見分けてみましょう。一見分かりにくい笹と竹も、見分け方を知りポイントをひとつずつ比較すると、区別がつきやすくなりますよ。

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黒竹を知っていますか?葉は鮮やかな緑で、幹は名前にあるように黒く小ぶりの竹です。和モダンな雰囲気で、ガーデニングや鉢植えとして人気があります。また黒竹の民芸品や室内装飾は昔から用いられていました。黒竹の鉢植えでの植え替えや増やし方など中心に紹介します。
umeko
ライター

umeko

ガーデニングと絵本と旅行好きの主婦です。私にとって花や緑は心の栄養です。

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