オオバヤシャブシとは?その特徴や育て方を解説!ヤシャブシとの違いは?

オオバヤシャブシとは?その特徴や育て方を解説!ヤシャブシとの違いは?

オオバヤシャブシという樹木を知っていますか?和名の由来は神様からきていたり、さまざまな用途で植樹されたり使われたりと、知れば知るほど奥が深い木です。気になるオオバヤシャブシの特徴や育て方、同属「ヤシャブシ」との違いを紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.オオバヤシャブシとは?
  2. 2.オオバヤシャブシの特徴
  3. 3.オオバヤシャブシの育て方
  4. 4.オオバヤシャブシとヤシャブシの違いは?
  5. 5.まとめ

オオバヤシャブシとは?

基本情報

分類 カバノキ科ハンノキ属
学名 Alnus sieboldiana
成長 早い
植樹 簡単
樹高 5m~10m

オオバヤシャブシは樹高5~10mの低木

オオバヤシャブシは成長しても高さが5~10mにしかならない低木で、あまり大きくならないため庭園樹や街路樹、庭木としてよく植えられる樹木です。海岸に植えられたオオバヤシャブシは、風によって飛ばされる砂の広がりを防ぐ砂防林として活用されてます。

窒素を有機物に変える窒素固定能力を持っている

大抵の植物は空気中の窒素をそのまま取り込むことはできませんが、オオバヤシャブシは空気中の窒素を有機物に変える窒素固定能力を持っています。植物の成長に欠かせない窒素を多く含むオオバヤシャブシは肥料木として温暖な地域で盛んに栽培され、畑の土壌の改良や荒れた土地の復旧に利用されています。

和名「大葉夜叉五倍子」

和名の由来は完熟した実が「夜叉」に似ているから

由来は完熟した実の表面にあるぶつぶつを夜叉像に見立てつけられたもので、夜叉とはインドの古代神話にでてくる鬼神です。夜叉は森林を守る神霊でもあり、樹木に関係しているところも意味に込められています。

オオバヤシャブシの生息地

福島県から紀伊半島の太平洋岸に多く生息している

生息地は福島県から紀伊半島の太平洋岸近くの山地で、山地では砂防林として広範囲に植樹された場所もあります。太平洋に浮かぶ八丈島も生息地のひとつであり、木は温暖な地方を好む傾向に。緑化による環境改善のために播種(はしゅ:種をまくこと)されたこともあって、今では野生化した樹木も多く見られます。

荒廃した土地でも丈夫に育つ低木

空気中の窒素成分を有機物に変えることができることから、荒地や痩せた土壌でも丈夫に成長していきます。緑化樹としてに利用されてきたオオバヤシャブシの寿命は10~20年と樹木の中で長寿とは言えず、枯れたあとは良質な養分を含む肥料として森林を成長させる助けになります。

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オオバヤシャブシの特徴

樹高があまり高くない低木で街路樹や庭木としても親しみのある樹木ですが、用途のほかにはどのような特徴があるのでしょうか?葉や実、樹皮の特徴をくわしく解説していきます。

葉の特徴

葉の長さは6~12cmと大きめ

葉の長さは6~12cmと樹木のなかでは大きめの部類で、形は卵形や長めの卵形をしています。葉の表側は光沢のある緑色で葉裏は少し淡い緑色、葉脈からわきへ広がる側脈は12~16対です。葉の中央から両脇へゆるやかに湾曲する葉の縁には、重鋸歯(じゅうきょし)と呼ばれるノコギリ状のぎざぎざがあります。

紅葉はせずに緑色のまま落葉する

一般的な樹木は気温が低くなるにつれ葉色が赤や黄色に変化し紅葉しますが、オオバヤシャブシの葉は紅葉せず緑色のまま落葉します。まれに冬になっても落葉せず翌年まで緑葉をつけたまま冬越しするものもあり、比較的寒さに強い性質です。

実(果穂)の特徴

10~11月に完熟する果穂(実)

花は3~4月に開花し、雌花と雄花が共に生じる雌雄同株で一見すると受粉しやすい環境にありますが、雌花か雄花のどちらかしか機能しない雌雄異花でもあります。花が咲いたあとにできる果穂は小さな実の集まりで、果穂が完熟するのは10~11月と開花からだいぶ時間がたちます。

果穂は松ぼっくりのような見た目

果穂は松ぼっくりのような見た目をしていて、始めのうちは緑色ですが冬が近づき完熟しきると茶褐色に変わります。実のなかに小さな翼をもつ種があり、果穂が乾燥すると種は風をうけて飛ばされていきます。

種はたくさんのタンニンを含んでいる

織物の染料として用いられるタンニンが種に多く含まれているため、草木染めの染料として昔から使われています。八丈島の特産品である絹織物の「黒八丈」はオオバヤシャブシの種を染料として使い、美しく希少な織物として有名です。染料は織物だけでなく革細工を染める用途にも使用されています。

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樹皮の特徴

樹皮の色は灰褐色で筋がある

若木の表面は割れ目もなくすべらかですが、樹齢を重ねるごとにゴツゴツとした樹皮に変わっていきます。樹皮の色は灰褐色で、ところどころに灰色のまだら模様があり、縦にいくつもの筋ができます。

樹齢を重ねると樹皮が剥離していく

幹は樹齢を重ねると表面にあるでこぼこや割れ目が広がり最終的に大きく剥離します。樹皮が剥離するのは幹が太さを増していくためで、硬くなった樹皮は内側から肥大していく幹の成長に合う弾力がないため剝がれていきます。
 

花粉の飛散時期は?

3~4月頃に花粉を飛散

オオバヤシャブシは開花時期の3~4月に花粉を飛散します。山地や砂防林、肥料木としてとして長期にわたり多数植樹されたことで、花粉の飛散量は多い傾向に。最近になって花粉アレルギーを引き起こすことが分かり、人口密集地では植樹しない動きにあります。

口腔アレルギー症候群に注意!

マスクで予防しよう!

口腔アレルギー症候群は野菜や果物などの食物を食べたときに発症しますが、オオバヤシャブシの花粉でも症状がでることがあります。食物に含まれるアレルギー物質と花粉のなかにある物質が似ていることが発症の原因。花粉の飛散時期はマスクや眼鏡などでしっかり予防しましょう。

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次のページではオオバヤシャブシの育て方を紹介するよ!

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オオバヤシャブシの育て方

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