オオカメノキとは?
登山が趣味の人なら、登山道の脇に咲いている白い花を見たことがあるかもしれません。かわいらしい白い花を咲かせるその木は「オオカメノキ」です。一体どのような木なのか、開花時期や見分け方をご紹介していきます。
オオカメノキは「大亀の木」とも呼ばれている
オオカメノキは、漢字に直すと「大亀の木」です。葉の形が亀の甲羅に似ていることから、そう呼ばれるようになりました。丸くて大きな甲羅のような葉と、登山しやすい低い山に分布していることから、登山者にとって身近な木であるといえるでしょう。ブナが多く生える場所に自生し、春の到来を告げる木としても知られています。
オオカメノキの特徴
花ではなく「がく」
オオカメノキは、専門のカメラマンがわざわざ撮影しに山に入るほど、身近でありながら人気の花です。低い山に分布しているため、登山写真にも使われやすく見映えもしやすいようです。実は、オオカメノキの白く目立つ部分は花ではありません。「がく」と呼ばれる飾り花の部分で、中央の小さなつぶつぶとした部分が花です。
葉の形
オオカメノキの特徴といえば、やはり大きな葉です。まさに亀の甲羅のような葉脈が見事です。実はオオカメノキには「大亀の木」という名前の他に、もう一つ「ムシカリ」という名前があります。この名前は葉が虫に食われやすいことから名付けられました。元々は「虫食われ」と呼ばれていたのが、いつの間にか「ムシカリ」という名前に変化していったようです。
オオカメノキの開花時期はいつ頃?
オオカメノキの開花は5月から6月中旬
オオカメノキは分布場所にもよりますが、5月中旬か6月にかけて開花します。初夏の爽やかな気候で登山にはよい季節ですが、6月は梅雨のシーズンが到来します。雨の中の登山は低い山であっても危険を伴うでしょう。咲いたという情報が入ってきたら、早めに見に行くことをおすすめします。
そっくり!オオカメノキとみずきの見分け方
山には多種多様な植物があります。実は、オオカメノキに似ている木も存在するのです。「ずっとオオカメノキだと思っていた植物が、違う木だった!」ということもあるかもしれません。特に似ているのが、みずきという木です。ここでは、オオカメノキとみずきの見分け方について見ていきましょう。
オオカメノキと似ているところは?
オオカメノキとみずきは花も葉の形もほとんど同じです。また、開花時期もほぼ同じのため、登山中にさっと通り過ぎただけで違いは分からないのが実情です。
若葉の色が見分けるポイント
花もほとんど一緒のみずきとオオカメノキの見分けるポイントは、若葉の色です。オオカメノキの若葉は、若葉も緑色のみずきと異なり、少し茶色がかっています。この葉の色で区別するのが一番分かりやすいでしょう。パッと見ただけではわかりづらいため、木の前でじっくり観察しなければいけないといえます。
オオカメノキは身近な存在!
オオカメノキは観賞する以外にも、広く知られていない役割りがあります。オオカメノキは暦としての役割も果たしていました。東北の猟師「マタギ」はオオカメノキの葉の大きさで、その年のマタギの終わりが近づくのを知るのだそうです。また、生け花用の素材や染料としても使用され、知られてはいないもののとても近い存在といえるでしょう。
まとめ
オオカメノキは、登山者の目を楽しませてくれる植物です。ふと足を止めたときに白い花が咲いていると、ほっと一息つきたくなるでしょう。近年は登山ブームということもあり、気軽に山登りを楽しめるようになりました。ぜひ山に行った際は、オオカメノキを見つけてみてくださいね。
少し茶色いですよね。これがオオカメノキです。