ダニの種類
家の中にいるダニは、「人間を噛むダニ」「人間を噛まないダニ」の2種類あります。人間を噛むダニは噛まれると何らかの症状がでるため、人間の天敵といえます。ただし噛まないダニは噛むダニのエサになるので、直接人間に害を与えなくても放置すれば人間の天敵になります。
①イエダニ
吸血タイプのイエダニは、人間の天敵となるダニの代表種です。イエダニは血以外のエサを食べないため、吸血される側の人間にとっては天敵といえます。大きいイエダニは体長1mmあるので目で姿を確認することも可能ですが、一般的なイエダニは0.5mm~0.7mmなので、目で見つけることは難しいです。
特徴
イエダニは、もともとは日本に存在しない移入種のダニです。吸血以外にえさを取る方法を持たないイエダニは、ネズミを宿主にしたことで全世界に広がりました。日本には大正時代に移入が確認され、ネズミ以外に人間も吸血することがわかっています。そのためイエダニは、ネズミが住む不衛生な場所での被害例も多いです。
発生する時期
イエダニの発生時期は、宿主であるネズミの発生時期と重なります。ネズミが繁殖しやすい不衛生な場所であればイエダニは1年中発生しますが、イエダニはネズミの巣を住まいにするため、ネズミの繁殖時期である6月~9月に発生しやすいです。宿主のネズミを駆除する方法も、イエダニ退治に効果があります。
②ツメダニ
ツメダニも人間を噛むダニです。しかしツメダニのエサは布団やカーペットなどをすみかにするコナダニなので、本来は人間を噛む習性はありません。そのためツメダニが人間を噛むのは、エサであるコナダニと勘違いしているだけです。ただしツメダニは噛みながら人間の体液を吸引するため、噛まれた場合は噛み跡が残ります。
特徴
ツメダニは、エサとなるコナダニが多い場所に生息します。エサとなるコナダニは布団や畳などにも多く見られるため、ツメダニに噛まれやすい場所も、同じく寝室や布団を敷く畳などです。またツメダニは夜行性なので、日中に噛まれることはほとんどありません。
発生する時期
ツメダニはエサとなるコナダニが大量に発生すると、いっしょに大量発生します。ただしツメダニは体が小さいので、特殊な写真を使わないとツメダニを目で見て確認できません。なおコナダニは6月~9月に大量発生しやすいので、「ツメダニは高温多湿になると発生する」と覚えておくのがおすすめです。
③マダニ
吸血対応のマダニは、人を噛むダニの中では大型のダニに分類されます。家の中だけでなく屋外にも生息しているため、本格的なマダニの活動期になると、アウトドアや公園などでマダニに噛まれた事例が数多く報告されます。吸血前のマダニの体長は平均3mmですが、吸血後は10mm前後まで膨らみます。
特徴
マダニは、人間の皮膚を頭で突き破って一気に吸血します。そのためマダニが吸引している最中に「無理やり引き抜く」「叩き潰す」「手で払う」のいずれかを行うと、マダニの頭や口の1部、場合によってはマダニが保管するウイルスが体内に残り、重篤な感染症の原因になります。
発生する時期
人間を噛むマダニは1種類ではありません。そのため本来であれば低温が苦手なマダニは、冬になると発生数が低くなるのですが、低温に強いマダニもいるため冬でも噛まれることがあります。一般的なマダニは3月~4月頃から活動が活発になり、マダニが最も活動しやすい10月~11月に発生数がピークを迎えます。
④コナダニ
コナダニは、人間を噛まないダニです。コナダニの体長はわずか0.5mm以下と非常に小さいため、人間を噛むイエダニやツメダニのエサになります。コナダニはダニが発生しやすい布団や畳だけでなく、小麦粉やパン粉などの食品カスやホコリ、チョコレート、味噌などもすみかにしています。
特徴
コナダニは人を噛まないだけでなく、大量に発生しても直接人に害を与えることがありません。ただしコナダニが大量に発生すると、コナダニを主食とするツメダニが大量発生します。そのためコナダニを退治せずに放置すると、ダニに噛まれるリスクが急激にアップします。
発生する時期
コナダニは特定の時期に発生するのではなく、エサが豊富にあればいつでも大量発生します。コナダニをエサにするツメダニが唯一の天敵ですが、ツメダニの捕食量が増えれば人間が噛まれる確率があがるため、直接人間に被害がなくても早期の駆除がおすすめです。
ボタニ子
次はダニに噛まれたかどうかを見分ける方法を紹介します!