12月に花の種まきをするデメリット
庭植えや鉢植えで育てる花の多くは、冬になると休眠期にはいるため、12月の種まきは基本的に向いていません。もちろん、栽培用の花にはさまざまな種類があり、気温が低い冬でも種まきできる花もあります。しかし、種まきからの栽培は苗植えよりも栽培レベルが高くデメリットも多いです。
①初心者レベルでは難しい
花の育て方には「苗から育てる」「種まきして育てる」の2種類があります。苗の場合はすでにある程度成長しているので初心者でも失敗しにくいのですが、種まきは発芽させ苗に育てなければいけません。そのため季節を問わず種まきからの育て方は難しいのですが、冬はさらに温度管理が必要なので初心者レベルでは難しいです。
②圧倒的に種類が少ない
気温が高い季節は多くの花が生育季節を迎えるため種まきの季節にも適していますが、冬は気温が低いため冬越しが難しいです。そんな冬に種まきをしても多くの花は発芽できないため、冬の季節に種まきができる花の種類は少ない傾向があります。
③気候区分で種まきの時期が違う
花の種の袋には種まきに適した季節が書かれていますが、気候区分によって種まきに適した季節にずれがあります。これは気候区分によって季節の温度が変わるためです。そのため「冬に種まきができる花」と表示されていても、栽培する場所によっては秋または春にしか種まきできない花もあります。
温暖地とは?
花の種まきで「温暖地」と表示されている地域は、年間平均気温が12℃~15℃に該当する地域をいいます。例えば首都圏及び関東近郊の多くは温暖地ですが、秋田県も年間平均気温が13℃台なので温暖地です。ところが秋田県の県庁所在地である秋田市は、年間平均気温が11℃台なので寒冷地になります。
暖地とは?
暖地は、年間平均気温が15℃~18℃の地域をさします。あくまでも年間平均気温なので、冬の気温が10℃以下になることも多い首都圏も多くの場合は暖地に分類されます。なお県全体が暖地に分類されていても地域によって温暖地とされることもあるため、栽培地の年間平均気温を参考に判断するのがおすすめです。
④発芽の適温と生育の適温が違う
冬に種まきができる花は基本的に耐寒性の強い種類ですが、耐寒性が強くても発芽の適正温度と生育の適正温度が一緒ではないことに注目する必要があります。そのため冬でも凍結しなければ生育できる花も、発芽の適正温度は気温15℃以上を条件としていることが多いです。
冬の種まきは育苗ポットを使うのが便利
冬に種まきができる花は、発芽までにかかる期間も違います。早ければ種まきから5日で発芽する花もありますが、なかには発芽までに2週間以上かかる花もあります。また、冬の季節は1週間時期がずれるだけでも気温が変わることはよくあるため、発芽までは育苗ポットを使い、温度管理をして栽培するのがおすすめです。