12月に種まきできるおすすめ品種
日を追うごとに寒さが厳しくなる12月は、種まきができる花の種類も少ないのですが、耐寒性が強く春~夏にかけて開花する花のなかには、気温が低い12月でも種まきできる花があります。ただし12月に種まきOKの花でも、気候区分によっては1月以降が種まきの時期としている花もあるため、選ぶときには注意してください。
①ノイバラ
ノイバラは熱帯地方に属する沖縄県以外であれば、全国各地で栽培ができるバラ科の花です。つる性植物で支柱やアーチにつるを誘引して楽しめます。栽培が難しいとされるバラ科のなかでは珍しく手間がかからない花のため、バラの栽培に初挑戦する初心者にもおすすめです。
種まきできる時期
耐火性のあるノイバラは、12月~2月が種まきの時期です。暖地なら屋外でも12月上旬~1月上旬まで種まきできますが、温暖地の場合は2月中旬以降に種まきの時期をずらすのがポイントです。寒地・寒冷地の場合は、寒さのピークが過ぎる3月上旬~3月下旬にならないと庭への種まきはできません。
花の季節
ノイバラの開花時期は5月上旬~6月下旬です。花の色は白がほとんどですが、なかには薄い紅色をした花をつけるものもあります。花弁が4枚しかなく、八重咲きのバラのような華やかさはありませんが、小ぶりのかわいい花を数多くつけるため、素朴な春の庭をつくりたいときにおすすめです。
②アンジェリア
農業分野では土壌改良用の花として人気のアンジェリアですが、園芸・ガーデニング分野の主流品種には希少なものが多く、原種に近いほど高値が付きます。ブルー系の花を咲かせるアンジェリアは甘い香りも特徴で、花を乾燥させてポプリにする活用法も人気です。
種まきできる時期
アンジェリアは一年草ですが、耐寒性があり気温が低くても発芽率が高いため、冬が種まきの時期です。12月でも10℃以下まで気温が下がらない暖地なら12月下旬、暖地よりも気温が低い温暖地は12月上旬~中旬が種まきの時期です。寒地の場合は、11月上旬または室内で育苗して春に植え付けのどちらかになります。
花の季節
アンジェリアの開花時期は5月上旬~6月下旬です。アンジェリアは緑肥になる植物で、庭の土壌改良のために栽培するなら、梅雨が明ける前に土に混ぜるとふかふかした柔らかい土ができます。なお庭の観賞用として栽培する場合は、開花のピークを5月にするとブルー系の花が少ない春の庭のアクセントになっておすすめです。
③ジャイアントヒソップ
園芸品店では「アガスターシェ」と呼ばれることが多いジャイアントヒソップは、耐寒性があるだけでなく発芽後もほとんど手入れの必要がありません。成長すると草丈が80cmまで伸び、花も鮮やかな紫色をしているため、春~秋の庭にアクセントをつけたいときにおすすめの花です。
種まきができる時期
ジャイアントヒソップの発芽の適温は20℃で、屋外で栽培する場合は気候区分で種まきの時期が変わります。暖地の場合は12月上旬~12月中旬が適期ですが、冬越しする多年草のため温暖地・寒冷地では冬越し後の2月下旬~3月下旬に種まきします。ただし温度管理ができる室内なら、冬のどの時期でもOKです。
花の季節
ジャイアントヒソップの開花時期は夏~秋です。開花時期が終わると植物としての部分(花・茎・葉)が枯れ休眠に入るため、開花が早く始まる暖地・温暖地では4月下旬には花が咲きます。通常の手入れでは秋のはじめ頃に花の時期が終わりますが、7月中旬~下旬に株の切り戻しをすると10月下旬まで花が楽しめます。
まとめ
12月に種まきできる花の種類は少ないのですが、耐寒性が強く発芽・生育の適温が低いため、工夫や便利グッズ次第で1月でも種まきできます。一般的に12月・1月・2月は「庭の土づくりの時期」といわれますが、冬に種まきした花は春に咲き始めるため、土の準備をしながら春の花を育てるのも12月の種まきの楽しみです。