オカヒジキの栽培方法!種まきから収穫まで、上手に育てるコツとは?

オカヒジキの栽培方法!種まきから収穫まで、上手に育てるコツとは?

オカヒジキをご存知ですか。シャキシャキの食感が楽しいと最近人気の野菜です。自宅での栽培も比較的簡単に出来て、長く収穫が可能なことも人気に理由です。本記事ではオカヒジキの栽培方法から育て方のコツまで詳しく解説していきます。

記事の目次

  1. 1.オカヒジキとは
  2. 2.オカヒジキの特徴
  3. 3.オカヒジキの栽培
  4. 4.収穫時期
  5. 5.まとめ

オカヒジキとは

出典:写真AC

オカヒジキとは、シベリア、中国、日本などに生息しているアカザ科オカヒジキ属の一年草です。日本全国の日当たりの良い海岸の砂浜や砂礫地、塩生地等海辺の砂地に自生していた植物です。現在では天然物の数が減り、絶滅が危惧されている状況です。

栽培の始まりは江戸時代

東北地方、特に山形県では古くから自生したオカヒジキを食用としていました。本格的なオカヒジキの栽培が始まったのは江戸時代の初期です。

山形県が栽培発祥の地

江戸時代当時、船着き場だった砂塚村「現在の山形県南陽市」が初めての栽培場所とされています。庄内地方の浜で自生していたオカヒジキの種が最上川を利用して内陸に伝えられ、砂塚村で植えられたことが栽培の発祥となりました。

オカヒジキは山形県の伝統野菜

栽培発祥の地となった山形県では、オカヒジキは伝統野菜となっています。南陽市と山形市では、農家によるオカヒジキ栽培が盛んに行われていて「山形県置賜(おきたま)地方」の伝統野菜として認定されています。

生産量1位も山形県

オカヒジキの生産は全国的に行われています。福岡県や千葉県、鳥取県などほぼ全国にオカヒジキ農家はいらっしゃいますが、生産量の1位は山形県の農家によるものです。また、最近ではスポンジを使った水耕栽培でも作られています。

水耕栽培による野菜

スーパーなどでよく見かけるスポンジ付きの野菜、特に三つ葉やスプラウド類に多いですね。これらは水耕栽培によるものです。また、サラダほうれん草や、バジルなどビニールシートによる水耕栽培で作られたものもあります。オカヒジキでも水耕栽培されたものが出荷されています。

オカヒジキの特徴

出典:写真AC

元々浜などに自生していたオカヒジキの最大の特徴は、シャキシャキとした食感と味にクセがないことです。また、加熱しても鮮やかな緑色も特徴と言えます。そのため、サラダや天ぷら、おひたしなど料理の幅が広くどなたでも食べやすい素材です。

食用しているのは日本だけ

オカヒジキを栽培して食用にしているのは日本だけです。東北地方では馴染み深いオカヒジキですが、首都圏の市場に出荷されるようになったのは昭和50年代です。そして、ここ数年はカロテンやカリウムを含む栄養価の高い食品としてよく知られるようになり、どこのスーパーでも販売されています。

オカヒジキの品種

オカヒジキの品種は、在来品種についてほとんど違いはありません。しかし、ヨーロッパ原産の品種は在来品種に比べて、サイズがやや大きくなります。

オカヒジキの栽培

出典:写真AC

オカヒジキの栽培は比較的簡単です。初心者でも失敗が少なく充分な収穫量が期待出来ます。

オカヒジキの育て方

栽培環境

日当たりの良い場所を選びましょう。酸性土壌では生育が悪くなるため、苦土石灰を散布して土壌調整するといいですね。プランター栽培、畑栽培、どちらでも栽培が可能ですが、水はけ、水持ちの良い土で充分な株間を保てることが重要です。

種蒔き時期

種まき時期は、寒冷地:5月~6月、中間地、暖地:4月~6月です。種まき時期が遅れると花がつきやすくなるので、注意しましょう。

蒔き方

種の蒔き方は、種蒔き床の畑やプランターなどに、等間隔にすじを付けて蒔く「スジ蒔き」という蒔き方、または均一に散らばせる「バラ蒔き」という蒔き方があります。プランターなど狭い場所には「スジ蒔き」が適しています。種まきするスペースに合わせるといいですね。

水やり

水分不足になると茎葉が硬くなりやすいので、土が乾いてきたら水やりを行い乾燥を防ぐようにしましょう。

育て方ポイント① 株間は8~10cm

発芽から順次間引きを行い、最終的に株間は8~10cmになるようにしましょう。オカヒジキは横に這うように生育していくので、混みあう前に間引いておくと収穫が簡単で病虫害も防げます。

育て方ポイント② 発芽時期の除草は丁寧に行う

発芽から初期成育のスピードが遅いため、雑草の勢いに負けることがあります。除草は丁寧に行う必要がありますね。オカヒジキは初心者でも育てやすい野菜ですが、この時期だけは手を掛けてあげましょう。

育て方ポイント③ 病虫害に強い

病虫害には強く、通常の農家栽培でも基本的には無農薬で栽培されることが多いのがオカヒジキの特徴です。ただし、間引きを行わずに密植させてしまうと、高温多湿の環境になり病虫害が発生しやすくなります。充分な株間をとり、風通しのよい環境にしておくといいですね。

育て方ポイント④ 移植でも育つ

種がたくさん発芽して間引いていく場合、苗を移植してもオカヒジキは育ちます。生育の遅いオカヒジキの若苗はひょろひょろと頼りなげですが、移植をしてもしっかりと大きくなります。

移植のポイント

苗の主根をちぎらないように注意して移植しましょう。オカヒジキの主根は意外と長く、引っ張ると簡単にちぎれてしまいます。ですが、深めにスコップや移植ゴテなどで掘り起こしてみると、根の付き方は浅いので主根ごとしっかり抜けます。移植した後は水やりをたっぷりとしておきましょう。

育て方ポイント⑤ 連作障害

同じ畑で同種類の作物を続けて栽培していると、作物の連作障害を起こすことがあります。連作障害とは、特定の病原菌や成分が蓄積されて、作物に障害が出ることです。

連作障害を避けるには

オカヒジキの場合、この連作障害が出やすいので同じ畑で続けての栽培は避けた方がいいでしょう。一度栽培した畑では、少なくとも1年は休裁するようにしましょう。これで、連作障害を避けることが出来ます。

収穫時期

出典:写真AC

種蒔きから2ヶ月ほどで収穫が出来ます。まるごとの収穫なら草丈10cmほど、何度も収穫したい場合は、草丈が20~30cmになったところで、やわらかい先端の茎葉10cmくらいを収獲します。一度の収穫量は、食べきるくらいがちょうどいいですね。毎日収穫して新鮮な若芽のオカヒジキを楽しみましょう。

かなりの収穫量が期待できる

草丈20cm位のオカヒジキは、茎の先端部分を摘みとり伸びてくる側枝を2~3枚ほど残します。先端から15cmの場所を収獲しておくと、脇芽が次々と成長していくのでかなりの収穫量を期待出来ます。成長し過ぎたオカヒジキは茎が硬くなるので、早めに収穫しましょう。

まとめ

出典:写真AC

新鮮なオカヒジキはシャキシャキと食感が楽しく、色も鮮やかな緑が目も楽しませてくれます。栄養価も高く、健康志向ブームからその知名度もグッと高くなりました。まだ、食べたことがない人はぜひ種から育てて、新鮮なオカヒジキを味わってみてはいかがでしょうか。

watayuki
ライター

watayuki

東京から福島県に移住して2年が経ちました。ガーデニングとほんの少しの自家菜園を楽しんでいます。自宅の周りに自生している植物から、自分で植えた野菜までを観察して記事の役に立つようにしています。自然に囲まれた環境を生かしていきたいと思います。よろしくお願いします。

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