ネギとは?
ネギは中央アジア原産のユリ科の葉菜(ようさい)植物で、園芸分類は野菜に属します。収穫期は12~2月(夏植え)と7~8月(春植え)の年に2回です。食卓にかかせないネギは、薬味だけでなく、おつまみや中華料理・和食と幅広い使い方ができます。しかし、ネギの青い部分は冬から早春の時期以外は固くなり、白い部分より食べる機会が少ない部分です。
ネギの可食部とは
ネギはどの部分を食べていると思う?
ボタニ子
茎の部分じゃないのかな~
ネギの茎は短くてあとは全部「葉」なの、つまり葉を食べているのよ
一般的に食べられているネギの部分は葉です。ネギは栽培過程で土寄せします。長ネギの白い部分は土の中で育つため白く、土より上に出ている青くなります。つまり、茎ではなく全部「葉」です。ネギの根は、根元のほんの短い部分だけです。
長ネギの種類
関東地方と関西地方では育てるネギの種類がちがいます。
根深ネギ
根深ネギの代表的な種類には、下仁田ネギや深谷ネギがあります。特徴は寒さに強く、土寄せで白い部分が多くなるように栽培されているところです。鍋料理やすき焼きの具材として、欠かせないネギで、太く長い種類です。
葉ネギ
葉ネギの代表的な種類には、難波ネギや九条ネギなどがあります。暑さに強く、葉の緑色の部分が多いのが特徴です。根深ネギにくらべると細くやわらかく、薬味やぬたなどで食べられることが多い種類です。
ネギの栄養
風邪をひいたときにネギを大量に使った料理で、体をあたためるとよいといわれています。また、カツオをはじめとした青魚を刺身などで食べるとき、ネギをつかうと、ネギに含まれる成分で臭み消しや殺菌作用などの効果が期待できます。
ネギの代表的な栄養は?
ネギの白い部分には、ビタミンCやビタミンB1、硫化アリルといった成分が大量に含まれています。これがネギの辛味の成分です。硫化アリルはニンニクや玉ネギにも含まれており、独特の刺激臭があります。また、青い部分にはカロテンやカルシウム、ビタミンCやミネラルが豊富に入っています。
ネギに期待される成分は?
においの成分のアリシンは硫化アリルに含まれる成分で、ビタミンB1の吸収を高めることが近年の研究でわかっています。ビタミンB1は疲れを取り除き、イライラや不安を解消する効果があります。また、活性酵素や発がん性物質の抑制効果にも期待がよせられているのです。
ネギの青い部分の特徴
この記事で注目するのは、一般的に長ネギと表示されているネギの青い部分についてです。九条ネギなどの葉ネギは全体が青くやわらかいですが、長ネギの青い部分は固いうえに、どこまで食べられるかもあまり知られていません。
ネギの青い部分の成分
長ネギを青い部分と白い部分に分けて切ると、青い部分は中が空洞になっています。その空洞の中にヌルヌル、ネバネバしたジェリー状の液体が入っています。一見腐っているように見えることがあるでしょう。そのジェリー状の物質は長ネギの甘みのもとで、フルクタンといいます。
ネギの青い部分の栄養効果
ネバネバの正体であるフルクタンは、複合多糖類の食物繊維でネギの青い部分に含まれています。フルクタンは食物繊維のため、腸の活性化をうながし、便秘やダイエットにも効果が期待できるでしょう。また、免疫力アップにもつながることでも知られています。腸活と免疫力アップをサポートするネギの青い部分を、捨てずに美味しく食べてはいかがでしょうか?
ボタニ子
ネギはどこまで食べていいかわからなかったけど、これからは安心して食べられる!
ネギの青い部分のおすすめレシピ
ネギの青い部分は冬から早春まではやわらかいのですが、それ以外の季節は固いことが多く調理に工夫が必要です。購入したら早めに、青い部分と白い部分に分けて保存すると、両方の部分が美味しく食べられます。ここからは、ネギの青い部分を大量消費できるレシピを紹介します。
レシピ①ネギの青い部分で発酵青ネギ作り
ネギの青い部分を小口切りにして大量消費できるレシピを紹介します。発酵させることにより、ネギの青い部分もいわゆる「ネギ臭さ」が抜けて薬味やおつまみに加工して美味しくなります。また、冷蔵庫で1週間保存できる発酵食なので作り置きにおすすめです。
材料
- ネギの青い部分:1把分
- 塩:ネギの重さの2%の量
- 水:ネギの重さの20%の量
- 保存用びん
作り方
- 保存用のビンは消毒しておく
- ネギの青い部分は小口切りにして計量する
- 塩と水はネギの重さに対して計算してから計る
- ボールにネギと塩を入れてよくもみこむ
- 4に水を加えてからビンに移す(常温で発酵させる)
- 1日に2~3回ビンを振ってなじませる
- 2~3日たつとビンの底の部分が白濁してくる(発酵完了)
- 冷蔵庫で保存する(1週間程度で食べきる)
ボタニ子
まだまだ美味しいレシピがつづくよ!
出典:筆者撮影