コバノランタナはどんな花?
コバノランタナは匍匐性(ほふくせい)があり、たくさんの花を咲かせるため、花のカーペットとしてグランドカバーに利用されています。繁殖力が強く、放置した状態でも勝手に育つほど丈夫です。しかし、花が咲かないこともあります。
基本情報
学名 | Lantana montevidensis |
科名 | クマツヅラ科 |
属名 | ランタナ属 |
分類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
草丈・樹高 | 20cm~50cm |
原産地 | 南アフリカ |
開花期 | 5月~10月 |
花色 | 淡い紅紫色、ピンク、白、黄色、複色 |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 強い |
特徴
①花
コバノランタナの開花期は5月~10月と長く、秋には特にきれいな花をたくさん咲かせます。花色は淡い紅紫色、ピンク、白、黄色など豊富です。
②葉
コバノランタナの葉は長楕円形の先が少しとがった形で、大きさが2cm~3cmです。香り立つ植物で、特に葉は柑橘系のさわやかな香りがします。また、寒くなると紅葉し始めます。
③いろいろな利用法で楽しめる
コバノランタナは匍匐性で広がる性質から、グランドカバーに適しています。また、壁にはわせたり、ハンギングバスケットなどを使って高いところから垂らしたりするのもよいでしょう。コバノランタナは常緑性のため、霜が降りない暖かい地域では、冬のグリーン植物として使えます。
コバノランタナとランタナとの見分け方
コバノランタナは通常のランタナとは別の種類ですが、同じ仲間です。園芸店などで苗を入手するとき、コバノランタナとランタナが一緒に置かれていると見分けがつきません。苗を入手するときは注意しましょう。
見分け方
コバノランタナとランタナは茎や葉の大きさで見分けられます。コバノランタナの茎にはトゲがありませんが、ランタナは茎葉に細かいトゲがあり触るとチクチクします。また、コバノランタナの葉の大きさは2cm~3cmほどで、ランタナは2cm~8cmです。花の大きさは両方とも1cmほどです。
違いについて
コバノランタナ | ランタナ | |
分類 | 草花・匍匐性 | 低木 |
花色変化 | なし | あり |
耐寒性 | やや強い | 弱い |
つる性のコバノランタナは枝が横へ広がり伸びていきますが、ランタナは低木で上へ上へと枝が伸びます。花色に関しては、コバノランタナは変化しませんが、ランタナは時間が経過すると花色が変化します。また、コバノランタナは寒さにやや強く冬越ししますが、ランタナは寒さに弱いです。
コバノランタナの育て方
コバノランタナは、真夏の直射日光にも強く、葉焼けなどの影響を受けないため夏の庭つくりに重宝されます。自生できるほど丈夫な植物ですが、放置していると大きくなりすぎてしまうため剪定は必要です。
①育てる場所
コバノランタナは半日陰でも育ちますが、日が当たる場所を好みます。日光に当てることで、花つきがよく株が丈夫になります。地植えるする場合は、日当たりがよく水はけのよい場所を選びましょう。
②用土
コバノランタナは水はけのよい土を好みます。用土は市販の草花用の培養土を使用しましょう。用土を配合するなら、赤玉土6:腐葉土(バーク堆肥)3:パーライト(軽石砂)1を混ぜて使います。
③植え付け・植え替え
コバノランタナの苗は、春先~初夏まで園芸店やホームセンターなどで購入できます。苗は、緑色の葉が株元まで密に生えているものを選びましょう。
植え付け時期
植え付け時期は春~初夏が適期です。真冬以外ならいつでも植え付けられますが、真夏の高温時期は避けましょう。
苗の植え方
<鉢植えの植え方>
- 大きな鉢ではなく、少し小さめの鉢を用意する
- 鉢底に石を2cm~3cm軽く敷いたら用土を入れ、苗を植え付ける
- 最後に水やりをする
<地植えの植え方>
- 水はけのよい場所を選ぶ
- 場所を決めたら穴を堀り、苗を植える
- 根付くために水を与える
植え替え方法
植え替え時期も植え付けと同じ春~初夏が適期です。鉢植えの場合は2年に1回植え替えます。鉢の大きさは植え付けのときに小さめの鉢に植えているため、二回り大きな鉢を用意しましょう。注意する点は根鉢を崩さないことです。また、枝が伸び過ぎていたらあわせて剪定します。花付きをよくし花数を増やすためにも、定期的に植え替えましょう。
④水やり
地植えの場合は根づいていたら雨水で十分ですが、夏の乾燥時期は水やりをしましょう。鉢植えの場合、春~秋にかけては土の表面が乾いていたら鉢底から水が流れだすくらい水やりをしっかりします。冬の水やりは、生育が止まっているため控えます。土が乾いてから3日ほど経ってから水を与えましょう。
根腐れを防ぐ方法
鉢植えの場合は、鉢の受け皿の水を捨てます。また、冬は特に土の表面が乾いていても、水が内部に残っていることがあります。鉢植えの場合は鉢を持ち上げてみましょう。軽ければ、鉢の内部の土も乾いています。ほかに割り箸を土に入れ、割り箸についた土の乾き具合でも確かめられます。
⑤肥料
鉢植えの場合、肥料は夏以外の4月~6月と9月~10月に与えます。頻度は2週間に1回、薄い液体肥料を施しましょう。地植えの場合は、肥料を必要としません。しかし、株が大きくなるにつれて栄養が全体にまわらなくなると、花が咲かなくなることもあります。株が大きく成長したら、肥料を与えましょう。
⑥手入れ
コバノランタナの手入れは、花がら摘みと切り戻しです。株は年々大きくなると花数も増えていきますが、手入れをしないと花数が減ってしまいます。
花がら摘み
コバノランタナは開花時期が5月~10月と長いです。咲き終わりそうな花があったら、摘み取りましょう。摘み取らないと種に養分を奪われて株が弱くなり、次の花芽がつきにくくなるからです。こまめに花がらを摘み取ることで、種がつくられるのを防げます。
切り戻し
切り戻しの適期は5月~7月です。花が咲き終わった枝を切り戻すことで脇芽が出て、花芽が増えます。また、枝が伸びすぎていたら適宜切り戻すことで、きれいに株を仕立て直せます。切り戻しは株にストレスがかかってしまうため、12月~翌年の3月ころまではやめましょう。冬越しができるように、秋までに終えておく必要があります。
コバノランタナの花を咲かせるコツ
コバノランタナの花を咲かせるコツは、鉢の大きさと肥料にあります。鉢植えの場合は、鉢の大きさを確かめてください。鉢の大きさが株に対して大きければ、小さな鉢に植え替えましょう。小さな鉢に変えるだけで花が咲くことがあります。また、地植えの場合は葉の茂り具合をみて茂りすぎていたら、肥料を控えましょう。栄養が株の成長に使われて花にまわっていない可能性があります。
コバノランタナの越冬方法
コバノランタナは霜に当たると地上部が枯れてしまいます。鉢植えの場合は、冬に入る前に株元から切り戻し、霜の当たらない軒下などに移すか室内で管理します。地植えの場合、寒い地域では10月ごろに掘り起こし、鉢に植え替えて管理しましょう。
地植えの霜対策
霜対策としては、植え付けるときにまわりよりも土を少し高く盛ったところに植えましょう。そうすると水はけがよくなり凍結しません。また、株元から切り戻したら腐葉土やワラでマルチングすることでも防げます。
コバノランタナの増やし方
コバノランタナは挿し木での増やし方が一般的です。種でも増やせますが発芽率が悪く、種づくりに栄養がいってしまい株が弱ってしまうため、挿し木をおすすめします。挿し木の適期は、5月もしくは9月です。
挿し木の方法
- 挿し穂となる枝を用意する(枝は10cm~15cmの長さで、若くてみずみずしいものを選ぶ)
- 鹿沼土など栄養分が少なく清潔な土を用意し、よく湿らせた土に挿す
- 日陰で管理し、1カ月ほどすると発根する
- 発根したら日当たりのよい場所へ少しずつ移動する
挿し木の注意点
挿し木で注意する点は、挿し穂の葉が多すぎると失敗するため、葉は2枚ほどにすることです。また、土は発根するまで湿らせ乾燥しないように気をつけましょう。
まとめ
コバノランタナは、手がかからない丈夫な植物です。また、春~秋にかけて次々と花が咲き続けるため、長く楽しめるのがコバノランタナの魅力でもあります。匍匐性の特徴をいかし、寄植えのほかにグランドカバーなどにも利用しましょう。真夏でも元気に育つ植物です。ぜひ栽培してみてください。
ランタナ