ボタンクサギとは?「臭木」という名前の由来や花言葉、育て方を紹介!

ボタンクサギとは?「臭木」という名前の由来や花言葉、育て方を紹介!

ボタンクサギは、アジサイに似た手毬のような花が特徴的な落葉低木のひとつです。繁殖力が強く、栽培が簡単なので、庭木としても人気があります。この記事では、ボタンクサギの名前の由来や花言葉、育て方をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

記事の目次

  1. 1.ボタンクサギとは
  2. 2.ボタンクサギの名前の由来
  3. 3.ボタンクサギの花言葉
  4. 4.ボタンクサギの育て方
  5. 5.まとめ

ボタンクサギとは

出典:写真AC

ボタンクサギは、中国やインド北部が原産の落葉低木のひとつです。別名「ベニバナクサギ」「ヒマラヤクサギ」とも呼ばれています。夏の時期に、小さなピンク色の花が集まって咲くようすはアジサイによく似ていますが、アジサイとは大きく違った特徴を持っています。この記事では、ボタンクサギの名前の由来や、花言葉、育て方をご紹介します。

基本データ

Photo by nekonomania

学名 Clerodendrum bungei
科名 シソ科(クマツヅラ科)
属名 クサギ属
原産地 中国、インド北部
草丈・樹高 100~250cm
開花時期 7~9月
花色 ピンク

特徴

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ボタンクサギは、小さな花がたくさん集まって、手毬のように咲く花が特徴の落葉低木です。開花時期は7~9月の夏で、鮮やかなピンク色の花を咲かせます。科目は、以前はクマツヅラ科に分類されていましたが、最近はシソ科に分けられることが一般的です。ボタンクサギは暑さや寒さに強く、初心者でも栽培しやすい種類です。

①カラーリーフとしても楽しめる

日本では、葉にダイヤモンドのような白い斑が入る「ピンクダイヤモンド」という種類が人気です。まだら模様の葉は、それだけで存在感があるので、花が咲いていない時期でもカラーリーフとして楽しめます。

②繁殖力が強い

ボタンクサギの特徴のひとつとして、繁殖力の強さがあげられます。挿し木ですぐ根付くので、株分けには苦労しませんが、1度根付くと、地下茎をのばしてあっという間に増えてしまいます。そのため、庭木として栽培するときは、十分なスペースを確保するか、都度新しい芽を引き抜いて駆除することが必要です。

③葉は食用にもなる

ボタンクサギの葉は食用としても利用できます。乾燥させてお茶にしたり、若葉は山菜として料理に使ったりもできます。葉や茎には殺菌効果があるといわれており、リウマチや高血圧、下痢を止める生薬として使われています。

④きれいな花は蝶にも人気

ボタンクサギは、アゲハチョウの仲間に好まれる花なので、開花時期にはクロアゲハやキアゲハなどさまざまな種類の蝶がおとずれます。エキゾチックな花のまわりを蝶がひらひらと舞うさまはとても美しいので、アゲハチョウが好きな方はぜひ栽培することをおすすめします。

ボタンクサギの名前の由来

出典:写真AC

ボタンクサギの葉と茎は、傷をつけると独特の匂いを発します。牡丹のようにきれいな花を咲かせるが、葉と茎の匂いが強いため、「ボタンクサギ(牡丹臭木)」と名づけられたといわれています。ただ、葉と茎の匂いは、折ったり切ったりしない限りはそこまで強くないので、普通に観賞するだけなら気になりません。剪定のときに注意すれば問題ないので、安心してください。

ボタンクサギの花言葉

出典:写真AC

ボタンクサギの花言葉は、「運命」「輝くような美しさ」「治癒」「清楚」です。ボタンクサギの学名はギリシャ語の「Cleros(運命)」が由来となっており、そこから「運命」という花言葉が生まれました。「輝くような美しさ」「清楚」の花言葉はボタンクサギの花の美しさから、「治癒」の花言葉は、ボタンクサギが生薬として使われていることに由来します。

ボタンクサギの育て方

出典:写真AC

育て方①栽培環境

ボタンクサギは株元に直射日光が当たると育ちにくくなるため、午前中は日当たりがよく、午後は日陰になるような場所が最適です。アジサイと同じ場所でよく育ちますので、参考にしてみてください。耐寒性があるため、庭植えにも適していますが、どちらかというと暖かい気候を好みますので、関東以北で育てる場合は鉢植えをおすすめします。

育て方②用土

ボタンクサギは、水はけと水もちのいい栄養たっぷりの土を好みますので、地植え、鉢植えどちらの場合も栄養が多い土を選ぶと失敗が少ないです。

地植えの場合

地植えの場合は、耕した場所にたい肥や腐葉土をあらかじめ混ぜておきましょう。ボタンクサギは成長すると地下茎をのばしてどんどん増えますので、あらかじめスペースを多めにとっておくとよいでしょう。

鉢植えの場合

鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものか、市販の培養土を使うとよいでしょう。また、ボタンクサギは成長すると草丈が2mになることもあるので、鉢は大きいサイズを選びましょう。最初に植える苗のポットよりもふた回りほど大きい植木鉢が理想です。

育て方③植え付け・植え替え

苗の植え付け、植え替えの時期は花が咲く前の3~4月が最適です。つぼみがついてから植え付けや植え替えを行うと、株を傷める可能性が高いので気をつけましょう。

植え付け

ボタンクサギの植え付けは、園芸店で手に入れた苗を使用するか、株分けで植え付けるか、挿し木をするかの3とおりの方法があります。苗、株ともに花の咲く前に植え付けると失敗がありません。挿し木の場合は植え付けの適期が7~8月とずれますので、注意しましょう。

植え替え

ボタンクサギは栄養のある土を好みますので、鉢植えの場合は年に1度の植え替えを行いましょう。その際は、古い土を1/3ほど残して優しく植え替えるといいでしょう。地植えの場合は植え替えの必要はありません。

育て方④水やり

地植えの場合は、根付く前の2週間ほどは水が切れないように水やりをします。しっかりと根を張ったあとは、自然の雨だけで十分育ちます。あまりにも雨が降らず、土が乾燥している場合のみ、適時水やりをしましょう。鉢植えの場合は土が乾いてきたらしっかりと水やりをします。冬は根が冷えやすくなりますので、土が乾いてきて2~3日後してから水をやるとよいでしょう。

育て方⑤肥料

地植えの場合は植え付けのときに使用した、たい肥や腐葉土で問題なく育つため、追加の肥料は必要ありません。鉢植えの場合は春~夏に遅効性の肥料を与えると株がよく育ちます。冬は休眠期間になりますので、肥料は不要です。

育て方⑥剪定

ボタンクサギの剪定は、3~4月のまだ花が咲く前に行いましょう。ボタンクサギは病気になりにくい種類の植物ですが、株元が蒸れているとリスクが上がります。また、株が茂っていると、害虫に気づきにくくなりますので、風通しをよくする意味でも剪定をおすすめします。その際は、古い枝を根元から剪定します。落ちた枝は根付いてしまいますので、都度片付けましょう。

育て方⑦増やし方

ボタンクサギは繁殖力の強い植物なので、地植えの場合は地下茎をのばしてどんどん増え広がります。発芽したら、広がっても問題ない場所の芽だけを残して、あとは引き抜き、調節しましょう。鉢植えで増やす場合は、株分けか挿し木を行いましょう。

育て方⑧病害虫

ボタンクサギは病気になりにくく、きちんと剪定を行っていればほとんど手がかかりません。害虫はアオバハゴロモという蛾の幼虫がつきやすく、被害にあうと株の元気がなくなってしまいます。剪定を行い、株の風通しをよくすることで予防できますが、あまりに大量に発生してしまった場合は、殺虫剤を使用して駆除しましょう。

まとめ

出典:写真AC

ボタンクサギは、手毬のような花が魅力的な落葉低木です。葉や茎に独特の臭気があるため、剪定のときには気をつけましょう。また、繁殖力も強いので、庭木にするときはスペースに気をつける必要があります。夏の時期に咲く、アジサイに似たピンク色の花はとても見事なので、ぜひ育ててみてくださいね。

佐野美帆
ライター

佐野美帆

自然が好きで、よく郊外に遊びに出かけます。お茶の専門店で働いていた経験があり、紅茶を含むお茶全般とハーブの勉強をしています。また、日本文学分野での出版経験を活かし、神話や民間伝承と植物の関わりに特化した記事が得意分野です。

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