トウモロコシとは?
トウモロコシはイネ科トウモロコシ属に属する一年草です。野菜ではなく、穀物に分類され、世界三大穀物としても知られています。黄色いつぶつぶした実をたくさんつけるのが特徴で、夏に旬を迎える植物です。
基本情報
学名 | Zea mays subsp. mays (L.) Iltis |
分類 | イネ科トウモロコシ属の一年草 |
別名 | トウキビなど |
原産地 | アメリカ大陸 |
旬 | 夏 |
トウモロコシの特徴
トウモロコシはイネ科の植物です。野菜ではなく、穀物の一種で人間が食べたり、動物が食べたり、バイオエタノールの原料になったりとさまざまなところで活躍しています。雄穂と雌穂の開花時期がずれていることも特徴です。トウモロコシの旬は夏で、早い所では6月から出荷が始まり、9月まで続きます。
トウモロコシの栽培方法:種まき
トウモロコシは種から育てることができます。では、どのようにして種まきを行えばいいのでしょうか。種まきの方法を紹介します。
種まきの時期
トウモロコシの発芽や芽出し適温温度は25℃~30℃といわれています。そのため、種まきに最適な時期は4月~5月です。地域によっての気温差や品種によっての違いも出てきますが、4月~5月の時期に植えるとトウモロコシは旺盛に育ってくれます。また、遅い霜に当たるとトウモロコシは枯れることがあります。そのため、あまり早い時期に種まきをしても枯れる可能性があるので、気温がしっかりと高くなった時期に種まきをしましょう。
植える場所
トウモロコシは日当たりのいい場所が大好きです。日当たりがよく、風通しのいいところに植えるようにしましょう。特にトウモロコシはC4植物といって、光合成速度がはやい植物としても知られています。光が強いほど成長が旺盛になる植物です。
土作り
トウモロコシを植える前に、土作りをしなければいけません。土作りは、植える約2週間前にはすましておくといいでしょう。トウモロコシは酸性の土壌を嫌う傾向にあります。そのため植える2週間前には、土壌に苦土石灰を混ぜて耕す必要があります。さらに、その1週間後には堆肥と肥料を混ぜて耕します。この時に、畝も一緒に作っておくと収穫の時がラクです。
苦土石灰と堆肥、肥料の分量
それぞれ1㎡に対し、苦土石灰は100~150g、堆肥は2kg、肥料は100gが目安です。
マルチング
トウモロコシはマルチングが必要となります。マルチングの方法は、片方のマルチを畝のはじに合わせて固定し、土をかぶせます。そのまま、畝を覆うようにマルチを広げていきます。もう片方の畝まで到着したら、マルチを切り、片方も土に埋めます。畝の脇のマルチも土に埋めたら完成です。一般的には黒いマルチを使われることが多いです。
種まきの方法
トウモロコシの種まきは、植え方にポイントがあります。それは、受粉を促すために二条まきの植え方をすることです。トウモロコシは風媒花なのでより、受粉をしやすくするためにこのような植え方をします。
種まきの手順
- マルチに穴を開けて1つの穴に種を3粒種まきをします。3粒は、種同士をくっついて植えるのではなく、離れるようにして植えていきます。
- 最初の穴が決まったら、そこから株間を30cmあけて同じ手順での植え方で種まきをしていきます。
- 種をすべて植えたあとは種の上に土をかけて、土をかけたら軽く手で押さえていきます。
二条まきの植え方
二条まきの植え方は、2列に種ねまきをしている植え方です。同じ畝の中に、2列トウモロコシの種まきをするという植え方です。この植え方をした場合は、同じ列での株間は30cm、違う列への株間は50cmくらい開ける植え方が理想です。
種まき後の水やり・管理
水やり
無事、全ての種まきが終わったら水やりを行います。トウモロコシは乾燥気味に育てるのがポイントですがこの時はたっぷりと水やりをしましょう。
寒冷紗(かんれいしゃ)をかける
種を植えたあとは、鳥に種を食べられてしまうことがあります。そのため、食べられることを防ぐために寒冷紗をかけます。寒冷紗もマルチングしたときの同様の手順ですが、寒冷紗は土に埋めず重しで飛ばないようにします。
種まきしたところにカップを被せる方法もあります。
トウモロコシの栽培方法:発芽・芽出し後
種まきを終え、発芽も迎えました。ここでは、発芽や芽出し後の管理方法について紹介します。
発芽・芽出しまでにかかる日数
トウモロコシの発芽・芽出しまでにかかる日数は、発芽や芽出しの条件が整っていて1週間~10日前後です。種まきをしたときに、気温が低いと感じたらトンネルをつくるのもいいかもしれません。芽出しはじめたばかりの若い芽は鳥に食べられてしまうこともあるので、寒冷紗は間引きのタイミングで取るようにしましょう。
間引きの方法
芽出しから本葉が1~2枚育ってきたころに1回目の間引きを行います。この時に間引きを行うものは、一番元気のないものです。さらに、本葉が4~5枚に育ってきたころに2回目の間引きを行います。この時には、一番元気のいいものを残してください。最終的には1つの穴に、苗が1本になるはずです。もし、発芽してない場所があれば間引きしたものを移植してみるのもいいかもしれません。
間引きをする際は、残す苗の根を傷つけないように優しく行うのがポイントです。
追肥
間引きをした後に1回目の追肥として肥料を与えます。肥料の与え方の方法は、苗の株元に化成肥料を与えるといいでしょう。追肥は、2回目の間引きが終わったタイミングで肥料を与えます。1回目の間引きのタイミングでは追肥はしません。
トウモロコシの栽培方法:管理の方法
トウモロコシを育てるにあたり、いくつかの管理が必要になってきます。ここでは、育てるにあたっての管理方法を紹介します。
追肥
種まきから約1カ月ころの時期に追肥を行います。このときも、肥料は苗の根元に与えます。そのあとは、マルチをはがすタイミングと雄穂が出てきたときにも肥料を与えます。肥料の与えかたは、全て同じ方法です。苗の根元に肥料を与えます。
土寄せ
土寄せは、マルチをはがすタイミングで行います。トウモロコシは背が高くなる植物ですので、土寄せをしっかり行う必要があります。株元にしっかりと土寄せを行うことで、倒れるのを防ぐことができます。1回だけでは、倒れるのが心配という場合には風が強く吹く前の日などにもしっかりと土寄せを行うことで、より倒れることを防ぐことができます。
水やり
トウモロコシは乾燥気味に育てるため、表面の土が乾いたら水やりをしましょう。ですが、雄穂が出てきたあとは水切れに注意が必要です。特に雄穂が開花した時期くらいに水切れを起こしてしまうと、穂が太らなかったり、果実が上までなかったりすることがあります。そのため、雄穂が出てきたら土の様子やトウモロコシの様子をよく見て水やりをしてください。
マルチをはがす
草丈が50cmに育ったらマルチをはがしていきます。はがし方は簡単で、苗を傷つけずにマルチをハサミやカッターで切っていきます。マルチをはがし終えたら、土寄せや追肥を行ってください。
雌穂を取る
種まきから約2カ月の日数で雄穂や雌穂が確認できるようになります。この時に、雌穂を取るという作業を行います。どの雌穂を取るかの見分け方はかんたんです。一番上にある雌穂以外、全て取ってしまいます。トウモロコシは1株から1つを収穫する植物です。害虫の被害を抑えるためにも、取ってしまいましょう。この時、小さいトウモロコシができていることがあります。このトウモロコシはヤングコーンと呼ばれ食べることができるので、取った後はおいしくいただきましょう。
次のページは受粉と収穫について紹介します!
出典:写真AC