ユーカリが山火事の原因になるって本当?山火事を引き起こす植物とは?

ユーカリが山火事の原因になるって本当?山火事を引き起こす植物とは?

ユーカリは日本では「コアラの好物」「精油や観賞用庭木になる植物」として有名で、人気もある植物です。しかしオーストラリアの山火事には、ユーカリが関わるという説があります。ユーカリは山火事を起こすのか、また火災を利用する植物を見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.オーストラリアは山火事が多い
  2. 2.ユーカリが山火事を起こす?
  3. 3.ユーカリが山火事を起こす理由
  4. 4.ユーカリの生存戦略
  5. 5.山火事の被害が大きい原因
  6. 6.森林火災を利用する植物
  7. 7.ユーカリは苛烈でしたたかな戦略家

山火事の被害が大きい原因

原因①人間の居住地域の広範囲化

Photo by Travel-Picture

なぜユーカリの自然発火による森林火災の被害が大きくなったのかというと、人間の居住地域の広範囲化が影響しています。ユーカリによる森林火災は、オーストラリアでは何千年も昔から起こされています。非常に乾燥した気候と養分が乏しい土壌が多いオーストラリアでは、ユーカリの自然発火で起こる森林火災によって土に養分が補充され、新たな植物が芽生えていく仕組みが完成されていました。

昔は人間の数が少なかったため、居住範囲も限られていました。そのため山火事になっても、大きな被害を受けることは少なかったのです。

でも時代が下るにつれて人間が増えると、居住範囲も山のほうまで広がっていったんだ。その結果、山火事の被害を受けるようになったんだよ。

原因②干ばつの影響

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近年、オーストラリアでは何度も干ばつが引き起こされました。特に2019年は、約50年ぶりの少雨を記録した大干ばつによる乾燥と高温で森林火災が多発し、大きな被害をもたらしています。干ばつが起こる原因としては、世界各地で叫ばれている地球温暖化の影響や、適切でない開発や灌漑(かんがい)による森林破壊などの人為的な環境変化などがあげられます。

地球温暖化による影響については、世界各地でさまざまな話が聞かれます。他人事ではありません。

近年日本を苦しめている大型台風の増加も、地球温暖化の影響ではないかと推測されているよ。環境問題は世界全体で考えないといけないね。

森林火災を利用する植物

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ユーカリの木が山火事を起こすのは、自身が生きのびて種を次代へ伝えるための苛烈な生存戦略です。しかし、ユーカリのほかにも火災を前提とした生存戦略を持つ植物が存在しています。なぜ火災を前提とした生存戦略を持つに至ったのか、ユーカリとの違いなどを見ていきましょう。

①バンクシア

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バンクシアはオーストラリアを原産とするヤマモガシ科バンクシア属の植物で、乾燥と暑さに強いのが特徴です。非常に品種が豊富で、173種類が確認されています。松ぼっくりのような独特の花をつけるため、切り花用の花材としても人気です。一方、葉の形は品種によって異なり、非常に大きな葉をつける品種や、細い葉をつける品種とバリエーションに富んでいます。

バンクシアの生存戦略

Photo byGREENFROGGY1

バンクシアはユーカリと違い、山火事が起こると約半数は燃えてしまいます。ただし硬い殻に包まれている実が、山火事の熱によってはじけて種を飛ばし、焼け跡で発芽して繁栄していきます。バンクシアはユーカリと同じく、山火事や森林火災が起きやすいオーストラリアを原産地とする植物であるため、進化の過程で山火事を前提にした生存戦略を取り入れたのでしょう。

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②ブラシノキ

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ブラシノキはオーストラリアを原産とするフトモモ科ブラシノキ属の植物です。名前はブラシに似た個性的な花姿に由来しています。英名もボトルを洗うためのブラシに似ていることから「ボトルブラッシュ」と名づけられました。名前の由来にもなった花姿が人気のため、多くの園芸品種があります。

ブラシノキは明治時代中期、園芸用樹木として日本へ伝来しました。洋風の庭にあう木として人気があります。

ブラシノキの和名は「ハナマキ」というんだよ。葉がマキの葉に似てることから名づけられたんだ。

ブラシノキの生存戦略

Photo byTkmisaw

ブラシノキの生存戦略はバンクシアとほぼ同じです。山火事が発生すると果実がはじけて種を飛ばし、焼け跡で発芽します。火災で焼けた森林には、天敵の動物、日光や養分を取りあう他植物、病気の原因となる細菌もありません。さらに土壌は焼け残った草木の灰のおかげで、養分も酸度も生育によい状態となっています。種にとっては、まさに安心して発芽し成長できる環境といえるでしょう。

ブラシノキの果実は火災が起こるまで、種の発芽能力をたもったまま待ち続けるんですよ。

ブラシノキの果序は年々増える特徴があるんだ。だから果序の数を調べれば、前の森林火災から何年たったのかがわかるんだよ。

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③ゴジアオイ

Photo by hhhalberto

ゴジアオイはハンニチバナ科ゴジアオイ属の植物で、地中海沿岸、南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに広く分布しています。ゴジアオイ(午時葵・五時葵)という名前は、正午に咲き、夕方にしぼんでしまう開花時間の短さが由来です。ヨーロッパではポピュラーな花ですが、日本の気候風土には向いていないため、日本ではあまり栽培されていません。

ゴジアオイは高温多湿な気候が苦手で、アルカリ性土壌を好みます。だから酸性寄りの土壌で夏期は高温多湿な日本では育ちにくいんですよ。

ゴジアオイの生存戦略

Photo byRalphs_Fotos

花は可憐なゴジアオイですが、「自殺する植物」と呼ばれています。由来はゴジアオイの性質です。ゴジアオイは周囲の気温が35℃を超えると、茎から揮発性の油を分泌して自然発火します。ユーカリと同じく、火事を起こす性質を持っているわけです。ほかの植物はもちろん、ゴジアオイも燃えてしまいますが、種は耐火性があるため生き残ります。焼け跡で芽吹き、やがて繁栄していきます。

ゴジアオイは「自殺する植物」のほか、「植物界のサイコパス」という怖い呼ばれ方もされてるんだよ。

ゴジアオイの花言葉は「私は明日死ぬだろう」です。怖い意味の花言葉は、ゴジアオイの性質にちなんだのでしょう。

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Laylah
ライター

Laylah

バラや百合のような美しくて香り高い花も好きですが、スミレやタンポポのような野に咲く可憐で強い花も好きです。

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