ユーカリの概要
種類は約600種類!
日本では香りを楽しむタイプに加え、シルバーリーフを観賞するタイプが人気
ユーカリはフトモモ科ユーカリ属の常緑性高木で約600種類あります。香りがよく、ポプリや入浴剤に利用されるレモンユーカリと、銀白色の丸葉を観賞するギンマルバユーカリの2種類が日本では主流でしたが、今では様々な種類が流通しています。
ボタニ子
とても丈夫!
砂漠の緑化にも利用される
ユーカリは乾燥や冬の寒さに強く、砂漠の緑化に利用されるほど丈夫です。厳しい環境下でも生長し、ベランダでも手軽に育てることができます。
生長が早い!
すぐに大きくなるので剪定が必要
ユーカリはその「大きさ」も特徴です。乾燥や冬の寒さに強く育てやすい一方で「育ちすぎる」ため、剪定が必要になります。
薬効と毒性を併せ持つ!
オーストラリアでは昔から傷や病気の治療に利用されてきた
ユーカリには青酸配糖体という有毒成分が含まれるので食用は不可です。外用には問題なく、薬効成分を併せ持つので、オーストラリアの先住民であるアボリジニの人々はユーカリを傷や病の手当に用いてきました。ユーカリの精油は免疫力や集中力を高め、鼻や喉の炎症を鎮める作用、虫除けの効果があるといわれます。
ユーカリの基本情報
- 原産地:オーストラリア、タスマニア島、ニュージーランド
- 樹高:6~60m(種類によってはさらに大きくなるものもある)
- 開花時期:種類により異なる
- 植え付け・植え替え:4~8月がよい時期
- 肥料:4~8月がよい時期
- 用途:街路樹、庭木、ポプリ・入浴剤、精油、ドライフラワー、観葉植物など
ユーカリの管理ポイント(外で育てる場合)
ここからは、ユーカリを外で育てる場合の一般的な管理ポイントと育て方をまとめます。
管理のポイント
- 乾燥気味に管理する。過湿は枯れる原因に。
- 肥料は少なめに。肥料が多いと花が咲きません。
- 成長が早いので、適宜剪定を。品種によっては一年で1~2m伸びます。
- 鉢植えは根詰まりしやすいので、植え替えましょう。
- ハダニ・うどんこ病が発生しやすいです。コガネムシの幼虫が根を食べると枯れてしまうので、要注意!
- クロロシス(鉄分欠乏によって白に変色、黒い斑点の発生)を発見したら鉄分補給を。
ユーカリの育て方①用土・土づくり
市販の培養土では水もちが良すぎるので、ハーブ用の土や観葉植物用の土がおすすめです。培養土や庭土を使う場合には鹿沼土を2割ほど混ぜ込んで水はけを良くします。
ユーカリの育て方②置き場所
日なたで育てます。半日陰でも問題なく生長します。ベランダでも簡単に育てられますが、寒さに弱い品種は冬場は室内に取り込みます。
ユーカリの育て方③水・肥料の与え方
水やり
一年を通じて乾燥気味に管理しますが、小さいときは根が浅いので水切れに注意します。根がはったら、地植えは降雨のみで敢えて水やりは必要ありません。鉢植えの場合は表面の土が乾いたらたっぷり与えます。水やりの頻度は、春秋は2~3日に一回、夏は毎日か2~3日に一回、冬は土が乾いて3日~5日経ってからが目安です。過湿は枯れる原因になります。
施肥
ユーカリは肥料を少なめに施します。肥料が多いと花が咲かず、弱っているときに与えると枯れる原因にもなります。鉢植えは植え付け時に緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。地植えは緩効性の固形肥料を生育期に与えます。
ユーカリの育て方④植え付け
苗の入手
まずは苗を入手しよう!
ホームセンターやネットショップで苗を入手します。種もネットショップ等で入手できますが、日本では苗から育てるのが一般的です。
植え付け
植え付けは4~8月がよい時期
植え付けの適期は4~8月です。ポット苗も3月頃から出回ります。
地植えの場合
地植えの場合は根鉢の2倍くらいの深さに穴を掘り、苗を植えます。水はけの良い土を使いましょう。ユーカリは移植不可なので、地植えする場所はよく検討しましょう。植え付け後は水をたっぷり与えます。
鉢植えの場合
用意した苗のポットよりも一回りか二回り大きい植木鉢と、水はけのよい土、鉢底石を用意します。
【植え付けの手順】
①鉢に鉢底ネットを敷き、鉢底石と土を入れます。
②土を鉢の半分くらいまで入れます。
③ポリポットから出した苗を鉢の真ん中に置き、鉢の縁から2cmくらいのところまで残りの土をかぶせます。このとき、苗の根についていた土は優しくほぐして落とせる分を落としてから植え付けます。
④鉢底から出るくらいたっぷり水やりします。
ユーカリの育て方⑤植え替え
鉢植えは根詰まりしやすいので2~3年に一度植え替えが必要になります。植え替えの適期は4~8月です。元の鉢より一回りか二回り大きな鉢を用意しましょう。
【植え替えの手順】
①株を取り出し、根についた土をほぐして落とします。黒くなったり傷んだりしている根があれば切り落とします。
②新しい鉢に鉢底ネットをかぶせ、鉢底石を敷きます。
③鉢の半分ほどまで土を入れ、株を鉢の中央に置きます。
④鉢の縁から2cmあたりまで土を入れ、水を鉢底からあふれるくらいたっぷり与えます。
ユーカリの育て方⑥摘心・剪定
摘心
高さを抑えたい場合は、生育期である春から秋の間に一番てっぺんの成長点を摘心します。成長が早いので摘心はこまめに行いましょう。
剪定
地植えの場合
庭木の場合も適当な大きさを保つために剪定を行います。思い切ってばっさり切ってもそこから新芽が出てきます。適当な大きさを保つことで、コガネムシの幼虫に根っこを食べられたときの倒木を避けられます。
鉢植えの場合
ユーカリは根詰まりを起こしやすいです。根詰まりは枯れる原因になります。一回り大きな鉢に植え替えるか、地上部を半分か三分の一まで剪定すると、そこからまた新芽が出てきます。
切るときは枝の途中ではなく、根元から切るようにしましょう!
ユーカリの育て方⑦支柱を立てる
ユーカリは根が浅く倒れやすいので、特に小さいうちは支柱を立てましょう。大きくなると支柱では支えられずに倒れてしまいますので、こまめに剪定して整えます。
ユーカリの育て方⑧かかりやすい病害虫
ユーカリはうどんこ病とハダニの発生に注意しましょう。いずれも乾燥しすぎると発生しやすいです。またクロロシス(鉄分不足による変色や黒い斑点が見られる)を起こしていると、病害虫にかかりやすくなります。そのほかコガネムシの幼虫によって根を食べられて一気に枯れてしまうことも。コガネムシ対策として、事前にオルトラン粒剤をまいておくとよいでしょう。
ユーカリの育て方⑨増やし方
ユーカリはさし木で増やせます。剪定時に切った枝を15cmほどの長さに切り、水に一日つけておきます。その後水はけのよい土にさし、発根を待ちます。発根したら苗同様に植え付けます。
ユーカリのアレンジ法
ユーカリは庭木やベランダなど外で育てても良いですが、ブーケのアクセントに利用したり、切り花にして吊り下げるだけでもおしゃれですね。また水分が綺麗に抜けやすく、ドライフラワーも作りやすいです。
まとめ
丸葉のものや細長い葉のもの、香りを楽しめるものと種類も様々なユーカリ。日なたを好む植物ですので、室内で観葉植物として楽しむ場合もできるだけ日当たりのよい場所に置いてあげましょう。鉢植えであればベランダでも育てられ、冬場には室内に移動できます。ユーカリを生活に取り入れてみませんか?
ハート型の丸葉をもつユーカリポポラスも人気です!