バンクシアとは?見た目が印象的な花の特徴や上手な育て方をご紹介!

バンクシアとは?見た目が印象的な花の特徴や上手な育て方をご紹介!

バンクシアはブラシのような花が特徴の樹木です。切り花としても人気ですが、個性的でめずらしい庭木としても園芸好きの間で注目を集めています。オーストラリア原産ならではのユニークな特徴と、日本で育てやすいバンクシアの品種、耐寒性や育て方のポイントなどをご紹介します!

記事の目次

  1. 1.バンクシアとは?
  2. 2.バンクシアの特徴
  3. 3.バンクシアの品種
  4. 4.バンクシアの育て方
  5. 5.まとめ

バンクシアとは?

出典:写真AC

バンクシアはオーストラリア固有の常緑樹です。主に南西部と南東部に分布し、品種によっては日本でも庭木として育てられます。ブラシのような花は品種によりさまざまな色合いで、葉は鋸葉や裏が銀白色のものなど種類により異なります。山火事に遭うことで硬い果実から種をこぼすなど、日本の園芸植物では見られない特徴があります。

バンクシアの基本データ

学名 Banksia
園芸分類 常緑低木、常緑高木
科名 ヤマモガシ科
属名 バンクシア属
原産地 オーストラリア
樹高 1~25m
開花時期 春~秋、秋~春など(品種による)

バンクシアの名前の由来

イギリスの植物学者ジョセフ・バンクス卿にちなんで名付けられました。彼は、一介の水平からイギリス海軍の艦長になったジェームズ・クック(通称キャプテン・クック)の初めて航海に同行したときに、このユニークな植物を発見したのです。

バンクシアの特徴

特徴①ブラシのような花

出典:写真AC

開花時期は品種により異なり、蕾から数か月かけてゆっくり開花します。一般的に花とされる部分は「スパイク」と呼ばれ、たくさんの小さな花が集まり、ブラシのような形を作っています。その小さな花が開花するとおしべが飛び出し、さらにブラシらしくなります。亀の子たわしのような短いものや、ボトルブラシのような長いものなど、ユニークな花が見られます。

特徴②さまざまな形状の葉

出典:写真AC

常緑で年間通して楽しめるバンクシアの葉の様子も品種により異なります。エリカのような細くて短い針状の葉は、繊細で柔らかな印象で、硬い質感の細長い楕円形や、ギザギザの鋸葉はかっこいいような印象です。周りの植物との相性や、お庭の印象に合わせてさまざまな品種が選べるのもバンクシアの魅力です。

特徴③特殊な形をした果実

出典:写真AC

花が枯れた後に果実ができます。一つのスパイクで1000以上の花が咲きますが、果実をつけるものは多くありません。とても硬い果実の中にある種子は、山火事に遭い燃やされることで飛び出します。そして、紙質の翼を持つ種子は、回転しながらさらに遠くへ飛んで行くのです。果実はすこしグロテスクにも感じるような姿です。

特徴④バンクシアの耐暑性と耐寒性

まだ庭木として見かけることも少なく、日本の園芸植物とは異なる姿で性質に不安を感じるかもしれません。しかし、オーストラリア南東部や東部原産のものは、日本の関東以西の気候に近く、庭木として育てられます。夏の高温多湿に耐え、耐寒性もあり、-4~6度でも問題なく育ちます。雪が降っても枝葉が痛むことなく、元気に育ってくれます。

特徴⑤特殊なプロテオイド根

バンクシアが自生するオーストラリアは、植物の生育に必要とされる三大栄養素のリン酸が少ない痩せた土壌です。そのような環境で生きていくために、バンクシアは「プロテオイド根」という特殊な根を持っています。細いブラシのように密集した細い根から、痩せた土壌に含まれる少量のリン酸を吸収しながら成長しているのです。

特徴⑥バンクシアに集まる生き物

バンクシアの花は大量の蜜を作り出すため、小鳥やコウモリなどの貴重な食料でもあります。現地では、有袋類小動物であるピグミーポッサムなども集まるそうです。そして、その小さな動物たちに花粉を運んでもらうのです。バンクシアを庭で育てたら、小鳥や小さな動物たちが遊びに来てくれるかもしれません。

特徴⑦バンクシアが突然枯れる

出典:pixabay

バンクシアの葉の色が悪くなったかと思うと、突然枯れてしまうことがまれにあるようです。バンクシアだけでなく、オーストラリア原産の植物にみられるようですが、原因不明で若い木でも成木でも起こります。経験者の間では湿度や水やりが関係しているのではないかと考えられていますが、はっきりしたことはわかっていません。

ボタニ子

ボタニ子

次はバンクシアのおすすめの品種を紹介するよ!

バンクシアの品種

品種①ヒースバンクシア(エリキフォリア)

開花時期は10月頃からで、幅は4~6cm、長さが20~30cmという大きなオレンジ色の花が特徴です。葉は細く短い針状で、エリカによく似ていることから「ヒース」(エリカの英名)の名がつきました。樹高は2~5m、株張りは1~2.5mでブッシュ状の樹形です。株によって赤みがかるので、色合いにこだわりがある場合は、開花株を購入した方が安心です。

開花時期 10月頃から
樹高 2m~5m
株張り 1~2.5m
花色 オレンジ~赤みがかったオレンジ

品種②ウォールムバンクシア(アエムラ)

5月~10月にかけて開花します。花の大きさは12cmほどで、派手さはありませんが、淡いイエローグリーンがおしゃれな品種です。ギザギザで細長く、つやのある印象的な葉は、花のない時期にも楽しませてくれそうです。樹高は3~5m、株張りは1~2.5mほどで、樹形はブッシュ状です。

開花時期 5~10月
樹高 3~5m
株張り 1~2.5m
花色 淡いイエローグリーン

品種③ヘアピンバンクシア(スピヌロサ)

開花時期は5月~10月で、長さ10cmほどの花の色は、金色、黄色、オレンジ色、赤 黒など、株によりかなり異なります。葉の長さは3~10cm、幅1~8mmと細く、縁がギザギザの鋸葉です。樹高が1~3m、株張りは1~2mほどの小型品種で成長も遅いため、狭いスペースでも育てられます。

開花時期 5~10月
樹高 1~3m
株張り 1~2m
花色 金色、黄色、ピンク色、オレンジ色、赤 黒

品種④コーストバンクシア(インテグフォリア)

長さが10~12cmほどのクリーム色~黄色の花が、夏から冬にかけて開花します。葉は濃い緑色で裏側が銀白色です。樹高は5~25mで、園芸用に流通しているバンクシアの中では大型の品種です。「コースト」の名前の通り海岸沿いでも育ち、バンクシアを接ぎ木で増やすときの台木として使われるほど丈夫なので、初心者の方にもおすすめです。

開花時期 夏から冬
樹高 5~25m
株張り 不明
花色 クリーム色~黄色

品種⑤スワンプバンクシア(ロブル)

「スワンプ」とは、湿地帯を表す言葉で、バンクシアの中では珍しく湿地で育つ品種です。華やかとは言えませんが、株により緑色~黒みがかった色の渋い花が、秋から冬にかけて開花します。幅が20cm、長さが40cmほどの大きな鋸葉が特徴で、表は光沢のある緑色、裏は白い線毛が生えています。樹高2m、株張り2mほどです。

開花時期 秋から冬
樹高 2m
株張り 2m
花色 緑色~黒みがかった緑色

ボタニ子

ボタニ子

次は、バンクシアの育て方を紹介するよ!

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バンクシアの育て方

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